日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

日々自分をバージョンアップ!

2023-10-28 12:23:19 | ライフスタイル

先日、久しぶりに経営関連の講演会へ出かけた。
「コロナ禍」の頃、様々な講演会が中止になっていたので、4年ぶりくらいだろうか?
特に、経営関連の講演会となると、10年以上ぶりだったような気がする。

登壇されたのは、ユニリーバ日本支社等でマーケティングの責任者を歴任され、現在アース製薬等の社外取締役をされているハロルド・ジョージ・メイ氏。
テーマは「これからの経営戦略とリーダーシップ」だった。
元々マーケティング畑出身の方なので、その話の内容は(私にとって)とても興味深いモノではあった。
その中でも「日々、自分のスキルをアップさせる為に、勉強を欠かさない」という点だ。
この「日々スキルアップ」という考えは、外資系であれば当然かもしれないが、純正日本企業ではなじみがないかもしれない。
というのも、日本の場合は「幹部候補となる社員ほど、ゼネラリスト」として、複数の部門経験を優先されるからだ。
それに対して、米国を中心として外資系企業は「専門職集団」として、企業組織が成り立っている。
「専門集団」のトップが集まりそれぞれの責任者集団が、企業経営に携わるというスタイルをとっている。
その違いが、企業全体文化の違いを生み、育てている。

その違いで優劣を決めることはできないが、今の日本経済の状況を考えると、よりグローバルな市場に居続ける為に、日本型組織を断捨離をして欧州型を受け入れる必要があるのでは?と、感じたのだ。
その第一歩となるのが「日々自分をバージョンアップする」ということのような気がしたのだ。

「日々自分をバージョンアップ」と言っても、仕事に関連したことだけを指しているのではない。
日本でのマーケティングの一人者と言われる、慶応大学商学部名誉教授であった故村田昭治先生は、毎晩奥様と一緒に「今日新しく覚えた言葉」を教えあうということをしてきた、とエッセイに書かれていた。
例え新しい言葉を一つ覚えたとしても、お二人で1日2つ、それを1年繰り返せば365✕2=700以上の知らない言葉を知り・覚える、ということになる。
勿論、忘れてしまう言葉もあると思うが、1年でそれなりの新しい言葉を覚える、ということはなかなかできることではない。

新聞を読んで気になる言葉に出会えば、意味を調べ、ノートに書きとる。
ネットの新しい機能を試してみる。
普段入らないようなお店に、入ってみる。
等々勉強と身構えることなく、新しいことに挑戦してみることも、バージョンアップするということになると思う。
そのような「新しいことに出会う努力」をしているビジネスパーソンであれば、新しい視点を持つこともできるだろうし、普段から様々なモノ・コトに注意し、時代の変化を敏感に感じ取れるようになるのでは?

その蓄積ができている人達が集まって、一つの組織となれば、その組織からは「イノベーション」が生まれる環境ができやすい、と思う。
言葉で「イノベーション」ということは簡単だ。
実際、バブル経済が崩壊し日本経済が低迷し続ける中で、30年余り言われ続けてきた言葉の一つが「イノベーティブ」だった。
その「イノベーティブ」が生まれない社会文化、企業文化の背景には「ビジネスパーソン自身のバージョンアップする努力」が無く、新たなことへ挑戦するような機運そのものが無かったからではないだろうか?

今回の講演では、そのほかにいくつも気づかされたことがあったが、今のビジネスに必要なことは何か?と考えた時、この「日々自分をバージョンアップする努力」のような気がしたのだ。



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