一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

十四たび大野教室に行く(前編)・Minamiちゃんと初対局

2011-11-29 00:14:51 | 大野教室
19日(土)は朝から雨。きょうは7歳の「めい」の学芸会があったので、朝から板橋区の小学校に出向いた。私はビデオ撮影係。めいはかわいらしくて将来のAKB48だが、自分の娘ではないからいまひとつ気分が乗らない。いつか将棋のイベントで、室谷由紀ちゃんを思う存分カメラに収められたらと思う。

午後から雨脚もひどくなったが、私は「大野教室」に行った。午後2時20分入室。お馴染みの生徒が何人かおり、私も含めて大人5人、子供5人、奨励会員1人の参加だった。なお、植山悦行七段が特別講師として加わっていた。
まず、Fuj氏と指す。相矢倉になった。△5三角△4四銀の局面から、敵角頭めざして△3五歩。これにFuj氏は▲5八飛。私は喜んで△3六歩と取り込んだが、▲2八角と我慢されてみると、次の▲5五歩が厳しい。これは容易ならざる形勢で、己の大局観の悪さに唖然とした。
数手後▲6四歩。ここにと金を作らせるわけにはいかないから△同歩だが、▲7四角と王手飛車をかけられてシビれた。これには△4二玉と立つのがまだしもだったが、私は△5二歩と受ける。しかし▲9二角成△同香のあと、一段目に飛車を下ろされて、受けに窮した。…△4二玉▲6三桂まで、私が負けた。
しかし、どうもよくない。私も矢倉の勉強をしなければならない。でも将棋の勉強はイヤだな。
2局目は大野八一雄七段と角落ち戦。13日に続いて矢倉の作戦を採る。今度は飛車先の歩も無事切れたが、どうも指し手がダサイ。重たいのだ。
大野七段は中央で戦いを起こす。私は▲6五歩と突っ張る。これが局後大野七段に褒められた一手だった。下手にこう強気で来られると、上手が困るらしい。下手にはこのあたりでビビッてほしいんだけど…とのことだった。
私は成り駒を作り、▲7四銀と飛車を責める。
「これは…大沢さんの好きな展開になっちゃったな」
と大野七段がつぶやく。
数手後大野七段、私の歩の頭に△8五桂(打)の非常手段に出た。もし▲同歩なら△同飛▲8六歩に△7五飛、と私の角と指し違え、もう一暴れしてくるつもりだろう。
しかしその順でも指せると思ったので、私も強く迎えうった。実戦もそのように進み、大野七段、▲6五銀取りに△4七角と打つ。これに私が▲6二の成桂を▲5一成桂と入ったのが好手だった。
もし△6五角成なら、▲6二飛と王手馬取りをかけて下手勝ち。以下も徐々に上手王に肉薄し、最後は▲1三香△同王▲1一竜△1二銀▲2二銀△2三王▲1二竜△同王▲1三銀打△2三王▲2四銀成(2八に飛車がいる)まで、下手の勝ちとなった。
私はいつものようなダサイ将棋にしてしまったとクサっていたのだが、大野七段には
「大沢さん好みの手厚い将棋にしてしまって、これはダメだと思いました。本局はこれまでの大沢さんの将棋の中で、一番いい出来だったんじゃないですか? これで私に連勝したし、次からは平角交じり(平手と角落ちを交互に指すこと)で指しましょう」
と、もったいない言葉をいただいた。平角交じりはともかく、私の将棋を「手厚い」と評してくれたのはうれしかった。アマチュアへのホメ言葉では、「手厚い将棋」が最上級ではないかと、私は思っている。
さてきょうもかわいらしいお嬢さんが何人かいた。Akiちゃん、Hanaちゃんのプリティ姉妹に加え、前回に続いてMinamiちゃんがいた。Minamiちゃんは今年5月に行われた「LPSA将棋パーク」で拝見したが、その時より大人びて見えた。聞くところによると、最近髪を切ったらしい。Minamiちゃんは現在中学1年生だが、女子の成長は早い。
そのMinamiちゃんと指すことになった。これはちょっとした好取組である。「おおっ、一公-Minami戦ですか!」という声が上がった。
私の二枚落ちで対局。Minamiちゃんのご両親には日頃からお世話になっているが、それと勝負事は別。私は子供相手でも全力で戦う。それで高校の時の対局をはじめ、何人かの女の子を泣かせてしまったが、私の方針は変わらない。
将棋は、Minamiちゃんの右銀が立ち遅れているのに▲3四歩△同歩▲同飛と来たので、私は△3三銀と図々しく上がる。以下、手練手管で下手を誤魔化してしまった。Minamiちゃんは残念そうだったが、そこはそれ、である。
まだ空きの対局者がいなかったので、Minamiちゃんともう一局指すことにする。
今度はMinamiちゃんも右銀を素早く繰り出して、▲3四歩ときた。これでは△3三銀とは上がりづらく、私は△3三歩。Minamiちゃんは、着々と攻めの態勢を整える。
Minamiちゃんは、級位者にありがちな、文字どおりのノータイム指しや、何を考えてるんだか分からない、謎の長考がない。一手一手、少しずつだが時間を使い、ここぞと思う所は熟考する。考慮時間にメリハリがあって、これは級位者にはない長所である。
丁寧にめんどうを見ていたら、徐々にこちらの形勢が悪くなってきた。Minamiちゃんはサウスポーである。Minamiちゃんの形勢が良くなってきて、駒を持つ手つきも変わってきた。「もうワタシの勝ちですわよ」とばかり、私の駒を中指でポーン、とはじくやサッと駒台に乗せ、空いたマス目にチャッ、と駒を置くのだ。
Minamiちゃんの攻めはやや重いが、着実に上手玉を追いつめていく。なんだかMinamiちゃんの顔が、Hiroeママそっくりに見えた。
最後、Minamiちゃんは豊富な持ち駒があったが、「まだ一公さんとは今後対局があるから」とばかり、あえて上手玉を詰ますことはせず、がんじがらめの必至を掛ける。ここで私は無念の投了となった。く…悔しい!!
私はMinamiちゃんに、
「お母さんより強いかもしれないよ。ここだけの話だけど」
と言った。
後でみんなに聞いたが、Minamiちゃんはこの勝利を、とても喜んでいたそうである。うう…次回は私のリベンジである。Minamiちゃんと次に対局する日を、私は楽しみにしている。
(つづく)
コメント (2)
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