WHOの「新型コロナウイルス」の感染拡大による「パンデミック状態である」という声明をうけ、NYだけではなく日本の株価も下落し続けている。
NYも東京も株価下落は、WHOの声明以前から始まっているのだが、WHOが「パンデミックである」と認めたことで、加速度的に下落が続いている、といったほうが正しいのかもしれない。
米国のトランプさんの「経済のテコ入れ策」も相当右往左往している感じだが、安倍さんも同様かもしれない。
むしろ安倍さんのほうが、もっと深刻な気がしている。
というのも、既に日銀による景気の下支えになる策は、ほぼ無いのでは?という気がしているからだ。
それを象徴するのが、7年に及ぶ「異次元緩和」による大量の国債購入だ。
そのうえ「マイナス金利」という政策も行っている。
既に「異次元」の経済政策を日銀が行っているのに、これ以上の策があるとはとても思えないのだ。
確かに、一時的な策はあると思う。
思うのだが、既に日本経済は相当傷んだ状態になっている、と考えたほうが良いのでは?
そのような状態で直撃したのが「新型コロナウイルス」というが、実情だろう。
「新型コロナウイルス」の感染拡大がもたらした禍は、ご存じのように「国民の健康」という点だけではない。
感染拡大を防ぐ為に、全国の小中高校が臨時一斉休校となり、高校野球は100年の歴史の中で初めて中止(戦時中は除く)となった。ほかにも様々なスポーツイベントや音楽イベントの中止や延期が発表されている。
これだけ見れば限定的な印象かもしれないが、観光業や交通関係の企業に影響が出てきているのは、ご存じの通りだろう。
人・モノが動かないということは、お金もまた動かない、ということになる。
感染拡大により従業員に陽性反応が出てしまえば、一時期的であっても事業所は閉鎖することになる。
中小零細企業にとっては、死活問題となってくる、ということは暗に想像ができる問題だ。
このような状況になっても、日銀は「大企業」に目を向けているようだ。
日経新聞:日銀、社債・CP購入拡大へ 大企業にも安全網
昭和の頃は、大企業を対象に何等かの手立てを打てば、その下請け・孫請け・曾孫請けもその効果が波及することがあった。
しかし、バブル経済が崩壊し、リーマンショックを受けた日本の大企業には、そのような余裕等無いはずだ。
事実、「親会社から契約を切られ、廃業せざる得なかった」という中小零細企業の話を、数多く聞いてきた。
むしろ、安全網を必要としているのは、大企業ではなく中小零細企業なのではないだろうか?
日本の産業を下支えしているのは、ほかならぬ中小零細企業だからだ。
少なくとも、中小零細企業が「運転資金」を必要としている、というのであれば大企業よりも優先して「融資をさせる」ような、金融企業への指示が必要なのでは?
「バラマキ融資」では困るが、この局面を乗り切る為のサポートを日銀や政府が積極的に行うために、手を差し伸べるのは内部留保を潤沢に持っている大企業ではないと思うのだ。
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