日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

競馬場をスタジアムに-地域とスポーツ-

2005-03-20 11:30:09 | スポーツ
今日の日刊スポーツWEB版に「高崎競馬場をサッカー専用スタジアムに」と言う記事が掲載されています。
競馬ファンではないので、高崎競馬場が既に閉鎖されていたことは知りませんでした。
地方競馬が危機的状況にあるというのは、昨年の「ハルウララ」人気によってクローズアップされましたね。
名古屋に近い、岐阜県の笠松競馬場も存続の危機といわれ、競馬ファンのライブドアの堀江社長がいろいろな提案をしたとか、しなかったとかと話題になりました。
結局は、今年1年様々な改善策を行った上で閉鎖についての判断する、と言うことに落ち着いたようです。

その地方競馬の跡地利用として、地元サッカーチームFCホリコシ(現在JFL所属※)のホームスタジアムにすると言う計画が進行しているようです。
群馬県には、今年からJリーグ2部(=J2)に昇格した「ザスパ草津」というチームがあります。
その2チームのホームスタジアムとしての運営を検討しているようです。

ご存知のように、サッカーは日本サッカー協会を中心に「地域のサッカー」ということに力を入れてきました。
そして現在では、Jリーグに所属するプロチームが30チームになりました。
特に、新規参入をした「ザスパ草津」は、母体企業を持たないクラブチームですし、「徳島ヴォルティス」は四国初のJリーグチームとなりました。
一時期「急激なチーム増は、既存チームの経営危機を呼ぶ」といわれたのが、嘘のようです。

実は、Jリーグには様々な規定があります。
それは、プロチームだけが強くなるのではなく、サッカー人口を増やしていきたいと言う考えがあるからです。
その為に、Jリーグクラブにはホームスタジアムの確保だけではなく、高校生以下の世代の選手育成などが決められています。
その為の練習場の確保なども必要です。
指導者育成だけではなく、場所も経費も相当必要なのが、スポーツ振興の問題点でもあるのです。

もし、高崎競馬場がサッカー専用スタジアムに衣替えするのであれば、サッカーだけではなく、芝生で行うスポーツ(=ラグビーやグランドホッケーなど)が楽しめる『スポーツパーク』になって欲しいですね。
休日の午後、フットサルを楽しむグループの隣で、グランドホッケーの試合に声援を送ると言う光景が当たり前になってくれば、日本のスポーツ文化は大きく発展すると思うのです。
その先鞭となるのが、高崎競馬場と言う元地方競馬場というのも素敵ではありませんか?
堀江さんが明確に提示できなかったヴィジョンよりも現実的で、地域社会に還元できるモノがイッパイありそうです。

※JFLとは・・・Jリーグとは違い、アマチュアチームのトップリーグ。
         ただし、Jリーグに昇格するためにはJFLでの優勝
         などの成績が必要。

真意が見えない-ライブドアVSフジサンケイグループ-

2005-03-18 11:25:40 | アラカルト
先月から、新聞・テレビなどあらゆるメディアを賑わしている「ライブドアVSフジサンケイグループ」。
最初は、「インターネットと既存メディアとの融合的なヴィジョンを、堀江社長が持っているのか?」と期待をしていました。
しかし・・・最近の彼の発言からは、買収後のヴィジョンがまったく見えないのです。
それどころか「いずれ、テレビなどはインターネットに取って代わられるのだから」という内容の発言。
もし、真剣にそのような考えがあるのであれば、何故、今テレビやラジオなどの既存メディアを買収しようとするのか?
真意が見えてきません。
いや、彼の中では明確なヴィジョンがあるのかも知れません。
でも、それを何らかのカタチで言ってもらわなくては、多くの支持を集めることはできないと思うのです。
それとも彼のブログをチェックしろというのでしょうか?
とすれば、インターネットの力を過大評価しすぎているように思いますし、受け手となる人たちのことを考えていないように思います。

時折、ネット関連の仕事をしている人と話をすると「インターネットがあれば、情報収集も情報発信もテレビ以上の力を持ってできる」という内容の話をする方がいらっしゃいます。
果たしてそうなのでしょうか?
テレビとインターネットの普及率では、テレビの方が遥かに勝っています。
テレビと言う「大量の情報を不特定多数の人たちに提供するツール」とインターネットと言う「個人とマスとの情報の双方向性を提供するツール」とでは、生活者の考え方もアプローチも違うのではないでしょうか?
インターネットは決して「万能ツールでは無い」と思います。
むしろ、これから先「棲み分け」ということになっていくと思うのです。
それを決めるのは、堀江社長でもなければフジテレビなどのメディアでもなく、私たち生活者のはずです。
果たして、堀江社長はインターネットを利用し、テレビやラジオを視聴、新聞で内容を確認している生活者にどれだけ目を向けているのでしょうか?

