先日の社団戦、将棋ペンクラブのブースでは、「将棋ペン倶楽部」のバックナンバーが300円で売られていた。バックナンバーは通常1,000円なので、300円は破格。売れ行きもよかったようである。
もう2ヶ月前の話になるが、6月の中旬、「将棋ペン倶楽部 通信37号」が発行された。きょうはその冊子の紹介をする。
・関西交流会レポート 棋友に誘われて K氏
岡山在住の会員のレポート。昔の岡山での将棋風景を交え、落ち着いた文体で綴る。後半は将棋ペンクラブ・湯川博士統括幹事による、リレー将棋のレポートがある。
・関東交流会レポート 雨にも負けず80人 S氏
大阪市在住の会員によるレポート。この交流会に参加するためだけに上京されたと思うが、関東在住の会員からすると、これはありがたいことである。当日は王位戦のプレーオフが隣室で戦われており、レポートではその状況を織り交ぜながら綴っている。
・東日本大地震日記 湯川博士
東日本大震災で被災された方々の安否を、抑えた筆致で綴っている。幸い、会員の皆さんは無事とのこと。被災地に届いた会報が、殊のほか喜ばれたらしい。
・鬼六先生を偲んで 一期は夢よ、ただ狂え 中野隆義
5月6日に亡くなられた、将棋ファンの作家・団鬼六氏の追悼文。将棋ペンクラブ大賞贈呈式などで団氏を拝見したことがあったが、その横にはいつも「近代将棋」元編集長・中野氏の姿があった。
本稿では、団氏と中野氏の出会いやタイトル戦の同行記を、淡々と綴っている。その中に団氏との惜別の情が垣間見え、そこが涙を誘う。
・オモシロ人物小咄(2) 東公平
少年ジャンプのコピーではないが、東先生のエッセイは将棋ペン倶楽部でしか読めない。本稿でも熟練の筆致が堪能できる。今回の登場人物は、作家の山口瞳、河口俊彦七段、加藤博二九段など。
文中で東氏が「特筆しておく」と記しているのでここでも記すが、「将棋年鑑」の発案者は、能筆家・荒巻三之九段だったそうだ。
・雀卓の大山名人 湯川恵子
大山康晴十五世名人の、晩年の思い出話。大山十五世名人が亡くなって19年。名人のエピソードを語れる人物も少なくなっており、こうしたエッセイは貴重である。本文を読んで、大山十五世名人は本当に魅力的な人だったんだなと思った。名人は、年齢を重ねるごとに人気が出てきた稀有な人。こんな棋士はもう現れないだろう。
・カムバック U氏
若いころ大病した作者が、20年後に将棋界にカムバックする。その後も作者の精進は続き、平成23年、ついにはアマ竜王戦の県代表決定戦に進出する。その相手は…!?
本文の分量は2頁1/3だが、書けばいくらでもエピソードが出てきそうで、4~5頁に膨らませても十分読めたと思う。
・我が将棋半世紀(5・最終回) 渋谷守生
東京アマチュア将棋連盟会長による連載の最終回。本文を読むといろいろな職を歴任しており、一冊の本にしても十分な内容になると思われる。
末尾に、将棋についての感動的な一文がある。転載するのは味がわるいので、これは通信号を読んでいただくしかない。
・[小説]盲目真剣師・道場破り S氏
北陸のある将棋道場に、スーツ姿の男性と、高校生と思しき女性がフラリと訪れる。女性は目が不自由だった。彼女は、道場一の強豪との手合いを所望し、「わたしが勝った場合、あなたにとって、大切なものをひとついただくことになります」と言う。戦前の小説を思わせる、不思議な余韻の残る作品。
・将棋ペンクラブ大賞推薦作一覧
次回の「将棋ペン倶楽部」は背表紙のついた会報号で、9月中旬の発行予定。次号は私の原稿も掲載される予定である。タイトルは「忘却の角」。
会報を読みたい方は、将棋ペンクラブの会員になっていただく必要がある。年会費3,000円で、1月から12月まで有効。途中入会でも、その年に発行された会報(バックナンバー)が送られてくるので、損はしない。
