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「メーデー」開催100年に思う

2020-05-01 16:46:01 | アラカルト

今日5月1日は、「八十八夜」。
お茶どころ静岡県下などでは、街中で「新茶の試飲会」等がふるまわれる。
子どもの頃、浜松で過ごしたことがある私にとっては、この時期は「新茶」と「浜松まつり」で、市内が一番活気づく頃という思い出がある。
今年は「新型コロナウイルス」の感染拡大により、このようなイベントは、全国各地で中止になったことだろう。
そして、「メーデー」も中止になったようだ。
今朝のFM番組を聞いていたら、そのようなニュースがあった。

今時「メーデー」といわれたところで、「メーデーって何?」と思う若い方いるだろう。
まして非正規で働く人たちが増えたことで、「労働組合」そのものが、かつてのような役割を果たせなくなってきている。
ご存じの通り、企業にある「労働組合」の組合員は正規社員を対象として、組織つくられているからだ。
ただ今年で「メーデー」という「労働者の祭典」が100年という、節目の年だったようだ。
その節目の年の「メーデー」は、「新型コロナウイルス」の感染拡大防止を理由に、集会ではなく「オンライン」での開催となったという。
時事通信:異例のオンライン開催 100年目の連合メーデー -新型コロナ影響で・東京

今朝のFM番組で話題にしていた理由は、「オンラインでメーデーを実施する」という点だった。
確かに「3密」を避けるという意味を考えると、「メーデー」のイベントは正に「3密」状態のイベントだ。
時には、家族連れで参加という方もいらっしゃったりするので、その感染リスクはとても高い。
「オンライン」という方法も、これからは必要かもしれない。

そしてFM番組で指摘していたのは「オンライン」という今という時代を象徴するような、「メーデー」の在り方だけではなく、「メーデー」そのものがどうなっていくのか?という点の指摘もあった。
その指摘を聞きながら「産業構造の変化と労働組合」という視点で、これからの「働く人の権利」を考える必要があるのでは?という気がしたのだ。

100年前「労働組合」ができるようになったころの日本は、労働力が第一次産業から第二次産業へと転換していく頃だった。
その当時、「第二次産業=製造業で働く」ということは、「第一次産業=農林水産業」とは違い、長時間の労働時間の拘束や危険を伴う労働ということが多かった。
今のような「労働基準」等も守られることなく、低賃金で働かされるという場合が多かった。
そのような過酷な労働環境を改善し、労働者の働く権利を守ろう!というのが「労働組合」結成の切っ掛けだった(と、高校生の頃習った記憶がある)。

しかし今のように、産業構成が第二次産業から第三次産業が中心となり、その第三次産業の中でも「インターネット」や「IT」といった職務内容が多くなってくると、100年前の「労働組合」の考えでは、今の「労働者の働く環境や権利」を守ることが難しくなっているはずだ。
確かに「働く環境や権利」という言葉は、変わらないはずだが、その「仕事内容」がこの100年で大きく変り、100年前に無かった仕事が、今や主流となっている。
そう考えると、「メーデー」が「労働者の祭典」であり続ける為には、「今」という時代に即した考えが必要なのだ、という気がする。

とはいうものの「ブラック企業」という言葉が、まかり通るような状況は100年前と、あまり変わっていないのかもしれない…。