日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

少しづつ日常を取り戻すのだろうか?

2020-05-27 17:46:55 | アラカルト

長く続いた(?)「自粛生活」が、いったん終了した。
東京を含む関東一円の「緊急事態宣言」に基づく、様々な「自粛」が一旦解除されたからだ。
この「自粛解除」を心待ちにされていた方も、多かっただろう。

そしてこの2カ月以上の「自粛生活」は、様々な社会変化をもたらしたような気がしている。
その一つが「テレワーク・リモートワーク」だ。
「3密」を防ぐ為に、大企業は「テレワーク・リモートワーク」を導入せざる得なかった。
この「テレワーク・リモートワーク」によって、これまでの企業組織の在り方に、疑問を持つようになった人も多かっただろう。
大企業の一部では、時間をかけ5割程度の社員の「テレワーク・リモートワーク」を推進していくという。

「テレワーク・リモートワーク」が増えるということは、「働き方」そのものも大きく変るということになる。
まず人事管理という面だ。
終業時間という枠が無くなってしまうだけではなく、「仕事の成果」という物差しが、仕事の評価となる。
そしてその評価をする管理者もまた「テレワーク・リモートワーク」となるため、これまでのような方法での管理はできなくなる。
おそらく一番困るのは、拙ブログでも指摘させている「肩書だけで仕事をした気になっていた人」だろう。
当然、「テレワーク・リモートワーク」をする人達も、「仕事とプライベートを分ける、メリハリのある生活」が、求められるようになる。
そのような仕事ができない人たちは、これから先「職場での自分の居場所」が、無くなってしまう可能性が高い。

もう一つ「コロナ禍後」の社会変化として参考になるかもしれない記事が、VOUGEにあった。
VOUGE japan:キーワードは社会的責任、脱トレンド、高まる創造性 ポストコロナのファッション予測

「ファッション予測」があるので、「ファッションだけだろう」と思われる方もいらっしゃるかもしれない。
だが、ファッションそのものが社会を映す鏡の一つだと考えれば、これらのキーワードはビジネスパーソンにとっても、「ポストコロナ=コロナ禍後」のキーワードの一つだと考えるべきだと思う。
「社会的責任」なんて、何度も聞いてきた!という感想を持たれる方も多いと思う。
だが、今回の「新型コロナウイルス」の感染拡大によって、企業と社会のかかわり方が如実に現れたように感じている。
「自粛」だけではなく、何かできることは無いか?と動いた企業もあれば、「自粛」だけで終わってしまった企業もある。
企業規模の問題ではなく、社会の問題に対してどう考え・行動したのか?という点が、重要なのだ。
その行動によって、企業に対する評価はこれまでとは、全く違うモノになっているはずだ。
特に、地方の中小企業の動きには、眼を見張るモノがあったように感じている。
そのような企業を積極的に応援したい(そのような企業から商品を購入したい!)、という生活者は多くなったのではないだろうか?

「脱トレンド」と「高まる創造性」は、関連性の高いコトとして考える必要があるだろう。
ファッション産業は、毎シーズンのコレクションで「次のトレンド(=流行)」を提案し続けてきた。
それをあたかも否定したようなニュアンスが「脱トレンド」であり「高まる創造性」ということになるからだ。
だが考え方によっては、一昨年あたりから話題になっている「デザイン思考」とか「アート思考」ということに、結びつくキーワードである、ということに気づくはずだ。
これまでのような「How to」やノウハウでビジネス展開すること自体が、陳腐化すると考える必要がある、ということではないだろうか?

「コロナ禍」によって、社会が大きく変るとは思わない。
ただ、ゆっくりと変化し続け、気づいた時には「コロナ禍前」と違う社会になっていた、ということになるのではないだろうか?