一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

金曜サロン・石橋幸緒女流四段④

2010-03-03 22:00:26 | LPSA金曜サロン
きのう2日の日本テレビ系「おもいッきりDON!」に、「スケバン刑事Ⅲ」風間三姉妹の、浅香唯、大西結花、中村由真が出演しており、懐かしく思った。3人とも40代になったが、その姿は若々しい。また1日のTBS系「美食カメラマン・星井裕の事件簿」には、水野真紀が出演していた。さらにきょう3日のテレビ東京系「懸賞金~目撃証言に3000万円を賭けた女~」には、元ミス日本の大竹一重が出演していた。
私はいまを去ること20年以上前、旅行先の秋田県角館で、地元のある女性に一目ぼれをした。その女性が、中村由真と水野真紀と大竹一重を足して3で割ったような顔で、似たイメージの女優がこれでもかと登場し、ちょっとほろ苦い思い出がよみがえったものだった。

1月8日のLPSA金曜サロン、夜は石橋幸緒女流四段の担当だった。
石橋女流四段はいつも快活で、過ぎたことをいつまでもクヨクヨ考えている私のような弱虫とは違う。辛いことも楽しいことに変えてしまう、陽転志向の持ち主である。その言動は、いつも見習いたいと思う。
そんな石橋女流四段と、2010年最初の指導対局である。私は石橋女流四段を現女流将棋界最強の女流棋士と見ているが、指導対局では下手をコテンパンにすることはまずない。必ず見合いを取ってくれる。そのスキを下手が活かすかどうかが、勝敗の分かれ目となる。
私の☗7六歩に、石橋女流四段は、何でも来なさい、の☖8四歩。☖3四歩なら居飛車も考えたが、私は三間に飛車を振った。対する石橋女流四段の指し手は、☖3一銀・☖5三銀型から☖6五歩の仕掛けだった。
これはかつて塚田泰明九段が得意にしていた形で、「将棋世界」で講座を読んだ記憶がある。しかしこちらだって、このシンプルな仕掛けで悪くなるはずがない…はずなのだが、角交換から☖4四角と打たれたうえ☖7九飛成とされて、いつの間にかこちらが不利になってしまった。
しかし私も☗4五歩☖3五角☗3六歩と追い、2四に角が逃げれば☗5三桂成~☗9七角のスジがあり、戦える。この展開は悪くはないと思った。
石橋女流四段は角を見捨てて☖7四竜。私はありがたく角を取る。これはこちらが指しやすくなったのではないか? しかし相手は最強女流棋士だ。上手はこのくらいのハンデをつけたほうが面白い…くらいに考えているに違いない。
私は後手竜を敵陣に封じ込める。いやこれは…まだこちらが優位を持続しているような気がする。どちらを持って指したいか、と聞かれれば、私は下手側と答える。それを裏付けるように、
「…一公さん、この将棋はブログに載せないでくださいね」
と、石橋女流四段が苦笑まじりに言う。ご本人も容易ならざる事態と自覚したのだ。これはやっぱり私が有利…いや優勢と思ってよさそうだ。しかし将棋は逆転のゲームである。ふるえて勝機を逃してもいけないが、慌てて攻めて逆襲を食らってもいけない。私はひたすら低姿勢を貫く。
端攻めをされ、☖1六歩にも☗1八歩と謝る。金持ちケンカせず、だ。
「そういうのは低姿勢って言わないんですけどねえ…」
と、石橋女流四段。
この日から私は棋譜ノートを付けているが、1頁には150手ぶんの手数が記入できる。それが2枚目に入ったところで、将棋は終了した。
石橋女流四段が、この将棋には触れてほしくない、というふうなので、あえて勝敗は書かない。
しばらく経って、石橋女流四段が
「一公さん、扇子を」
と言う。私が「もうですか?」
と戸惑い気味に扇子を手渡すと、石橋女流四段は指導対局中にもかかわらず、サラサラと揮毫してくれた。見ると、流麗な行書体だった。
「ちょっと(字体を)変えてみました」
と、石橋女流四段の弁だった。
コメント (5)
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