自分の原稿が載っていると、やはりワクワク感が違う。9月の発行が、いまから楽しみである。
もう2ヶ月前の話になるが、6月の中旬、「将棋ペン倶楽部 通信37号」が発行された。きょうはその冊子の紹介をする。
・関西交流会レポート 棋友に誘われて K氏
岡山在住の会員のレポート。昔の岡山での将棋風景を交え、落ち着いた文体で綴る。後半は将棋ペンクラブ・湯川博士統括幹事による、リレー将棋のレポートがある。
・関東交流会レポート 雨にも負けず80人 S氏
大阪市在住の会員によるレポート。この交流会に参加するためだけに上京されたと思うが、関東在住の会員からすると、これはありがたいことである。当日は王位戦のプレーオフが隣室で戦われており、レポートではその状況を織り交ぜながら綴っている。
・東日本大地震日記 湯川博士
東日本大震災で被災された方々の安否を、抑えた筆致で綴っている。幸い、会員の皆さんは無事とのこと。被災地に届いた会報が、殊のほか喜ばれたらしい。
・鬼六先生を偲んで 一期は夢よ、ただ狂え 中野隆義
5月6日に亡くなられた、将棋ファンの作家・団鬼六氏の追悼文。将棋ペンクラブ大賞贈呈式などで団氏を拝見したことがあったが、その横にはいつも「近代将棋」元編集長・中野氏の姿があった。
本稿では、団氏と中野氏の出会いやタイトル戦の同行記を、淡々と綴っている。その中に団氏との惜別の情が垣間見え、そこが涙を誘う。
・オモシロ人物小咄(2) 東公平
少年ジャンプのコピーではないが、東先生のエッセイは将棋ペン倶楽部でしか読めない。本稿でも熟練の筆致が堪能できる。今回の登場人物は、作家の山口瞳、河口俊彦七段、加藤博二九段など。
文中で東氏が「特筆しておく」と記しているのでここでも記すが、「将棋年鑑」の発案者は、能筆家・荒巻三之九段だったそうだ。
・雀卓の大山名人 湯川恵子
大山康晴十五世名人の、晩年の思い出話。大山十五世名人が亡くなって19年。名人のエピソードを語れる人物も少なくなっており、こうしたエッセイは貴重である。本文を読んで、大山十五世名人は本当に魅力的な人だったんだなと思った。名人は、年齢を重ねるごとに人気が出てきた稀有な人。こんな棋士はもう現れないだろう。
・カムバック U氏
若いころ大病した作者が、20年後に将棋界にカムバックする。その後も作者の精進は続き、平成23年、ついにはアマ竜王戦の県代表決定戦に進出する。その相手は…!?
本文の分量は2頁1/3だが、書けばいくらでもエピソードが出てきそうで、4~5頁に膨らませても十分読めたと思う。
・我が将棋半世紀(5・最終回) 渋谷守生
東京アマチュア将棋連盟会長による連載の最終回。本文を読むといろいろな職を歴任しており、一冊の本にしても十分な内容になると思われる。
末尾に、将棋についての感動的な一文がある。転載するのは味がわるいので、これは通信号を読んでいただくしかない。
・[小説]盲目真剣師・道場破り S氏
北陸のある将棋道場に、スーツ姿の男性と、高校生と思しき女性がフラリと訪れる。女性は目が不自由だった。彼女は、道場一の強豪との手合いを所望し、「わたしが勝った場合、あなたにとって、大切なものをひとついただくことになります」と言う。戦前の小説を思わせる、不思議な余韻の残る作品。
・将棋ペンクラブ大賞推薦作一覧
次回の「将棋ペン倶楽部」は背表紙のついた会報号で、9月中旬の発行予定。次号は私の原稿も掲載される予定である。タイトルは「忘却の角」。
会報を読みたい方は、将棋ペンクラブの会員になっていただく必要がある。年会費3,000円で、1月から12月まで有効。途中入会でも、その年に発行された会報(バックナンバー)が送られてくるので、損はしない。
自分の原稿が載っていると、やはりワクワク感が違う。9月の発行が、いまから楽しみである。