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Open AIのCEO解任⇒復帰で一番得をしたのは誰か?

2023-11-22 19:18:10 | ビジネス

一昨日だったと思うのだが、生成AI「チャットGPT」のOpneAIのCEOで創業者である、サム・アルトマン氏と社長であったグレッグ・ブロックマン氏の解任が報道されたあと、マイクロソフト社への入社が決まったと、マイクロソフト社のCEO・サテラ・ナデラ氏がX(旧ツイッター)に投稿した。
このことについては、拙ブログでもエントリさせてもらっている。
この時点で、今回の解任劇で一番得をしたのは、おそらくマイクロソフト社ではないか?という、内容だった。
そして昨日、OpneAIの社員のほとんどが今回の解任劇に対して、不信感を抱き会社を辞めると声明を出したことで、急転直下のようにアルトマン氏とブロックマン氏の復帰が決まった。
日経新聞:OpneAI、サム・アルトマン元CEOが復帰「お家騒動」収束へ

わずか1週間にも満たない「CEOと社長の解任⇒復帰」ということになるのだが、このスピード感はいかにもアメリカの新興産業だな~という、気がした。
今回の件だけではなく、米国の巨大IT企業である「GAFA」等の創業時のCEOや企業幹部の若さというモノを感じた。
ご存じの方も多いと思うのだが、Appleの創業者であるスティーブ・ジョブス氏をはじめ「GAFA」の創業者の多くは、学生時代に事業アイディアを思いつき、友人たちと共に事業を始めている。
むしろ学生時代だったからこそ、このようなIT事業を始めることができたのでは?という、気がするのだ。
それは「怖いものなし」というところもあるのだが、むしろ「社会の(古い)慣習にとらわれない」という、柔軟性を持っており、それそれのアイディアの素となっているのは「自分たちだったら、こんなモノがあったらいいのに」という、ユーザー感覚を持っている、という点だろう。

日本でも大学内での起業である「アカデミック・スタートアップ」のようなコトを、推し進めたい考えがあるようだが、このような成功事例はほとんどないように感じている。
その理由は、やはり「ユーザー感覚」ということなのではないだろうか?
日本の場合、「大学で研究したことを起業に結び付けたい」という考えが強すぎて、市場需要の重要性を見落としている感があるからだ。
それは、日本の社会やお金を出す側も要求している部分があるのでは?

日本の事情はともかく、今回のOpneAIの解任⇒復帰に至る経過を見ていると、一緒に働いている人達の多くが、CEOと社長の解任に対して、仕事を辞めるという意思表示が、大きかったのだと思う。
その点で考えると、旧Twitter社がマスク氏に買収されXへとサービス名が変わってしまった経過との違いを感じさせる。
Twitter社そのものは、サービスを開始してから10年以上経過し、「Twitter」という言葉そのものが一般名詞のように扱わせるまでに成長をしていた。
逆に考えれば、それだけ「Twitter社」そのものが巨大な組織になっていた、ということでもある。
そのため、マスク氏の買収に従業員のほとんどが職を辞してまで反対をする、というところにまで至らなかったのでは?と、想像する。
もう一つは、やはりマスク氏の強引な手法だろう。
SNSを通して、様々な社内向けの情報を流し、世間の注目を集めることで、Twitterに関わる人達が声を上げるチャンスを奪い取った、ということだと思う。
「外堀を埋め、本丸を獲る」という戦術と言えば、わかりやすいかもしれない。
事実、マスク氏はTwitterの機能についてあれこれ指示を出すものの、ユーザーからの賛同を受けているとは思えない。
企業買収に長けているマスク氏ではあるが、経営者としてユーザーの存在を軽く見ているのでは?と、感じるようなシステムの改悪があったことも忘れてはいけないだろう。

そのようなマスク氏の買収のやり方とは全く別の方法で、今回のOpneAIを手に入れたのが、マイクロソフト社であったということになると思う。
いくらアルトマン氏をはじめ企業幹部が復帰したとしても、マイクロソフト社の影響は免れないと、考えられるからだ。
CEOアルトマン氏と社長ナデラ氏を迎え入れる、といち早くマイクロソフト社側が発表したことで、マイクロソフトの傘下に落ち着くのでは?と考えた人達も多かったのではないだろうか?
そしてそれは復帰したとしても、その影響力は「0」にはならないはずだ。
例えば、資金調達等でのサポート、あるいは技術提供を受けサービスのサポートを行う等、多面的な関係づくりができるようになったのは、他でもないマイクロソフト側だろう。

いずれにせよ、今回の「解任⇒復帰劇」では、マイクロソフト社のしたたかさを感じた。




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