一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第3回 信濃わらび山荘将棋合宿(第5譜)・将棋三昧

2011-11-14 00:36:00 | 将棋イベント
土曜日組はKun、Y、Kub、Kaz、Miの5氏。総勢15人で、前回と同じく、駅前の食堂に入る。15人中11人がカツ丼を注文。みんな、将棋以外はどうでもいいらしい。
向かいに座ったY氏に話を聞く。下りの特急あずさは混んでいて、指定席、グリーン車とも満席だったという。奇跡的に自由席の4席が取れたので(Kub氏は普通列車利用)、そこで、4人によるトーナメント戦「第2回あずさ杯」を行ったそうだ。しかしこの将棋が、ミニマグネット版を腿の上に置いて指すという息苦しいもの。
近くには立っている客もいて、チビッ子からは奇異な目で見られたらしい。将棋台の太腿が中倉宏美女流二段のそれならまだしも、こんな状況で将棋を指すのは私も抵抗を覚える。私は車窓を楽しみたい。彼らは本当に将棋バカである。
昼食を摂り、またも飲み物とお菓子の買い出し。今回は6,578円だった。これはちょっと、買いすぎたか。
信濃わらび山荘へは、Hon氏のクルマに乗る。密閉空間では、妖しい話のオンパレードだ。
「きょうは鈴木環那の誕生日だな」
と私。
「ほう」
「うん。そんで11月16日が上田初美」
ちなみに11月25日は石橋幸緒女流四段、30日は、人妻・中村桃子女流1級。さらに12月4日・斎田晴子女流五段と続く。
「よく知っているね大沢さん」
「鈴木環那もなあ…」
「…なに」
「オレは本当の鈴木環那が見たいんだよ」
『ハハハハハハ』
「ちょっとそれイヤラシイよ」
「でも言わんとする意味は分かる」
爆笑話でクルマがピョンピョン飛び跳ね、14時前、一行は信濃わらび山荘に到着した。
しばらくして蕨市役所将棋部OB4人も到着。と同時に、大盤と駒も届いた。将棋部OBの皆さんに感謝である。ともかくこれで、合宿参加19人がすべて揃った。
しかし、空模様が変である。天気予報では、あす6日に雨が降ることになっているが、この空では、いつ泣きだしてもおかしくない。雨男である植山悦行七段と私がタッグを組めば、どんな空でも雨を降らせてみせる、というところか。
全員が食堂に集まり、改めて自己紹介。将棋部OBの3人は4月の合宿にも参加しており、見覚えのある顔だ。
14時30分からは「詰将棋トライアル」である。全8問で、3手~5手詰の初級編と5手~7手詰の中級編に分かれている。この合宿の参加メンバーならほぼ全員が中級問題を選ばなければならないが、大半が初級問題を選んだのはズッコケた。
私は強制的に中級問題である。持ち時間20分で、試験開始。10分前後経ったところで、Y氏が8問を解き終えた。ただしY氏は初級問題だ。
Hiは早々と白旗を上げ、表にタバコを吸いにいった。それもまたよしである。
私は8問を解き終えた。すぐさま植山七段の採点に回る。植山七段が「さすがですね」と言った。
19分、Kaz氏も中級問題を解き終えた。しかし時間内の全問解答はここまで。中井女流六段のタイム計測によると、私は12分03秒だった。
このあと初めて、大盤が使われた。植山七段によるミニ講座である。自身の実戦から、ここぞと思う局面をピンポイント解説するのだ。これがまた勉強になった。植山七段の解説は論理的で分かりやすい。
さらに中井広恵女流六段の、矢倉の崩し方講座。持ち駒によって、さまざまな崩し方があるという教えだ。この極意は、矢倉だけでなく、すべての囲いに応用が利く。これも勉強になった。
15時30分からは、再び実戦の開始である。いまさらながら、将棋以外に娯楽の時間がない。
今回は土曜日組が指導対局を受ける。私はIs氏と指す。Is氏とは久しぶりの対戦だ。むずかしい戦いだったが、私が幸いした。
続いて土曜日組のKun氏と対局。難敵Kun氏にはここ最近、勝った記憶がない。わるい将棋はそのまま負け、いい将棋は逆転負けするという最悪のパターンだ。たぶん半年以上、白星に恵まれていないのではなかろうか。
