日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「コロナ禍後」の問題は、経済だけの問題ではない

2020-05-21 21:03:15 | マーケティング

定期的にチェックをする雑誌のWEBサイトがある。
その一つが、VOUGE japanだ。
そして今日チェックをしていたら、少し驚いた。
ご存じのように、VOUGEという雑誌はファッション誌だ。
そのファッション誌に「資本主義」に関するコラムがあったからだ。
VOUGE japan:資本主義以外のオルタナティブはないのか?マーク・フィッシャー「資本主義のリアリズム」が放つメッセージ

記事自体は4月17日に掲載されていたモノなので、1ヵ月以上古く「ブックレビュー」という形態なので、VOUGEの読者が積極的に読むのか?という点においては、言及を避けたい。
ただ、「ファッションと資本主義」という、相容れないような二つの言葉が並ぶということに、「今」という社会を感じさせるのだ。

確かに社会を映す鏡のような役割を「ファッション」もまた、果たしてきたと言っても過言ではないだろう。
第2次世界大戦下では、どの国の女性たちも着飾ることを止め、動きやすいだけではなく、色彩も暗い色の服を好むと好まざるとにかかわらず、着ていた。
もしかしたら、今の「新型コロナウイルス」の世界的流行は、第2次世界大戦中と似た社会的雰囲気があるのかもしれない。
それは「自由な市民生活ができない」という点で、共通しているのかもしれないという気がするのだ。

政府によって様々なモノ・コトが統制されるため、戦時下では「資本主義」などという経済の在り方は、どこかへ行ってしまう。
その状況と似ていると考えれば、今改めて「資本主義」を考えることは、重要だと言えるだろう。

しかし、マーク・フィッシャーは「これまでの資本主義」ではなく「これからの資本主義」が必要なのではないか?という指摘をしているように感じるのだ。
というのも今現在「資本主義」と相対する経済の在り方が「社会主義(あるいは共産主義)」であり、「社会主義(あるいは共産主義)」を標ぼうしていた国々の多くが、立ち行かなくって来ているからだ。
少なくとも「資本主義」はベストではないが、他よりも良いということなのだと思う。

だからこそ考える必要があると思うのだ。
今の「資本主義に足りないモノとは何か?ということを。
それが「経済以外の問題」ということではないだろうか?
違う言い方をするのなら「社会的弱者」という視点を加えた、「資本主義」だ。
そして「利益のみ」に価値を見出すのではなく、「公正さや誠実性」等に価値の重点に置き換えることが「コロナ禍後」の「資本主義」のような気がする。