昨日、毎日新聞が岸田内閣支持率の記事を掲載していた。
毎日新聞:岸田内閣支持率28% 2カ月で17ポイント下落 毎日新聞世論調査
この調査は、毎日新聞社が行っている世論調査である、ということ。
もう一つは、今時にしては珍しい?固定電話と携帯電話のショートメッセージサービスなどにより出された数字なので、日本の有権者の意思なのか?と言えば、違う意見を持っていらっしゃる方も大勢いると思う。
このような「世論調査」は、「生活者の傾向を知る為の一つの目安」だと考える必要があるだろうし、「内閣支持率」そのものは、調査する新聞社などによって、その数字が大きく違うことがある。
例えば、朝日新聞・毎日新聞・東京新聞(名古屋では「中日新聞」)などは、自民党政権あるいは与党に対して、厳しい数字を出してくるコトが多い。
一方、読売新聞や産経新聞などは、自民党に対して好意的な数字を出す傾向がある、と言われている。
理由は、いわゆる「保守系新聞」と呼ばれるのが、讀賣・産経(テレビ局でいうなら、日テレ系やフジテレビ系)などで、これらのメディアを好む方々というのは、「保守的な考え」を持っている人達が多いからだ。
逆に、朝日や毎日(テレビ局でいうならテレビ朝日系やTBS系ということになる)、東京新聞などは「リベラル系」と呼ばれ、時の政府に対して厳しい見方をする傾向がある。
その為、今回の毎日新聞の世論調査に関しては、元々「自民党を支持していない人達に対する世論調査」ということになる。
同様の調査を、讀賣新聞でも行っている。
讀賣新聞:岸田内閣支持率35%。6ポイント下落し発足以降最低…
毎日新聞の世論調査と読売新聞の世論調査とでは7ポイントの差があるのは、このような読者の違いがある為だ。
問題なのは、保守系新聞と言われる讀賣新聞でも、支持率が下がり続けている、という点だ。
しかも、「内閣の危険水域」と呼ばれる30%台の前半に迫ろうとしている。
にもかかわらず、岸田総理は余裕しゃくしゃくという訳でもないのかもしれないが、その表情からは厳しさが感じられない。
「内閣府支持率の内容分析をしていない」ということも考えられるのだが、むしろ対抗勢力となる与党の力が弱いのでは?という気がしている。
この「与党が弱い」という指摘は、様々なところでされているので、納得される方も多いと思う。
共産党やれいわ新選組といった、現政権とも他の野党とも違う考えを打ち出している政党はともかく、他の野党の考えが今の自民党と似たり寄ったり、というか、政党としての独自な考えを打ち出すことができていない為だ。
確かに、自民党という政党は、別名「なんでもあり党」というくらい、政治的考え方が幅広い政党と、言われている。
だからこそ、無所属で当選した国会議員が、自民党と合流することも可能なのだ(最も、最近では自民党を離党し、無所属で当選後自民党と合流するパターンが多いのだが)。
その為、いくら内閣支持率が下がろうとも、対抗馬となる政党が無いため岸田総理は、余裕の態度なのだろう。
もう一つあるとすれば、それはやはり投票率の低下だろうか?
自民党を支えている公明党には、ご存じのように「創価学会」という強力な支持母体がある。
支持母体というよりも、集票団体と言った方が良いかもしれない。
これまで、友好的な関係にあったこともあり、自民党から立候補した議員さんが当選を果たしてきた、という事情もある。
この協力関係が崩れたりすれば、どうなるのか?不安な自民党議員さんもいらっしゃるはずだ。
それに対して、「浮動票」と呼ばれる特定の支持政党を持たない人達は、投票に行かないことで強力な支持母体を持っている政党に優位な結果をもたらす、ということになっている。
他にも「小選挙区制度」という選挙制度などの問題があるのだが、いずれにしても「有権者が選挙に行かない」と岸田総理は何もせずに、政権を維持できる、と考えているだろうし、それは内閣の大臣たちも同じだろう。
これらの理由が、岸田内閣支持率低下でも岸田総理は余裕を見せることができるのだろう。
悲しいかな、これが日本の政治の姿だと思うと、どこか情けない気がしてくる。
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