日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

目先の利益を優先させてはいないか?

2023-06-19 18:58:22 | アラカルト

このところ何かと話題になっている、ChatGPT。
海外諸国の対応を見ると、EU諸国だけではなく米国も慎重な姿勢を示している。
それに対して、日本はWelcome状態、という感じだろうか?

欧米で慎重な態度を示しているから、日本も同じように慎重になれ!と、言う気はない。
ただ、今の日本政府にChatGPTというモノが、どれだけ理解されているのだろうか?とか、産業振興として考える為の問題点の洗い出し、リスクなどをどれだけ把握しているのだろう?という、様々な疑問がわいている。
というのも、先日朝日新聞にChatGPTの開発企業のCEOが「日本を拠点に」という趣旨のインタビュー記事が、掲載されていたからだ。
朝日新聞:チャットGPT、日本に拠点「加速」アルトマンCEOインタビュー 

このインタビュー記事の見出しを見た時、「そりゃそうでしょう、欧米諸国がチャットGPTに対して様々な法的規制を掛けようとしているのに、日本は何もしていないのだから」という感想を持った。という上述した通り、欧米諸国ではChatGPTに対する、社会的理解と議論、法的整備ができていないなどの理由で、消極的というか慎重な立場をとっている。
それに対して、日本では「新しいIT技術」として連日、話題として取り上げている。
ChatGPTに対する理解が十分でない私が見ても、「何かメリットがあるIT技術」という取り上げられ方がされているように感じるほどだ。
「メリットには必ず、リスクとなるモノがある」はずなのだが、そのリスクとなる話題そのものが、数少ないように思えるのだ。

そして今日の朝日新聞に「ChatGPTに関するリスクの一つ」について、記事があった。
朝日新聞: 「日本は個人情報集めやすい」ChatGPTを使うサービスの注意点 

この記事を読んで、今まさに問題となっている「マイナンバーカード」を思い浮かべた方もいらっしゃるのでは?
拙ブログで指摘しているが、今回の「マイナンバーカードに対する問題」は、「マイナンバー制度」に対しての問題ではなく、「マイナポイント」等を使って急速に「マイナンバーカード保有者を増やしたい」という、政府の思惑通りになった一つの結果だと考えている。
おそらく、「マイナンバーカード」を作った人達の多くは「マイナポイント」と呼ばれる、還元金目的でつくったのではないだろうか?
「目先の利益を求め、結果大きなリスクを負ってしまった」ということなのだと思う。

だからと言って、今回「マイナンバーカード」を作った人達を揶揄する気はない。
そのように持って行ったのが、政府だったからだ。
「マイナンバーカード」推進に当たって、政府はとても積極的な広告を打っていた。
そこにあるのは、「メリット」ばかりでその裏(というか?)にある「デメリットやリスク」についての説明などは、ほとんどなかったのではないだろうか?
あったとしても、とても小さな文字で書いてあり「デメリットやリスクの説明はしている」と言う体をとっている、だけだったのではないだろうか?

「個人情報保護法」が制定された直後、やたらと「個人情報なので」という方がいらっしゃった。
しかし、私たちが当たり前に認識している「個人情報」よりも、より重要な個人情報が今回の「マイナンバーカード」のトラブルで流出している、ということが判明した。
そのような状況になって初めて、騒ぎ出すのは仕方ないことかもしれないが、目先の利益に走った結果でもあるという反省もまた必要だと思う。

ChatGPTは、マイナンバーカードよりもより深い個人情報を集める事が容易だろう。
だからこそ、ChatGPTのCEOは「日本を拠点としたい」と言っているのだ。
新しく革新的技術は、私たちの生活を豊かにする可能性を秘めている。
反面、私たちの生活を脅かす存在でもある、ということを十分理解する必要があるだろうし、そのような理解の上で産業振興を考える必要があるのではないだろうか?



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