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参院選で見えてきた、新しい流れ

2019-07-22 20:11:15 | アラカルト

昨日の参院議員選挙では、現与党が過半数を獲得した、という結果に終わった。
結果はそうだが、今回の参院選で感じたことは、いわゆる既存政党とは違う政党の存在感を感じた、ということだった。
一つは「NHKから国民を守る党(N国党)」と「れいわ新選組」の選挙資金の調達方法だった。

既存政党の場合、必ずと言ってよいほど「支持母体」と呼ばれる支援団体がある。
その中でも公明党の場合、支持母体である創価学会とは「一心同体」とまでいわれ、「政教分離の原則」という指摘までされている。
当然、党の選挙資金の多くは、創価学会の信者さんたちから提供されているはずだ。
他にも、自民党と農協とか、立憲民主党や国民民主党などは労働組合が支持母体となっている。
ところが、N国党やれいわには主だった支持母体が無い。
それだけ、選挙資金や選挙の為の党員集めなど難しい政党であった、ということになる。
もちろん、故市川房江さんのように市民運動から議員さんになられた方も少なくはないのだが、政党として立ち上げ選挙に臨むという点では、これまでとはずいぶん違う「政党」という気がしている。

N国党の場合、選挙資金はyoutubeだったが、れいわ維選組の場合はクラウドファンディングと寄付だった。
BuzzFeed Japan:゛NHKから国民を守る党”が1議席獲得「お金と候補者は全部youtubeで集めた」選挙戦略を明かす

毎日新聞:れいわへの寄付4億円超える 山本氏「おかず減らしてくれたおかげ」

「N国党」の場合、政見放送そのものがNHKの独占ということもあり、NHKの存在意義を問うためにNHKに出演している、というシュールなこともあった。
それが逆に若い世代では話題となる、ということもあったようだ。
そのため、年齢が高い有権者からは「政党としてどうなのか?」と思われた方もいらっしゃったのでは?と、想像している。
しかし選挙で1議席獲得したということは、一定数の有権者は現在のNHKに対して、不満や不信を持っている人がいる、ということになるはずだ。
NHKの場合、国会で予算などが決まることを考えると、裁判では勝てないが国会の場でNHKに対してモノ申したい!という生活者の意識の表れだろう。
何より、選挙資金(と候補者)をyoutubeで調達という、これまでとは全く違う手法で、選挙資金と候補者を集めている。
既成政党からすれば、泡沫候補と笑われた存在であったと思うのだが、youtubeで一口300万、二口で立候補しませんか?などと呼びかけ、資金と候補者を集める、という荒業ではあるがそれだけ今のNHKに対して、不満を持っていた人がいた、ということにもなる。

一方の「れいわ新選組」のクラウドファンディングという方法もまた、今という時代の資金調達だといえよう。
タレントとして活躍をしていた山本さんからは想像もつかないほどの熱弁する姿は、既成政党の党首たちの姿よりも遥かに印象的なものだったように思う。
その理由は、平易な言葉・有権者目線での語りだったということだと思う。
だからこそ、「れいわ新選組」というよりも山本太郎という政治家の言葉に賛同し、クラウドファンディングで資金を集めることに成功したのだと思うのだ。

今後「N国党」については、どうなっていくのだろう?という泡沫政党の感がぬぐえないが、「れいわ新選組」に関しては既成政党よりも大きな発言力を持つのでは?という、気がしている。
というのも、当選をされた候補者のお二人が難病患者さんや重度の障害を持った方々だったからだ。
当選された方々をサポートするために、山本氏が議場に入ることもあるだろうし、代弁をする時もあるだろう。
弱者の声を届ける、という点では、今回の「れいわ新選組」の候補者戦略もまた、既成政党とはずいぶん違う発想と行動力と感じるのだ。
そして社会的弱者と言われる方々を応援する政党としてのイメージ付けができれば、弱小化してしまった旧社会党系などよりも遥かに発言力のある政党に成長する可能性は高いと思う。
既成政党の党首の皆さんは「れいわ新選組」の勝因を、きちんと分析をする必要がある。