5日(日)は、「大野教室」に行った。駅を出て信号待ちをしていると、うしろから声を掛けられる。Fuj氏だ。時刻は午後1時20分すぎ。いつもは1時に入っている(であろう)Fuj氏、ずいぶん遅いではないか。
聞くとFuj氏、前日の大野教室で植山悦行七段に教えを乞うたのだが、その将棋に惜敗した悔しさから午前3時までその研究に没頭し、今朝は寝坊してしまったのだという。Fuj氏ならではのエピソードといえよう。
もっとも私も、かつてLPSA金曜サロンが終わって帰宅したあとは、その日女流棋士に教えていただいた将棋を思い出して棋譜ノートにつけ、同時に研究をしたものだった。
しかしその習慣は、アフター食事会に参加し始めたのと、棋譜を対局中につけるという行為によって、自然消滅してしまった。
さて、大野教室に入る。玄関の三和土(タタキ)には小さな靴がいっぱいある。ドアを開けると、大野八一雄七段、大人2人、子供5人がいた。奥の部屋には植山七段、大人2人、子供1人。初めて拝見する生徒もいる。きょうも大野教室は大入り満員である。
まず植山七段に教えを乞う。手合いは角落ちだ。
私の居飛車に、植山七段は飛車先の歩突きを保留して△5三銀~△7四歩。このあたりで植山七段に速攻の気配を感じなければいけなかったのだが、私は飛車先の歩を交換してのんびり構える。これがよくなかった。
Wパパが来て、植山七段との指導対局に入った。手合いは平手だ。
局面――。植山七段に△7五歩▲6七銀△7六歩▲同銀から飛車先の歩を交換され、模様が悪くなった。△8七歩と打たれ、これを排除するため▲8三歩~▲8五歩と三連打し▲8七銀と歩を払ったが、これでは丸々の2歩損で苦しい。
ここから植山七段が攻めてくるのかと思いきや、前回の例があるからか、植山七段は△3四歩~△3三銀と、突然自陣を整備し始めた。下手に有力手がないのを見越したもので、これが上手の指し方だ。
ここから私は暴発する。一例を挙げれば、△6三歩・△6四金・△8二飛の局面で、▲7三銀と打った手が悪手。△8五飛▲6四銀成△同歩の結果は、いたずらに上手の駒を捌かせただけだった。
△2五飛と交換を挑まれたが、陣形の差で飛車交換はできず、さりとて歩切れだから泣く泣く▲2六桂だが、こんな桂を打つくらいなら投了するほうがよかった。以下数手で投了。まったく、ヘタな将棋をやってしまった。
どうも、将棋がサビついている。
2局目は美少年と。彼の先手で▲7六歩△3四歩▲1六歩△8四歩▲1五歩。
前回も同じ出だしだったが、彼は四間飛車藤井システムが得意らしい。私は4筋に位を張る。金銀を盛り上げ、十分の態勢になった。
しかし、▲4六歩△同歩▲同金に△4三金上がツッパリすぎた。すかさず▲5五歩と合わされ、チャンバラになっては一遍に形勢を損ねた。
ここはふつうに△4五歩と収め、▲4七金に△4三金上で後手十分だった。先手が膠着状態なのに対し、私は△3一玉~△2二飛~△2六歩など、指したい手がいくらでもある。
ということは、私が優勢だったということだ。
本譜は少年に存分に捌かれ、▲6三角と△7二飛取りに打たれたところで私の投了となった。
私の消費時間は5分ちょっと。W氏がチェスクロックの数字を見て、もう少し考えてくれよ、と苦笑いした。どうも最近、根気がなくなった。
時刻は2時45分。大野七段に教えていただく。私の居飛車明示に、大野七段は6筋に飛車を回し、1歩を交換する。さらに△7五歩▲同歩△同銀。これに▲7六歩では無条件で2歩を持たれて面白くないので、私は▲6五歩と突っ張った。もし△同飛なら▲7六歩で銀得が確定し、これはうまい。
大野七段は△7三桂。▲7六歩△6六歩▲同銀△同銀▲同金△6五桂。この局面が下である。
上手(角落ち)・大野七段:1一香、1四歩、2一桂、2三歩、3二王、3三銀、3四歩、4二金、4三金、4四歩、5四歩、6一飛、6五桂、8四歩、9一香、9三歩 持駒:銀、歩2
下手・一公:1六歩、1九香、2八飛、2九桂、3六歩、4六歩、4七銀、5六歩、6六金、6八角、6九玉、7六歩、7八金、8七歩、8九桂、9七歩、9九香 持駒:銀、歩2
