一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

「将棋ペン倶楽部・2011年秋号」を読む

2011-09-16 00:40:10 | 将棋ペンクラブ
9月上旬に「将棋ペン倶楽部」2011年秋号が発行された。全104頁。
本号の目玉は、「第23回将棋ペンクラブ大賞」関連の記事だ。「将棋ペンクラブ大賞贈呈式のお知らせ」「大賞発表」「大賞選考会」「受賞のことば」「受賞作紹介」「推薦作ひとこと集」…とつづく。
今回は、

【観戦記部門】
大賞 後藤元気 第59回NHK杯戦準決勝第1局「歴史は繰り返す」
 渡部明-糸谷哲郎戦(NHK将棋講座、平成22年5月号)
優秀賞 青(鈴木宏彦) 第68期名人戦第4局
 羽生善治-三浦弘行戦(朝日新聞、平成22年5月30日~)
【文芸部門】
大賞 塩田武士『盤上のアルファ』(講談社、平成23年1月)
【技術部門】
大賞 金子タカシ『寄せの手筋200』(浅川書房、平成22年4月)
【特別賞】
貴志祐介『ダークゾーン』(祥伝社、平成23年2月)

となった。
大賞贈呈式は、きょう9月16日、東京・四ッ谷の「スクロール麹町」で行われる。午後6時30分~8時30分(開場・6時)。会費は男性8,000円、女性6,000円。多数の将棋関係者が出席し、指導対局やお楽しみプレゼントもある。
私はここ数年参加していたが、きょうはLPSA芝浦サロンに「スペシャルゲスト」が来場するので、そちらを優先させる。
昨年は、LPSA金曜サロンで、船戸陽子女流二段との指導対局を見送ってまで大賞贈呈式に参加した。今年は、その大賞贈呈式の参加を見送るわけだから、私のいう「スペシャルゲスト」がいかに大物か分かろうというものだ。

以下は、会報に掲載されている記事。

オモシロ人物小咄③…東公平
東公平氏の随筆は「将棋ペン倶楽部」でしか読めない。今回もプロアマ数名が登場し、「東節」が冴えわたる。

愛棋家坂口安吾(下)②…H
今回は坂口安吾の観戦記について。安吾が執筆者のひとりになっている、ある観戦記本の考察。これが探偵小説っぽくて、なかなか読ませる。
余談だが、私の大学の卒業論文が、「坂口安吾研究」だったので、安吾はよく読んだ。あのぶっきらぼうな文体が好きだ。

棋神伝 坂田三吉とその時代①…S
実は、今回の会報の一番の目玉は、これである。とにかく文章がうまい。私は文才はないが、うまい文章を見ると、作者に嫉妬する。S氏のそれは、プロ級である。湯川博士統括幹事の直しも入っていないと思う。
ところで「坂田」は「阪田」が正しいと思うが、どうか。

天井が将棋盤に見えた頃…K
筆者が小学生のころの回想。分量は1頁。随筆の中には、もっと内容を膨らませれば、数頁の佳品に仕上がるのに…と思うものがある。本作品がまさにそうだった。

忘却の角…大沢一公(私)
大野八一雄七段の実戦から取材した。ファミレスでの雑談を随筆という形に昇華させたもので、自分としては、うまくまとめられたと思う。自分で書いたのに、読んでいて、不覚にも涙が出てきた。最近、涙腺が弱くなった。

来年は一緒に行きませんか…N
5月に行われた関東交流会の記事。N氏は栃木県在住。地方から来る人はそれだけでたいへんだ。しかし地方在住の方ほど、将棋に熱いと思う。N氏も当日は、会員と7局も指した。将棋ペンクラブは、こうした愛棋家が支えているのだ。

羽生さんとの遭遇…M
関東交流会の朝、筆者は羽生善治王座・棋聖(当時)に会う。この日は交流会会場の隣で王位戦のプレーオフがあり、羽生二冠は、その対局だったのだ。羽生二冠の誠実な人柄がうかがえて興味深い。筆者作の詰将棋3つ付き。

将棋はマナー正しく…N
5月の関東交流会で作者が出会った、マナーのわるい客。にわかには信じがたいが、まだこんな客がいるのかと思う。

将棋の恩恵…S
筆者が筆記具のメーカーに勤めていたころの話。「芸は身を助ける」を地で行くエピソードがおもしろい。

オレたち将棋んゾンビ⑧…バトルロイヤル風間
没ネタ3つ。

次回の「将棋ペン倶楽部」は、通信38号。12月上旬発行予定である。原稿〆切は10月末日。私は現状、まったく投稿ネタがない。
コメント (4)
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