毎日新聞のWebサイトに、以前から疑問に感じていた内容についての記事があった。
毎日新聞:感染経路の知見が世界と違う?専門家8人、国立感染研に質問状
記事の内容は「新型コロナ」に関する「感染経路」について、WHOと日本の国立感染症研究所との知見が違う、ということに対して、感染症や物理学の専門家が質問状を出した、という。
今でも日本では「陽性者」が出るたびに、「濃厚接触者」に対して自宅で過ごすように、という指示が出ている。
その理由が「感染経路」の中に、「接触による感染」を含めているからだ。
一方WHOでは「エアゾル(=空気感染)などによる、感染が中心である」という考えから、「濃厚接触者に対する隔離」を推奨していないようだ。
この見解の違いで、今や様々なところで「人が足りない」という状況を生み出している、といっても過言ではないかもしれない。
「エアゾルによる感染が中心である」とすると、上述したように「濃厚接触者」とされる人たちを数日間隔離する必要はなくなる。
少なくとも「濃厚接触者」の対象が限定され、「濃厚接触者」に対する拡大解釈のようなものは無くなるはずだ。
となれば、これまで「濃厚接触者」とされていた「関係性のない濃厚接触者」という対象は無くなり、PCR検査などの対象者も減るはずだ。
これまで頻繁にPCR 検査を受けていた人たちも、必要なくなるかもしれない。
感染者急増による、検査キット不足も解消され、本当に必要な人が検査を受けられるようになるのでは?と、想像できる。
確かに「新型コロナ」が初めて流行し始めた頃であれば、まだ「新型コロナウイルス」そのものが、正体不明なところがあり「できる対策はすべてする」という方法が、きわめて有効だったと思う。
それから丸2年が経過し、様々なことが判明しつつある。
判明していることを基準にすることは当然だが、それが全世界で統一されていなくては、いつまでたっても日本だけが「新型コロナ」に対する過剰な対応策をとり続けるということになるような気がするのだ。
ほかにも、WHOと日本とでは「症状による初期症状・中等症状・重症」という基準に違いがある、という話も聞いた。
海外では「重症」と判断される症状でも、日本では「中等症状」ということになるらしい。
海外では「重症」と判断されるのに、日本では「中等症状」と判断されることで、治療が遅れたり、最悪の場合命に係わるような状況に陥ってしまう可能性がある。
ほかにも「病床率50%超」ということを取り上げられても、「実際の重症者による病床率は、さほど多くはない」と、いうことを知ると「中等症状」の陽性者が多いので、「重症者病床」を「中等症状」の患者さん向けの病床に振り替える、などの方法がとれるはずなのだ。
「病床率50%」という数字で、生活者の不安を煽るよりも状況変化に応じた世界的な判断基準で運用し、状況を発表する必要があると思う。
「新型コロナ」に限らず、「感染症」の多くは特定の国の問題ではない。
人が自由に移動することができるようになった現代では、人が動くことで世界に病気が伝染してしまう、という要素があるのだ。
とすれば、世界のどこでも「同じ判断」で、診断がされなくては「国家間の治療の不公平」が出てくるのでは?
そのような状況は、日本にとってとても不利なことだと思う。