ここで私が次の一手を考えているところで、3時休憩となった。
(つづく)
聞くとFuj氏、前日の大野教室で植山悦行七段に教えを乞うたのだが、その将棋に惜敗した悔しさから午前3時までその研究に没頭し、今朝は寝坊してしまったのだという。Fuj氏ならではのエピソードといえよう。
もっとも私も、かつてLPSA金曜サロンが終わって帰宅したあとは、その日女流棋士に教えていただいた将棋を思い出して棋譜ノートにつけ、同時に研究をしたものだった。
しかしその習慣は、アフター食事会に参加し始めたのと、棋譜を対局中につけるという行為によって、自然消滅してしまった。
さて、大野教室に入る。玄関の三和土(タタキ)には小さな靴がいっぱいある。ドアを開けると、大野八一雄七段、大人2人、子供5人がいた。奥の部屋には植山七段、大人2人、子供1人。初めて拝見する生徒もいる。きょうも大野教室は大入り満員である。
まず植山七段に教えを乞う。手合いは角落ちだ。
私の居飛車に、植山七段は飛車先の歩突きを保留して△5三銀~△7四歩。このあたりで植山七段に速攻の気配を感じなければいけなかったのだが、私は飛車先の歩を交換してのんびり構える。これがよくなかった。
Wパパが来て、植山七段との指導対局に入った。手合いは平手だ。
局面――。植山七段に△7五歩▲6七銀△7六歩▲同銀から飛車先の歩を交換され、模様が悪くなった。△8七歩と打たれ、これを排除するため▲8三歩~▲8五歩と三連打し▲8七銀と歩を払ったが、これでは丸々の2歩損で苦しい。
ここから植山七段が攻めてくるのかと思いきや、前回の例があるからか、植山七段は△3四歩~△3三銀と、突然自陣を整備し始めた。下手に有力手がないのを見越したもので、これが上手の指し方だ。
ここから私は暴発する。一例を挙げれば、△6三歩・△6四金・△8二飛の局面で、▲7三銀と打った手が悪手。△8五飛▲6四銀成△同歩の結果は、いたずらに上手の駒を捌かせただけだった。
△2五飛と交換を挑まれたが、陣形の差で飛車交換はできず、さりとて歩切れだから泣く泣く▲2六桂だが、こんな桂を打つくらいなら投了するほうがよかった。以下数手で投了。まったく、ヘタな将棋をやってしまった。
どうも、将棋がサビついている。
2局目は美少年と。彼の先手で▲7六歩△3四歩▲1六歩△8四歩▲1五歩。
前回も同じ出だしだったが、彼は四間飛車藤井システムが得意らしい。私は4筋に位を張る。金銀を盛り上げ、十分の態勢になった。
しかし、▲4六歩△同歩▲同金に△4三金上がツッパリすぎた。すかさず▲5五歩と合わされ、チャンバラになっては一遍に形勢を損ねた。
ここはふつうに△4五歩と収め、▲4七金に△4三金上で後手十分だった。先手が膠着状態なのに対し、私は△3一玉~△2二飛~△2六歩など、指したい手がいくらでもある。
ということは、私が優勢だったということだ。
本譜は少年に存分に捌かれ、▲6三角と△7二飛取りに打たれたところで私の投了となった。
私の消費時間は5分ちょっと。W氏がチェスクロックの数字を見て、もう少し考えてくれよ、と苦笑いした。どうも最近、根気がなくなった。
時刻は2時45分。大野七段に教えていただく。私の居飛車明示に、大野七段は6筋に飛車を回し、1歩を交換する。さらに△7五歩▲同歩△同銀。これに▲7六歩では無条件で2歩を持たれて面白くないので、私は▲6五歩と突っ張った。もし△同飛なら▲7六歩で銀得が確定し、これはうまい。
大野七段は△7三桂。▲7六歩△6六歩▲同銀△同銀▲同金△6五桂。この局面が下である。
上手(角落ち)・大野七段:1一香、1四歩、2一桂、2三歩、3二王、3三銀、3四歩、4二金、4三金、4四歩、5四歩、6一飛、6五桂、8四歩、9一香、9三歩 持駒:銀、歩2
下手・一公:1六歩、1九香、2八飛、2九桂、3六歩、4六歩、4七銀、5六歩、6六金、6八角、6九玉、7六歩、7八金、8七歩、8九桂、9七歩、9九香 持駒:銀、歩2
ここで私が次の一手を考えているところで、3時休憩となった。
(つづく)