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吉本興業「闇営業問題」の本質は、どこにあるのだろう?

2019-07-24 12:36:49 | ビジネス

一昨日、吉本興業の社長さんが、「闇営業」に関する記者会見を行った。
社長さんが登場する前に、社員の方が何やら説明をしていたのをネットのライブニュースで見ていたのだが、「何が言いたいのか分からない」という印象ばかりで、見るのを止めてしまった。

「そろそろ終わったかな?」と思ってネットのライブニュースをチェックしたら、今度は社長さんの記者会見中だった。
その時も「何が言いたいのか分からない」という印象ばかりで、私の理解力が悪いのか?と思う場面もあり、早々に止めてしまった。
後で知ったのだが、5時間を超える記者会見だったようだ。
これほど長い記者会見は珍しいと思うのだが、テレビで活躍されているタレントさんたちから、批判的なコメントが続いたのを知り、「記者会見としては、失敗だった」という印象付けをしてしまったようだ。

今回の「闇営業」について高学歴芸人・ロザンの菅さんが、会社に対する批判ではなく、ある提案をしている。
デーリースポーツ:高学歴芸人ロザン 吉本芸人のスリム化提案「絞るべき」・・・吉本問題に

現在所属している芸人さんが、6000人いらっしゃるらしい。
6000人の従業員を抱えている企業と言えば、大企業の中でも相当規模の大きな企業ということになる。
吉本興業という芸能プロダクション1社で、6000人もの芸人さんが所属している、ということ自体驚きなのだが、そのうちテレビや劇場などでコンスタントに活躍をしている方などは、一握りだろう。

吉本興業の所属芸人さんが、これだけ多い理由の一つは「養成スクール」の存在が大きいとは思うのだが、養成所を持っている、という点では「宝塚歌劇団」がある。
ご存じのように宝塚歌劇団の舞台に上がるためには、音楽学校に入学する必要がある。
入学できる生徒も少なく、上級生・下級生との間には厳しい上下関係があり、レッスンも厳しいと言われている。
厳しい寮生活を経ても、宝塚の舞台に上がれるとは限らない。
選抜された生徒のみが、次の宝塚歌劇団のトップと呼ばれる人材へと、成長していくのだ。

吉本興行が、6000人という芸人さんを養っていかなくてはならないとすれば、当然それに似合うだけのスタッフが必要になり、それがギャラに反映しているとすれば、本末転倒な経営ということになるのでは?
確かに、会社を通さずに芸人さんが勝手に仕事をすることは、企業として問題だ。
しかも相手が、反社会勢力だったとすれば、芸人さんだけではなく企業としての信用も無くなってしまう。
もちろん「闇営業」ができるような企業文化があり、契約書などはなく口約束であった、という今時の企業としてはあり得ないことだ。

これを機会に、吉本興業だけではなく所属タレントと企業という関係を見直し、近代化する必要があると思う。
その意味でも、ロザンの菅さんの「スリム化」という提案は問題の本質を指摘しているのでは?と感じるのだ。