一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

宮古島・吉野海岸の謎のおじさん

2011-08-15 20:33:49 | 旅行記・沖縄編
8月8日(月)~12日(金)の読売新聞夕刊の社会面「しあわせ小箱」欄に、沖縄県宮古島の吉野海岸に出没する、謎のおじさんが紹介されている。
当ブログの熱心な読者ならご記憶だろうが、ここの旅行記でも、吉野海岸の謎のおじさんを紹介したことがある。私は吉野海岸を15回ぐらい訪れているが、そのおじさんは、大抵そこにいた。
新聞記事のおじさんと、私が会っていたおじさんは同一人物なのか――。きょう13日は、それを確かめる目的も持って、宮古島へ飛ぶことになった。

まず、8時35分牧志発のゆいレールで那覇空港まで向かう。51分、空港着。早速チェックインする。土産物店の酒類が目に入るが、まだお土産を買うわけにはいかない。しかしLPSAは酒豪が多すぎる。
今回用意したANA株主優待券は3枚。東京-那覇の往復と石垣→那覇で1枚使うので、那覇→宮古は定価で買うしかない。しかし18,600円は高すぎる。
飛行機に乗り込む。あれええっ!? な、中村真梨花女流二段!? あ…、違うか。これは中村女流二段にそっくりのスッチーがいたものだ。いままで里見香奈女流名人・女流王将・倉敷藤花、本田小百合女流二段、山口恵梨子女流初段似のスッチーを目にしたが、彼女も相当似ている。しかし中村女流二段似のスッチーが搭乗していると思うだけで、何かミョーな安心感があるのはなぜだろう。
ボーイング737は、定刻より3分早く到着した。その足で私は、吉野海岸へ向かう。
県道78号に出て、そこを南下すると、その中途に宮古協栄バスの停留所があり、11時00分に平良営業所を出発したバスが私を拾うという寸法だ。
10時55分、名底に着く。時刻を確認したいが、時刻表が貼られていない。宮古協栄バスは路線バス事業に力を入れていないのだ。
しばらく歩くと、上りのバス停が見えてきた。ここには時刻表が貼られてあった。下りの名底発は11時08分。現在の時刻は10時58分である。これなら、次の中野原越バス停まで歩けるんじゃないか? ひとつでも先のバス停に行って、少しでもバス代を安くするのは、バス旅行の基本である。
私は躊躇なく先へ向かった。
ところが、行けども行けどもバス停がない。そのうち時刻が11時08分になり、振り返ると、後ろから路線バスがもうやってきた。
ちょ、ちょっと、早すぎないか?? これを逃したら、次のバスは2時間後である。私は恥をしのんで、手を上げた。フリー乗降区間ではないが、やむを得ない。
バスは止まり、ドアを開けてくれた。運転手さんはサングラスをかけた強面の人だ。この顔には見覚えがある。譬えれば山口英夫八段といったところか。
「吉野まで」
「……」
バスが走ると、すぐに中野原越バス停の前を通った。
「バス停のところで乗ってくれんとねえ」
「は、はい」
ちょっとちびった。
落ち着きを取り戻して車内を見渡すと、先客はおじさんの1名のみ。これでは路線バス事業の先が思いやられる。
吉野、11時32分着。運転手さんが、吉野海岸への行き方を教えてくれそうだったが、丁重にお断りする。しかしいま思えば、それがマズかったか。
いつも同じ道を行くのもどうかと思ったので、今回は別の方角から行ってみようと思った。しかしこれが大間違い。行けども行けども畑ばかりで、ちっとも海にたどり着けない。
空は曇っているが湿気がすごく、全身に汗をかいた。それよりも、貴重な時間をムダにしている、という焦りが先に立つ。
なんだか見覚えのある景色だが…と思い、近くの民家で尋ねてみると、どうも吉野停留所の近くまで戻ってしまったようだった。
しばらく歩くと、果たして停留所に出てきてしまった。時刻は12時11分。40分も時間をムダにしたことになる。
まったくバカバカしいが、ここから気持ちを入れ換えて、勝手知ったる道を行く。10分ちょっとで吉野海岸の入口に着いた。ここから急な坂道を下る。吉野海岸は、市が中心になって数年前から周辺の開発がなされた。浜辺は整備され、入口付近には立派なシャワーやトイレ、食堂が完備し、格段に便利になった。急な坂道をシャトルバス(ワゴンカー)が頻繁に行き来するようになった。
しかし鄙びた雰囲気は一変し、砂浜にはカラフルなパラソルが何本も立ち、その辺の海水浴場と変わらなくなった。これを嘆く旅行者は少なくないと信じる。
海は干潮で入る気がしないが、海に入りに来たので、入る。沖縄、夏、海と来れば水着のおねーちゃんが想起されるが、案に相違で、そんな女性はあまりいない。海中のサンゴを愛で、サカナと戯れるのを目的としているおねーちゃんは、水着よりもウエットスーツを着用するからだ。水着のおねーちゃんを鑑賞したい人は、島の北にある砂山ビーチがいいかもしれない。ただし海の中は白砂ばかりで、面白くもなんともない。
サカナと戯れたあと浜辺に戻って、前日に仕入れたお惣菜を食す。これがさみしい昼食である。一晩経ったフライドチキンは油ギトギト。大学イモは、すっかり蜜を吸っていた。しかし食べるしかない。まだコロッケが残っているが、胸焼けしそうで、これは食べる気がしなかった。
また海に入る。吉野のサカナにも馴れたから、いまでは大した感激はないが、初めて潜った人は感嘆の声を挙げるだろう。何度も沖縄を経験している船戸陽子女流二段はともかく、中倉宏美女流二段や島井咲緒里女流初段ならどんな反応を見せるだろう。一度連れて行ってあげたい。
時刻は午後2時半。おじさんが暮らしている?浜辺のホッタテ小屋に行く。ブルーシートに覆われた中を覗くと、おじさんがこちらに背中を向けていた。
「おじさん」
私は声を掛けた。
(つづく)
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする