日付変わってきょう10日(木)は、竜王ランキング戦6組5位決定戦・加藤一二三九段と大野八一雄七段の一戦が行われる。
現在は竜王戦七番勝負の真っ最中だが、昇級者決定戦もいよいよ大詰めである。竜王戦は各クラス昇級者が4人で、6組もすでに決定したのだが、今期の6組昇級者は5人。よって昇級者決定戦の決勝で敗退した加藤九段と大野七段に、敗者復活戦として、もう一度チャンスが巡ってきたのだ。
加藤九段が勝てば71歳で昇級という快挙。先日は公式戦通算1,300勝も達成し、ますます意気上がる加藤九段ではあるが、私は「大野教室」の主宰者である大野七段を応援している。
大野七段、先日の昇級者決定戦決勝・伊藤真吾四段戦では、自分の構想どおりに戦いを進めながら、「優勢なのに決め手がない、20年に1回あるかないかという不思議な将棋」になり、不可解な敗退となった。その模様は「将棋ペン倶楽部」に「忘却の角・完結編」として、投稿する予定である。そしてここに加藤九段戦の一局が加われば、その内容はいっそう濃いものになる。私としては、七番勝負より本局のほうが、興味津々なのである。
大野教室で大野七段に将棋を教わっていると、プロ棋士の将棋の強さ、奥深さに舌を巻く。棋士の最強は大野七段なのではないか、と錯覚するほどだ。
その大野七段には、先日の「信濃わらび山荘将棋合宿」に参加いただいた。それに時間を割かれて研究がおろそかになり、加藤戦は負けてしまいました、とならないよう、大野七段には是非とも勝ってもらいたいところである。
そして勝った暁には、大野教室の生徒のおごりで、焼肉パーティーを開こう。私にはすでに、そのイメージが浮かんでいる。
きょうは一日、東京・将棋会館に想いを馳せる。終局後、大野七段からの直接の連絡は畏れ多いが、関係者からの吉報を、私は楽しみに待っている。