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安倍内閣が、「検察庁法改正法案」を見送った理由を、考えてみる

2020-05-19 19:43:05 | アラカルト

このところ世間の話題となっていた「検察庁法改正法案」が、見送られる見通しとなった。
朝日新聞:首相、検察庁法改正案の今国会成立を断念 世論の反発を受け

実は、このニュースを聞いたとき本当に安倍さんは、「世論の反発」を感じて国会成立を断念した訳ではないのでは?という、気がしていた。
事実、今日の朝日新聞には、森法相が「現行案のまま成立を目指す」という、意向が掲載されている。
朝日新聞:検察庁法改正、現行案のまま成立めざす姿勢 森法相

ではなぜ、見送ったのか?というと「内閣支持率」が低下し続けているからだ。
Bloomberg:安倍内閣支持率33%に低下、6割超が検察庁法改正案に反対ー調査

Bloombergの記事の元が、朝日新聞なのでこのような厳しい数字が出たのかもしれないのだが、いわゆる「危険水域」と呼ばれる30%以下に近づいているのが、今の内閣支持率ということになる。
もちろん、この調査が朝日新聞ではなく、讀賣や産経であればもっと違う支持率となるのかもしれないが、いずれにしても「政権運営」の柱の一つとなる「内閣支持率」の低下は、安倍政権にとって危機感を持たせるには、十分だったと思う。

安倍さんにとって「支持率」の内容よりも「支持率」そのものが重要であり、「危険水域」と呼ばれる内閣支持率がこれまで以上に下がってしまうと、自身の保身にも影響が出てきてしまう。
それだけではなく、「安倍さん支持者」と言われている作家の百田さんなども、批判的な言葉を言うようになってきた。
「安倍シンパ」と呼ばれる人たちからの、批判は安倍さん自身にとってショックだったのでは?と、想像するのだ。
安倍さんからすれば「裏切られた感」があったのでは?と、想像してしまうのだ。

もう一つ理由があるのでは?と、考えている。
それが「今は新型コロナで大変な時期なのに、不要・不急だと思われる法案を今通す必要があるのか?」という、「抗議」の意見だ。
この抗議の内容から読み取れるのは「法案には反対しない。ただ今は時期が悪い」ということだと、受け止めているのでは?ということなのだ。

確かに「不要・不急の法案」と言われてしまえば、1,2カ月して「新型コロナウイルス」終息の兆しが出るまで、議論を伸ばせば、法案が通るだろうと判断してもおかしくはない。
法案そのものに反対をしているわけではない、と安倍さんが考える可能性が高い。
だからこそ、森法相の「現行の案を通す」ということになるのだ。

これらのことを考えると、上述した通り「支持率が低下しているのは、新型コロナという『感染症拡大』によるもの」と考えているだけで、支持率低下の本当に意味は理解していないし、当然失策に対する反省も失策から学ぶことも無いだろう、「#検察庁法改正に抗議」の狙いと目的も理解していないのでは?思っている。