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企業内起業が増えている?そのメリットとは

2021-06-12 20:45:50 | ビジネス

先日、HONDAのサイトに「企業内起業」でつくられた製品の記事があった。
HONDA Stories:Honda発のベンチャーが、視覚障がい者の自由な移動をサポート

HONDAがクルマではなく、「歩行者」を対象とした製品開発の記事を見ることがある。
随分前だが、新入学児童を対象に「交通安全アドバイスロボ」という商品の開発の話があった。
今回紹介したサイトでも、この「交通安全アドバイスロボ」についての記事があるのだが、どうやらHONDAは「歩行者」を「移動する人=人もまたモビリティーである」という視点を持っているようなのだ。

「モビリティー」というと、クルマのような移動体を考える方は多いと思う。
実際、「モビリティー=クルマ」という認識で、とらえられてきたはずだ。
しかし「人もまた移動をする」と考えれば、「人というモビリティー」という考えもまた、できるだろう。
だからこそ、自動車メーカーであるHONDAが「歩行者の為の道具をつくる」ことは、当たり前のことだ、という発想が生まれてくるのだろう。
そして今回開発したのが、視覚障がい者の為の「歩行サポート」の道具だ。
開発秘話のような話や、実際の「道具」については、リンク先に動画を見ていただきたい、と考えているのだが、HONDAに限らず、最近ではこのような「企業内起業(あるいは企業内ベンチャー)」を支援する、企業が増えてきているような気がしている。

何故なのか?と考えた時、起業をする側にとっても、企業側にとっても大きなメリットが、あるからだろう。
そのメリットとは・・・
①起業側にとって、大きな起業資金を必要としない
②特許などの申請のアドバイスやサポートが受けやすい
③通常の業務ではできない、冒険的な仕事ができる
等が、起業する側にはあるだろう。
それを支援する企業側にとっても
①特許などのサポートをする代わりに、特許の一部を保有することができる(かもしれない)
②新規事業の立ち上げに際して、大きな投資をする必要が無い
③イノベーションを起しやすい企業文化の形成
④新しい事業の進捗状況を把握することができるため、場合によっては企業内に移管することも可能
の理由が、考えられるのではないだろうか?

昨年、「新型コロナ」の感染拡大に伴い、これまで「副業禁止」をしていた大企業でも、「副業OK」へと変わった。
その狙いとしては、副業をすることによって、違うモノの見方、考え方ができるようになり、それがフィールドバックされれば、企業内の新しい刺激となり、イノベーションが起きやすくなるのでは?という期待があったはずだ。
もちろん、それは「建前」であった、本音としては「給与が上がらない状況は、副業でカバーしてくれればよい」というような、企業側の都合も大きかったのでは?という気がしている。

ただし、副業となればいつか企業を辞めた時、企業内で知り得た様々な情報や技術が流出するのでは?という、リスクがあるかもしれない。
そのようなリスクが「企業内起業」には、まだ少ないと考えられるため、メーカーを中心に拡がってきているのでは?という、気がしている。

      



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