実は、LINEを活用する海外の高級ブランドが増えている、と実感している。
元々、VOGUE Japanのメルマガ等に登録をしている関係で、LINEにも海外の高級ブランドからの「お友達登録」のお願いメッセージが来ていた。
そこでいくつかの有名な海外の高級ブランドに「お友達登録」をすることにした。
LINEのシステムそのものに対して、信頼が高いわけではないのだが、私の場合LINEに登録している友人・知人が限定的で、ほとんど動いていないのが現状だった、ということも登録をした理由の一つだ。
もう一つの理由は、年々Yahoo!等への広告動画が減ってきている、と感じていたからだ。
私が見落としているだけなのかもしれないのだが、ルイ・ヴィトンやエルメス、グッチ、カルティエと言った、多くの人が知っている海外の高級ファッションブランドのホリデーシーズンのネット広告が減ってきたり、出稿期間が短くなってきているような気がしたからだ。
海外、特に米国でのホリデーシーズンは、11月の感謝祭が終わると始まる、と言われている。
そして、今まさにホリデーシーズンのセール(日本でいうクリスマスセール)の真っただ中だ。
海外の高級ファッションブランドであっても、今のホリデーシーズンは売上の中でも飛びぬけて多い時期でもある。
何故ならホリデーシーズンは、「Season Of Greetings」と言われるように、ギフトシーズンでもあるからだ。
その「ご挨拶の季節」という言葉通り、海外の高級ファッションブランドが今年から始めたサービスの一つに「Eメッセージ」がある。
LINEで友達登録をしているユーザーに対して、「あなたの親しい人へメッセージを送りませんか?」というサービスだ。
勿論、このサービスを提供するにあたっては、それなりの目的がある。
一つは、LINE登録をしているユーザーに対する「ブランド価値を上げる」ということ。
もう一つは、特別な「Eメッセージ用のひな型(絵柄)」を用意するコトで、ブランドの高級感をLINE登録者以外へ伝えられる、という点だ。
いずれにしても、「ブランドイメージを上げる」ということに関しては、LINE登録者だけではなく「Eメッセージ」を受け取った人に対しても、その効果は高いはずだ。
実際、いくつかのブランドの「Eメッセージ」のひな型を見たのだが、クリスマスシーズン用の商品をさりげなく取り込みながらも、ブランドイメージを上げるような、素敵なモノばかりだった。
送る人のセンスの良さを感じさせるような、ひな型だったのだ。
このような手法を日本の高級ファッションブランドと呼ばれるブランドは、行っているのだろうか?
というよりも、日本の場合「高度成長期」を支えた「製造業」ばかりがスポットライトが当たる為なのか?アパレルや飲食と言った分野での高級ブランド化ができていないような気がする。
海外では評価が高い化粧品メーカーであっても、このような「個人と個人を結びつける」ことで、ブランドイメージを拡散させ、より強いブランド価値をつくり上げる、という発想をあまり感じたことが無い。
確かに上述したような、世界中に名の知れ渡るような高級ファッションブランドを、今の日本が創り上げることは経済的にも厳しい状況だろう。
しかし、このような分野についても「日本らしい高級ブランド」として、創り上げる必要があるのでは?
その視点で考えた時、海外の高級ファッションブランドのホリデー戦略は参考になるような気がしている。
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