大雨の次は「殺暑(勝手に名付けました)」のような、暑さだ。
くれぐれも、体調管理には気を付けたいところだが、この体調管理が難しい人たちがいる。
子どもやお年寄りは当然だが、この炎天下部活などをしている生徒たちだ。
先日、部活動中の態度に問題があると、生徒を「罰走」として校舎周辺を80周(常識的な距離とは思えないが)走らせ、走らさせた生徒が熱中症で倒れ救急搬送される、というニュースも報じられている。
讀賣新聞:校舎80周走、市側は「体罰の範囲さえ超える」
この罰走を課した顧問の先生が、なぜ80周という常識を超える距離を走らせたのかは不明だが、そもそも炎天下でスポーツのトレーニングをする必要があるのだろうか?
罰走はもちろんだが、通常のトレーニングにしても、尋常ではない暑さの中でトレーニングをして、成果が上がるのだろうか?
確かに、高校生のスポーツ大会である「インターハイ」などは、炎天下の中で行われることも多い。
その暑さに慣れる、ということも必要かもしれないが、年々「猛暑」とか「酷暑」といわれる日が多くなりつつあると考えれば、「インターハイ」などの開催時期をずらすなどをして、参加する生徒たちの体調管理をしやすい環境で行うことを考える必要があるのでは?
その最たるものが、「高校野球」かもしれない。
その「高校野球」でも、指導方法を変えることで成果を上げている学校もある。
Huffpost:投手「走り込み」もう古い? 長距離走、禁じて愛知で春4強
どうやら「走れば体力がつく」というわけではないようだ。
確かに、野球は長距離を走るスポーツではない。
「打つ・出塁する・ボールを(走りながら)キャッチする」という一連の動作をスムーズに行う為には、罰走のような長距離を走らせるよりも、必要な筋力アップのほうが効果的だろうし、生徒も理解し・納得して取り組みやすいだろう。
実際、野球よりも試合でも走る距離が長いと言われているサッカーにしても、1試合で走る距離は想像よりも短いと言われている。
サッカーも、トレーニングに関して意識が随分変わってきているようだ。
西日本を襲った豪雨で、広島の高校生たちが自主的に被災民家の片づけや清掃を行った、と話題になったが、その高校生たちを指導している先生からは「日ごろから、自主的に行動する」ということを重要視している、という話があった。
BusinessInsider:【豪雨被害】安芸南高校サッカー部員が結成した「掃除隊」。自立心と思いやりを育てた監督の教え
見出しの部分だけを読むと、サッカーというスポーツの前に自立心と思いやりを育てる指導をしている、と読み取れる気がするのだが、本分を読むと、サッカーというスポーツを指導するうえで、自主的に考え行動する、という指導を日ごろからされている、ということが分かる。何より、全体練習そのものは週のうち2日だけ。後は選手それぞれがトレーニングメニューを決めるという。
選手個人がトレーニングメニューをつくること自体、なかなか難しいと思うのだが、そのような場合は監督からのアドバイスがあるのでは?と、想像している。
今年のGW明けから問題になった「日大ラグビー部」とは、随分違う指導方針で、成果を出している高校の部活がある、ということを知ると、ますます、日大ラグビー部の指導は前近代的で、効果の薄いものだった、ということが分かる気がする。
精神論や気力でスポーツをする時代ではなくなってきている、ということだろう。
炎天下、熱中症寸前になるまでスポーツをする時代ではない、ということだろう。