もうひとつ気になることがあります。
それは「企業は人の集まりである」ということです。
後期印象派の画家、スーラの有名な絵に点描画の作品がいくつかあります。
正に企業は、様々な個性の人たちが集まった「点描画」だと思うのです。
一つひとつの点(=人・個性)を大切にするからこそ、一つの絵として美しいと感じ、「企業文化」というものに共感するのではないでしょうか?
「現在、ニッポン放送で働く人たち、そしてフジサンケイグループで働く人たちの豊かな個性と、企業文化をどのように考えているのか?」堀江社長からは伝わってきません。
だからこそ、多くの人たちが「マネーゲームだ」というのではないでしょうか?

異質な企業文化の融合から、新しい企業文化が生まれてくる可能性は多いにあります。
しかし、その為に必要なことを堀江社長は忘れているような気がしてなりません。

壊れている?それとも・・・-老親介護-

2005-03-17 11:46:13 | 老親介護
今月初めから、老親介護のため実家に戻っていました。
その間にも、アクセスをしてくださる方がたくさんいらっしゃったようです。
ありがとうございます。
そして、「しばらくお休みします」というエントリーにコメントを下さったsabuさん、お気遣いいただきありがとうございました。
また、「まちづくり考」にトラックバックしていただきました「単身赴任 杜の都STYLE」の自由のランナーさん、ありがとうございました。

さて、約2週間お休みをさせて頂いた理由は「老親介護」のためでした。
実は、父の入院は「前立腺肥大」によるもので、手術さえしてしまえば後は回復の一途と言う状態でした。
しかし、以前から老年性の認知症(=老人性痴呆症)の症状が現れはじめていた母の介護のほうが、大変でした。

「老年性認知症」と言っても、個人差があるので現在の母の状態がどの程度のものなのか分からないというのが、本当のところです。
夜間徘徊などの症状は無いので、認知症の初期段階ではないでしょうか?
ただ、私が以前から把握していた状態よりも相当進行?しているような印象をもちました。
以前は、「毎日が日曜日」状態で「日にちや曜日が、わからなくなる」という程度だったのです。
現在では「夢と思い出と現実の狭間を行き来している」という状態。
その為、真夜中に突然起きて「○○さん、元気かしら?」と言ってみたり、「お母さん(=私の祖母で20年前に死去)のお見舞いに行かなくては」と言ったりということの繰り返し。
もちろん、それは昼間も同様にありました。
そして、肝心な父の入院については、どれだけ理解しているのか分からない。

ただ、そのような話や行動に付き合ってみると、それら総てが母にとって大切な「思い出」であり、眠りが浅いためなのか「夢と現実の区別がつかない」ということが、次第にわかってきました。
特に、母にとって父の存在は大きく、入院という事そのものが「受け入れ難い」ことのように思えました。
その為に「父の入院もしくは病気」という話になると、しつこいくらいに「どうして、お父さんはお母さんに何も話さずに、入院したの?」「どんな病気か話してくれない」と「愚痴る」のです。

「年をとると、昔の話ばかりする」と言われますが、その「昔話」は、「本人にとって、とても良い思い出が中心」のようです。
母の場合、まだまだ親の庇護の下伸びやかに過ごした少女時代の頃、大人になり大好きな人!(=父)と始めた結婚生活や転勤先で出会ったよき友人達とのこと等ばかり。(私たち子どものことの話など、一切無し!(笑))
子どもの私が知らなかった、「生き生きとした若かりし母の姿」の話のようにも思えました。
けっして「痴呆症=人格が壊れる」のではなく「夢と思い出の狭間を行き来している時間が長くなり、現実の時間が無くなるということではないか?」という気がしています。
もちろん、これから先母の認知症が進行していけば、もっと違った見方をするようになっていくとは、思いますが・・・。

そして、今回のことで初めて両親のご近所の評判を知ることができました。
ご近所でも評判の「仲睦まじい老夫婦」のようです。
少し安心をしました。