松野官房長官のパーティー券販売による裏金問題で、「差し控える」という言葉が話題になっている。
東京新聞:松野官房長官「差し控える」連発 岸田首相は大きくため息 パーティー券問題で衆院予算委
まず、松野官房長官が連発している「差し控える」という言葉の意味を、きちんと押さえておきたい。
Web上にある「大辞泉」では、以下のようになっている。
おそらく松野官房長官は、3番目の「悪い結果を招かないように、当面それをしないようにする。遠慮する。という意味を含めて使っていらっしゃるのでは?と、想像している。
しかしながら、この用例を読むと「他者に迷惑をかけないよう、自重する。自分を律する」という、意味合いの方が強いことが分かる。
残念ながら、松野官房長官が使っている「都合が悪いので、説明をしたくない」という、意味は含んでいなさそうだ。
しかしのこの「差し控える」という言葉が、政治の世界で使われるようになったのは、随分前からのような気がする。
証人喚問等のような場面で、証言そのものが罪に問われる、または記録として残るような場合には「差し控えたい」と、使われていたような記憶があるからだ。
ただ、国語辞典に掲載されなかったのは、①特殊な場面 で ②限定的な人達 であったため、一般的な使い方として、掲載に至らなかったのかもしれない。
今回のようなコトがあると、「4政治家や国会の証人喚問等の時、自分に都合が悪い時に使う、逃げのことば」として、登録されるかもしれない。
それほどの回数を、松野官房長官は使っているのだ。
「政治にお金がかかる」というのであれば、どれくらいのお金が何に使われたのか?ということを、詳らかにすれば良いだけのコトだ。
「お金がかかる」というだけでは、有権者は納得できない。
何故なら、ここ30年間日本の経済は低迷し続け、実質賃金は減り続けている。
代わりに増えているのが、消費税等の税金と社会保障費だ。
高齢者が増え続けているのだから、その分の社会保障費が増えるのは仕方ない、ということになるのかもしれないのだが、現役世代の負担増と国債発行で何とかやっている、という現実を考えると、政党がお金を溜めこんだうえ「政党助成金」等を交付する、ということは本当に必要なことなのか?という、気がしてくる。
そもそも「政党助成金」は、「政治にお金がかかりすぎる」という理由で、始まった制度だと記憶している。
だからと言って、自民党だけの問題なのか?というと、それもまた疑問が残る。
日本の政治の中で、自民党ほどの力がないために、話題になっていないだけで、同様のコトが他の政党でも行われているのでは?という、気がするのだ。
日本の政治が「鵜合之衆」と化しているのであれば、有権者の選択はほぼないに等しい。
果たして野党や反岸田という自民党勢力が、どれほどこれから追及していくのだろう?
少なくとも、上述したように「政治家や公職に就いている人達が、自分の都合が悪い時に言い逃れる言葉」と、国語辞典にのらないコトを願うばかりだ。
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