本局はKun氏の十八番・石田流三間飛車。途中、Kun氏に決戦に来られたら私がわるかったが、Kun氏がそれを見送り混戦になった。最後はギリギリ私が残して、久しぶりに勝利。Kun氏に勝つと大きな自信になる。これはうれしい勝利だった。
16時30分。風呂の時間になったので、きのうに続いて一番風呂。表はいつの間にか、雨が降っていた。なんてことだ、と思う。
湯船の中で、いま宏美女流二段は何をしているのだろう、と考える。週末だからバカンス…をしていては、これから勝てない。ヒトが遊んでいるときに勉強をする。これが大事である。そして宏美女流二段は、それを実行していると思う。
入浴を済ませて、Hon氏と一局。これも私が幸いした。さらに早指し戦でR氏と。これも私の勝ち。指導対局は6戦全敗なのに、有志との将棋は8戦全勝。去年と同じパターンだ。
ここで6時すぎになり、最後の夕食。その前に盤駒をコテージに運ばなければならない。外が雨なので、ジャンパーで盤を覆い隠すと、中井女流六段が、
「それじゃ大沢さんが濡れちゃう」
と心配してくれた。中井女流六段は本当に優しい。その心遣いに、涙が出そうだった。
夕食ではちょっとしたトラブルがあったが、まあ事なきを得て、楽しい夕食を摂ることができた。
夕食後はコテージに移り、対局である。木の机は7つあるが、きょうは19人いるので、机と机の間に盤をまたがせるようにして幅を詰め、10面を載せる。
Kun氏とKaz氏の対局が始まった。あずさ杯決勝の指し掛け局らしい。
私は将棋部のK氏と。K氏の先手石田流三間飛車から軽快に攻められ、大苦戦。私は△6九馬から△3六桂の筋を狙ったが、これをT氏が受け損ねて、私の薄氷の勝利となった。しかし苦しい将棋は、勝っても疲れが残る。
あずさ杯はKaz氏が勝ち、2連覇になった。Kaz氏は静かな拍手を受けていた。
続いてFuj氏と再戦。私の三間飛車に、△8六歩~△7五歩~△6六歩と軽快に指され、不利になった。私は駒損の上、△6七との存在が大きい。
△5八銀、と駒を剥がしに来られたところで、バカバカしくなり投了。横で見ていた中井女流六段は、ちょっと投了が早いかナ…との感想だったが、まあ、ダメである。
続いて将棋部のT氏と一局。私の後手三間飛車に、T氏は急戦の構え。そこで私が大山康晴十五世名人を気取って袖飛車に出たが、飛車角交換になり大苦戦。先手は▲8六歩と銀を取り返したが、ここで▲5二飛と王手金取りを掛けられたら、恐らく私が負けていただろう。
本譜は▲8六歩に△6二銀とワキを締めて、一息つけた。それでも私がわるかったが、結果は私が幸いした。
さらに続いて、将棋部某氏と一局。某氏の向かい飛車に私は玉頭位取りに出たが、▲8五歩△同歩▲同飛と決戦を挑まれ、△8四歩と謝ったがそのあとも巧妙に攻めを繋がれ、この将棋こそ本当に負けたと思った。
本譜は玉頭方面に戦いを求めたが、これに某氏がつきあってくれたので、ヨリが戻ってしまった。
△3六桂打に、たんに▲3七玉ならまだむずかしい戦いだったが、▲3六同銀と取ってくれたので、△同桂で一枚カナケが増え、以下は先手玉を仕留めることができた。しかし…。前回も感じたが、蕨市役所将棋部、タダモノではない。
時に21時30分。中井女流六段の呼びかけで、リレー将棋が始まった。
メンバーは、中井女流六段・R・Kaz×植山七段・W・Hon。
私はY氏と一局。私の角落ちだ。Y氏は某所の将棋センターでは四段で指しているが、それにお構いなく、私が勝手に角を引いてしまうのである。
▲9三歩△同香▲9四歩△同香▲8五銀~▲9四銀に、△8四玉とこの銀を取りに行ったのが図々しかった。Y氏にうまく攻めを繋がれ、私は単騎入玉を狙ったものの押し返され、仕留められた。
ただ負けはしたが、角落ちでも十分戦えるという自信を持った。
22時すぎ、私も大野八一雄七段に呼ばれ、ペア将棋を指すことになった。組み合わせは大野七段・将棋部某氏×Kub・一公。
リレー将棋はキャッキャッ笑い声が聞こえるが、こちらはマジメな対局である。相矢倉の格調高い将棋になった。
(つづく)
コメント (2)
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