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Metaがファクトチェック廃止と情報リテラシー

2025-01-13 18:14:20 | アラカルト

先日、FacebookやInstagram等を運営しているMeta社が「ファクトチェックを廃止する」と、発表をした。
この報道を受け、「次期政権にすり寄った」という批判が出ている・
CNN:米メタは「政治的圧力に屈した」、ファクトチェック廃止をめぐり監督委員会共同議長 

Meta社がファクトチェックをしていた、ということをあまり認識していなかったのだが、これはあくまでも日本国内でのこと。
Facebook等に表示される広告には、怪しげなものもあり「日本のMeta社のファクトチェックは、どうなっているの?」と、感じるところがあったのだが、米国ではそれなりにされていたようだ。

そしてこの「ファクトチェック廃止」を判断した背景には、次期米国大統領であるトランプ氏と関係がある、と指摘されている。
前回トランプ氏が大統領になった時、様々な問題が指摘されていた。
その中の一つが、SNS上で虚偽の投稿をし、トランプ氏に優位に働くような印象操作のようなモノがされた、ということがあった。
そして今回の大統領選でも、虚偽の投稿をしている、という指摘がされていた。
CNN:誤情報の沼で溺れるトランプ氏、自ら混沌を作り出した面も 

前回の大統領選で、同様の虚偽の投稿をし、トランプ氏は当時のTwitterからアカウントを凍結される、ということもあったように思う。
BBC News:ツイッター社、トランプ氏の個人アカウントを永久凍結 各社がSNSパーラーを凍結や削除 

上記の記事は、2021年の記事でそれから3年ほどで、SNS各社を取り巻く環境が変わってしまった、ということなのか?トランプ氏のアカウントを凍結した現XのCEO・イーロン・マスク氏は、昨年の大統領選が始まった直後位にトランプ氏支持を表明した。
他にもGAFAの一角である、Amazonはトランプ氏支持を表明しなかったものの、それまでの民主党支持をしていない。
そして今回のMeta社の「ファクトチェック廃止」は、次期大統領であるトランプ氏にすり寄っている、という印象を生活者に与える結果となっている。

なぜ「ファクトチェック廃止」が、トランプ氏へのすり寄りなのか?と言えば、上述した通りトランプ氏には過去にSNSを使った虚偽の情報発信が度々行っていた、ということがあるからだ。
今やSNSそのものは、個人間の情報のやり取りではなく社会に大きな影響を与える「言論のツール」という一面を、持つようになってきた。
だからこそ、「ファクトチェック(=虚偽の情報の確認)」が、必要とされてきているのだ。

そのような傾向は、米国だけの問題ではない。
公共広告機構(現ACジャパン)は、昨年暮れごろから「決めつけデカ」という広告を流すようになった。
ACジャパン:2024年度全国キャンペーン:決めつけデカ  

SNSの利用が生活者の当たり前になると、発信される内容は「玉石混交」状態になってしまう。
問題なのは、虚偽の発信内容が多くの人達が信じてしまったり、その考えを支持してしまうことだ。
だからこそ、「その発信情報の虚偽を確認する(=ファクトチェック)」が、必要となるだけではなく重要になってくるのだ。
そう考えると、タイムリーに発信されている「決めつけデカ」の存在は、私たち自身の中に埋もれている、ということになるだろう。
多くの人にとって、自分の都合の良い情報、自分が共感できる情報は、信じやすいと言われている。
SNSで発信される内容について、共感することも大切な反面、「その発信された内容、本当?」という、多角的・複眼的思考でとらえる必要もある、ということになる。

奇しくも、今年はその自分で身に着ける「ファクトチェック力」元年、なのかもしれない。





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