一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

「芝浦まつり」で一局

2011-08-04 00:39:55 | LPSAイベント
7月29日(金)のLPSA芝浦サロンは、島井咲緒里女流初段の担当だった。最近はサロンへ行くにももうひとつテンションが上がらないのだが、サロンは週に1度のお楽しみなので、簡単にやめるわけにもいかない。
最近のサロンは午後5時から6時までは開店休業状態なので、早く仕事が終わっても、家を出るのに躊躇する。
きょうも若干ぐずぐずし、JR田町駅を降りたのが5時20分ごろだった。
芝浦運河を渡ると、なにやらまつりをやっている。「芝浦まつり」だ。そのままやりすごそうと思ったが、出展社の中に「日本女子プロ将棋協会」の幟があったので、寄ってみた。
簡素なパイプテントの下には石橋幸緒女流四段がいた。将棋盤が3面並べられており、イベント等でときどき拝見する紳士が、石橋女流四段に指導対局を受けていた。あるいはLPSAの関係者だろうか。
石橋女流四段に挨拶をすると、そばにいた理事の庄田育夫氏に、私を紹介してくれた。
「ヒロミさんがパンツを脱いだとか書く人ですけど、芝浦サロンによく来てくれてます」
大きなお世話だが、そもそも私は、かつて庄田氏から名刺を頂戴している。
このままサロンに行くのもなんなので、1局指していくことにする。対局料は500円。これは全額、東日本大震災の復興基金として寄付される。
募金箱となっているペットボトルに500円を入れようとするが、財布の中に500円玉がない。ペットボトルには「おつりはありません」との貼り紙がある。これがミソだ。
めんどうなので、千円札を入れて、指導対局開始。私の居飛車明示で、横歩取りとなった。左の紳士の将棋は、先日行われた王位戦第2局の解説だった。それを横目に、私は指し手を進める。
△4一王だったので、私は▲3三角成とする。石橋女流四段が、「まさか?」という顔で私を見た。私は用意の▲9六角!
横歩取り△8五飛に角を換わって▲9六角は、私がよく指す手。昨年の将棋合宿で中井広恵女流六段に用いて惨敗し、女流棋士にはもうこの手は使うまいと心に決めたが、大豪を前にして、いま一度試したくなった。
石橋女流四段は△6五飛。以下定跡どおりに進んで、△4四角▲2四飛△6二銀▲5八金と進む。ここで中井女流六段は△6三銀~△5四銀と進めたが、人が変われば指し手も変わる。石橋女流四段は、△7七角成(王手)▲同金△2四飛と進めた。
このあたり石橋女流四段は、
「中井さんはどう指したの?」
と、そればかり口にしていた。LPSAのライバルがどう咎めたのか、興味津々だったようだ。
序盤は飛車より角というが、下手陣は6六の空間が痛く、また玉を動かそうにも、その瞬間飛車を打たれるので、存外動きにくい。
私の右には初心者の子供がすわった。石橋女流四段は十枚落ちで指そうとしたが、回り将棋を始めた。まだ「習うより慣れろ」の段階のようだ。
私は敵陣に角を打って香得を目指すが、石橋女流四段は、9筋に狙いをつける。この端攻めが早かった。
石橋女流四段の△9八歩に、私は初志貫徹で▲9四馬と、香を取った。

上手・石橋女流四段:1一香、1四歩、2三銀、3二金、3三桂、4一王、4三歩、5二金、5三歩、6二銀、6四飛、6六歩、8五桂、9八歩 持駒:飛、歩2
下手・一公:1七歩、1九香、2六歩、2九桂、3七歩、3九銀、4六歩、5七歩、5八金、5九玉、6八歩、7二馬、7七歩、7八金、8七歩、8八銀、8九桂、9四馬、9六歩、9九香 持駒:香、歩2

△9九歩成▲同銀△9七桂不成 まで、石橋女流四段の勝ち。

△9七桂不成が、8九桂取りと9四馬取り。こりゃダメだと投了したが、その瞬間、9四馬には7二馬のヒモがついていることに気がついた。
しかし投了せずに▲9七同桂でも△8九飛が厳しく、やはり下手いけない。
局後、真っ先に石橋女流四段から
「▲9九同銀では▲8五馬と桂を取って勝負するべき」
と言われた。▲8五馬△8九と▲5六桂△6五飛(横に逃げる手は▲6二馬)▲7六馬△8八と…でどうか。むずかしいが、これもしかし、下手負けだろう。
石橋女流四段は、ここでも中井女流六段の指し方を気にしていた。自分の指し手がこれでよかったのか…。最後まで迷いながら指していたようだ。

6時少し前に終わり、ちょうどいい時間にサロンの前に着く。ポケットをまさぐると、500円玉が出てきた。チッ…いまごろ500円玉が出てきても遅い。
サロンに入ると、島井女流初段の指導対局に、3人がついていた。
私はきょうで「芝浦サロンポイントカード」のスタンプが100個になり、LPSA女流棋士の直筆扇子がいただけることになった。今年から始まったこのポイントカード制度、私は丸7ヶ月で達成したことになる。しかし次の100個はいつになるか、見当もつかない。
賞品の扇子は、当初は船戸陽子女流二段のそれをいただく予定だったが、島井女流初段のそれをいただくことにした。私は浮気性なのである。
そのまま指導対局の席についていいものか迷ったが、手合い係の大庭美樹女流初段は、
「いいですよ。大沢さんは、おかわり対局が無料になっています」
という。先日来た新規のお客様が、私の紹介で来たといったからだという。
芝浦サロンは現在キャンペーン中で、新規の客を紹介した会員は、おかわり対局1局が無料になるのだ。
新規のお客様とは、セサミン氏のことだろうか。しかしセサミン氏は自発的に来たのであって、私は何もしていない。よって、無料の指導対局は辞退した。
とりあえずおカネを払い、島井女流初段との指導対局に入る。
と、島井女流初段が、
「大沢さん!」
と元気よく言い、すぐあとに意外な言葉を続けたので、私は大いに驚いた。いや、戸惑った、というべきか。
(つづく)
コメント (4)
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