「増税メガネ」という言葉が、一般週刊誌等を中心に使われるようになってきている。
まさか!と思うのだが、今年の「流行語大賞」を狙えるのでは?という勢いだ。
ご存じの通り「増税メガネ」とは、岸田首相を揶揄した言葉だ。
そしてこの「増税メガネ」という言葉に対して、岸田さんはとても敏感になっているようだ。
それを示すこととして、今月に入ってから次々と「減税策あるいは減税策に変わる給付金案」を次々と打ち出している。
今年の初め頃だったと思うのだが、「防衛費増」等が話題となり、当然増える防衛費を賄う為には「増税するしかない」と、言われていた。
問題なのはその「増える防衛費」の原資だった。
日本の財政は既に「赤字」となっており、頼みの綱は「赤字国債の発行」と言われ、随分経つ。
その状況を十分分かったうえで、「防衛費増」とその財源が問題となるのは、当然のコトだった。
にもかかわらず、岸田首相は海外に行く度に、相当額の「経済支援」を約束してきていた。
増える防衛費、海外諸国への経済支援、これらの原資は何か?という、疑問符が生活者の中に出てくるのは時間の問題だった。
そして使われるようになった言葉が「増税メガネ」という言葉だったのだ。
そして今月に入ってから、次々と「経済対策」として、「非課税世帯に対する給付金」や「定額減税」等の「経済政策」を打ち出してきたのだ。
「非課税世帯に対する給付金」や「定額減税」そのものは、景気対策という目的があり、恒久的な制度ではない。
有権者がこれらの政策に対して、懐疑的なのは「その財源はどこにあるの?」ということなのだ。
財源が無いのに、給付金や減税を行う、ということは誰もが「無謀な作」ということが分かる。
確かに「税収が増えた分を還元」と言えば、聞こえは良い。
しかし日本の財政は「赤字」なのだ。
国民から借金をしているのに「国民に還元」というのは、どこか可笑しな話で「還元する前に赤字を解消しましょう」というのが、健全財政の為には必要なことのはずだ。
赤字を垂れ流す一方で、国内外にお金をバラ撒くというのは、より日本の経済全体を悪くするだけなのでは?
おそらく多くに生活者は「給付金や期間限定の定額減税」ではなく、二重課税となっているガソリン税や食品を中心とした生活必需品に対する消費税の減税の方が、遥かに有効な経済対策だと考えているのでは?
税収が増えたのは、物価が高騰した為、スライド的に消費税による税収が増えたのが要因なのでは?
とすれば、「税収が増えた分の還元策」というのであれば、そのスライド的に増えた消費税の還元の方が、生活者にとって遥かにメリットがあり、経済対策としても有効なのではないだろうか?
しかし、消費税に手を付けると、物価高騰分スライドして増えた税収を失うこととなる。
何となくだが、この「物価高騰分スライド増収分」よりも「給付金+定額減税」の方が、増収分額よりも費用として少なく、話題性もあり「増税メガネ」という、ネガティブなニックネームが使われなくなる、という思惑を岸田首相とそのブレーンが持っているように感じるのだ。
今、企業では「クリーンな財務報告」が求められるようになっている。
それは企業だけではなく、地方自治体を含む全ての行政機関に求められていることでもあるのだ。
そろそろ「人気取り」の為の経済政策から、脱却し健全なお金の使い方に方向転換して欲しい。
そうすれば、岸田首相の人気は飛躍的に回復するような気がするのだが…。