1月22日のLPSA金曜サロンは、昼が中倉彰子女流初段、夜は中倉宏美女流二段という、最強コンビの担当だった。この日はサロンに行く前から大勢の会員の来場が予想されたが案の定で、私は遅く訪れたわけでもないのだが、彰子女流初段との指導対局は午後5時半すぎになってしまった。
2時の指導対局開始から休みなしで3時間半も指しずめは、いくらプロとはいえ女性にはキツイと察するが、だからといって辞退するほど、私はいい格好をしない。当然、盤の前にすわる。
この日の外は寒く、室内とはいえ、彰子女流初段も厚着をしていた。ナナメから観る顔は清楚で、ちょっと愁いを帯びたようにも見える。フリーアナウンサー・内田恭子のイメージが重なる。冬の北海道の港で、ひとり佇む姿を妄想する。
彰子女流初段、宏美女流二段のどちらがタイプか、は話のタネの定番である。私が勝手につけた女流棋士ファンランキングでは、おふたりの順位は離れているけれども、表情を間近で拝見すると、その美しさは甲乙つけがたい。1手指したほうがよく見える。じゃなかった、目の前にいる方のほうが綺麗に見える。
将棋は彰子女流初段の四間飛車に私の棒銀。穴熊の未完成を狙って仕掛けたが、やや単調だったか。こちらは8三に馬を作ったものの、上手に☖2八飛と銀、桂両取りに打たれ、☗4六飛と打つようでは苦しいと思った。
4面指しの4人目に入ってから、彰子女流初段はほぼ私のみを相手に指している。しかし対局中は、ほかの会員が指さないからだと思っていた。
時間も押しているし、彰子女流初段も私も、早指しである。その激闘の終了局面の符号を以下に記してみる。
上手・中倉彰子女流初段:1一香、1三歩、2三歩、2八飛、4一金、4五歩、5二銀、5三歩、6一金、6三歩、7一銀、7三歩、7四桂、8一桂、8七成香、9一王、9二香、9三歩 持駒:歩3
下手・一公:1七歩、1九香、2五歩、2六銀、2九桂、3三と、3六飛、4七歩、5六歩、5八金、6五馬、6七歩、6九金、7六歩、7九銀、8三角、8四桂、8九玉、9七歩 持駒:なし
☗8四桂☖7四桂☗8三馬まで。☗8四桂で受けなしと思いきや、☖7四桂受けがあってアオくなった、しかし☗8三角を発見し、これで必死となり、彰子女流初段が「見落としてましたー!!」と言って、投了した。
私もこれで必死と信じたのだが、後日よく考えると、投了以後、☖9八成香☗同玉☖5八飛成☗同金☖8二金、と強引に金を入手して受ければ、上手王に詰みはなかった。しかしこの順は分かっていても、さすがに指せまい。
ほかの対局も残っていたし、彰子女流初段も粘ることはせず、前回と同じように投げたと思われる。
結局、いちばんあとから入った私が、いちばん先に抜けてしまった。これは大いに誇って良いことだと思ったが、実はとんでもない了見違いだった。
私があまりにも早指しだったため、彰子女流初段もつい私の相手をしてしまい、ほかの3人が取り残されてしまったのだ。そう考えると、終盤で彰子女流初段が無謀な攻めをしてきたのも説明がつく気がする。まずは私の将棋を終わらせてしまおう、と考えたのかもしれない。
ということは、これは私のほうに責任がある。人気女流棋士との指導対局、私がもっと大事に指そう、という気構えでいれば、彰子女流初段もほかの対局者との指し手を進めただろう。
ちょっと周りが見えなかった自分が身勝手に思え、私は軽い自己嫌悪に陥ったのだった。
2時の指導対局開始から休みなしで3時間半も指しずめは、いくらプロとはいえ女性にはキツイと察するが、だからといって辞退するほど、私はいい格好をしない。当然、盤の前にすわる。
この日の外は寒く、室内とはいえ、彰子女流初段も厚着をしていた。ナナメから観る顔は清楚で、ちょっと愁いを帯びたようにも見える。フリーアナウンサー・内田恭子のイメージが重なる。冬の北海道の港で、ひとり佇む姿を妄想する。
彰子女流初段、宏美女流二段のどちらがタイプか、は話のタネの定番である。私が勝手につけた女流棋士ファンランキングでは、おふたりの順位は離れているけれども、表情を間近で拝見すると、その美しさは甲乙つけがたい。1手指したほうがよく見える。じゃなかった、目の前にいる方のほうが綺麗に見える。
将棋は彰子女流初段の四間飛車に私の棒銀。穴熊の未完成を狙って仕掛けたが、やや単調だったか。こちらは8三に馬を作ったものの、上手に☖2八飛と銀、桂両取りに打たれ、☗4六飛と打つようでは苦しいと思った。
4面指しの4人目に入ってから、彰子女流初段はほぼ私のみを相手に指している。しかし対局中は、ほかの会員が指さないからだと思っていた。
時間も押しているし、彰子女流初段も私も、早指しである。その激闘の終了局面の符号を以下に記してみる。
上手・中倉彰子女流初段:1一香、1三歩、2三歩、2八飛、4一金、4五歩、5二銀、5三歩、6一金、6三歩、7一銀、7三歩、7四桂、8一桂、8七成香、9一王、9二香、9三歩 持駒:歩3
下手・一公:1七歩、1九香、2五歩、2六銀、2九桂、3三と、3六飛、4七歩、5六歩、5八金、6五馬、6七歩、6九金、7六歩、7九銀、8三角、8四桂、8九玉、9七歩 持駒:なし
☗8四桂☖7四桂☗8三馬まで。☗8四桂で受けなしと思いきや、☖7四桂受けがあってアオくなった、しかし☗8三角を発見し、これで必死となり、彰子女流初段が「見落としてましたー!!」と言って、投了した。
私もこれで必死と信じたのだが、後日よく考えると、投了以後、☖9八成香☗同玉☖5八飛成☗同金☖8二金、と強引に金を入手して受ければ、上手王に詰みはなかった。しかしこの順は分かっていても、さすがに指せまい。
ほかの対局も残っていたし、彰子女流初段も粘ることはせず、前回と同じように投げたと思われる。
結局、いちばんあとから入った私が、いちばん先に抜けてしまった。これは大いに誇って良いことだと思ったが、実はとんでもない了見違いだった。
私があまりにも早指しだったため、彰子女流初段もつい私の相手をしてしまい、ほかの3人が取り残されてしまったのだ。そう考えると、終盤で彰子女流初段が無謀な攻めをしてきたのも説明がつく気がする。まずは私の将棋を終わらせてしまおう、と考えたのかもしれない。
ということは、これは私のほうに責任がある。人気女流棋士との指導対局、私がもっと大事に指そう、という気構えでいれば、彰子女流初段もほかの対局者との指し手を進めただろう。
ちょっと周りが見えなかった自分が身勝手に思え、私は軽い自己嫌悪に陥ったのだった。