8日(日)の「大野教室」は、講師の大野八一雄七段が所用にて午後3時まで不在。北島忠雄六段が代打に立ったらしい。さしずめ「大野教室」ならぬ「北島教室」である。北島六段には、4月19日の大野教室で大変お世話になった。だから8日は私も、お邪魔すべきだったのだが…。
翌9日(月)は、久しぶりにLPSA芝浦サロンに行った。この日の担当は渡部愛(まな)女流初段。愛女流初段は昨年より女流王位リーグ、女流名人リーグ入りを果たし、先日の倉敷藤花戦では清水市代女流六段を破る銀星を挙げた。いま最もノッテいる女流棋士のひとりである。
先日私は、その愛女流初段ただひとりを対象に、「臨時・勝手にマッカラン勝負」をやった。結果は上記のとおり清水女流六段に勝ち、条件をクリア。見事マッカラン獲得となった。そこで私は芝浦へ行く前に、日本橋へ寄った。もちろんプレゼントを買うためである。
賞品はマッカランでなくともよい。そこで何を選ぶか、センスが問われる。自分が欲しいが、おカネを出してまで買わないものを買った。
芝浦サロンには午後7時半からの予約を入れている。サロンにはその10分前に入った。と、愛女流初段が6面指しをしていたのでビックリした。サロンの指導時間は、6時半~7時半は休憩時間である。それなのに6面指しの最中とはどういうこと? 愛女流初段、休憩なしで進めていたということか。お疲れ様である。
教室の隅でくつろいでいると、手合い係の大庭美夏女流1級が、くじ入りの箱を持ってきた。芝浦サロンは今月をもって休止となる。そこでハズレなしの「ご愛顧感謝くじ」をやっているのだ。
ひとつひくと、「LPSA全女流棋士扇子」が当たった。これは特等に値するのではとよろこんだが、LPSAは来月に移転を控えており、在庫大処分をやったとも考えられた。…などと考えてはいけない。
全棋士扇子は2種類あり、私は紫文字のものをいただいた。小ぶりでおしゃれだった。
「キャーッ」
と黄色い悲鳴が上がる。愛女流初段が痛恨の見落としをやったらしい。あんな素敵な声を上げる女流棋士とこれからお手合わせ願えるとは、期待が高まる。
もっとも私は、藤井猛九段の本を読んでいたら止まらなくなり、このまま読み耽てもいいと思ったのだが、客がひとり抜けたので、いよいよ私が入ることになった。
愛女流初段に指導を仰ぐのは久しぶりだ。先月の将棋ペンクラブ関東交流会でお目にかかっているが、対局となると2011年5月以来で、実に3年ぶりとなる。
「お久しぶりですね」
と挨拶する愛女流初段の笑顔がまぶしすぎる。先月16日の愛女流初段担当のときは8面指しだったというが、その人気は本物だ。さらに愛女流初段、
「ブログ読んでますよ」
とありがたい言葉である。以前私が懐疑的なことを書いたので、愛女流初段が念を押してくれたのだ。実際、愛女流初段が読んでくれているとなれば、キーボードを叩く指にもチカラが入る。和田あき女流3級も当ブログの読者だというし、このふたりがいればほかの読者はいらない…などと言ってはいけない。
「○さんから、(清水さんに勝ったので)お祝いのメールをいただきました」
と愛女流初段。○氏、そんなメールを愛女流初段に送っていたのか。相変わらず抜け目がない。
「きょうはプレゼント買ってきましたから…。(倉敷藤花戦は今後も)勝ち続けると、いろいろプレゼントをする人がいるみたいですよ…」
私は消え入る声でつぶやく。愛女流初段はピンクだか白だかのブラウスを着ているが、まぶしいのでまともに見られない。
対局開始。私の▲7六歩に、△3四歩なら私の振り飛車、△8四歩なら居飛車で行こうと思った。本譜は△8四歩だったので、私は▲6八銀。以下矢倉模様となった。
数か月前から、指導棋士の椅子にキャスターが付いた。愛女流初段はスイスイ移動するが、これは私にとっても有難い。すなわち、立って歩かれると、私の頭頂部を見られてしまうからだ。
愛女流初段はキビキビと指し手を進める。時々おしゃべりも混ぜて、明るい雰囲気だ。
しかし欲を言えば、指導対局以外のテーブルでも一般客の対局が欲しいところだ。少なくとも駒込サロンではそれがあり、室内の活気に繋がっていた。
「次は25日…」
という声が聞こえる。よく勝つ女流棋士には対局がつく。愛女流初段の次の倉敷藤花戦は25日、貞升南女流初段戦だ。これに勝てば同棋戦3連勝となる。ジョナ研メンバーよ、後のマッカランは頼む、というところだ。
盤上は銀桂交換で私の駒損。しかしその桂を自陣に打っている。
「アウ~ン、(大沢さんの陣形、)これどうやって崩すんですかー?」
と愛女流初段がうめく。か、かわいい…!!
先月バトルロイヤル風間さんが、「(似顔絵を描いているとき)愛ちゃんはいろいろな表情を見せてくれる」と私に語ったが、なるほどと思う。カメラの被写体にしたら夢中になってしまう女流棋士だと思う。
徐々にほかの対局が終わり、客が抜けていく。そのたびに私と愛女流初段の精神的距離が近くなっていくようで、ドキドキする。しかしそれに比例するように、私の形勢が悪化してゆく。
対局を終えた客が順ぐりに帰り、ついに客は私ひとりとなった。が、ふたりっきりの対局はさせません、という外野の念が届いたのか、私は投了を余儀なくされた。
まあ実力通りの結果ではあるが、中盤で私が▲5五歩△6三銀の交換を入れなかったのが悔やまれる。その後の△8六歩も、当然▲同歩と取るところ。ここを▲同角と取ったため、後の▲5五歩が利かなくなり、劣勢となったのだ。
ふたりだけの感想戦を続けたかったが、時計を見ると9時2分である。早めに切り上げて私は席を立ち、愛女流初段に賞品を渡した。あっても困らないものなので、使ってくれるだろう。
外は雨が降っているようで、美夏女流1級がビニール傘を貸してくれた。この傘を返すため、私は最後にもう1回、芝浦サロンを訪れる。
きょうは充実した100分間だった。
翌9日(月)は、久しぶりにLPSA芝浦サロンに行った。この日の担当は渡部愛(まな)女流初段。愛女流初段は昨年より女流王位リーグ、女流名人リーグ入りを果たし、先日の倉敷藤花戦では清水市代女流六段を破る銀星を挙げた。いま最もノッテいる女流棋士のひとりである。
先日私は、その愛女流初段ただひとりを対象に、「臨時・勝手にマッカラン勝負」をやった。結果は上記のとおり清水女流六段に勝ち、条件をクリア。見事マッカラン獲得となった。そこで私は芝浦へ行く前に、日本橋へ寄った。もちろんプレゼントを買うためである。
賞品はマッカランでなくともよい。そこで何を選ぶか、センスが問われる。自分が欲しいが、おカネを出してまで買わないものを買った。
芝浦サロンには午後7時半からの予約を入れている。サロンにはその10分前に入った。と、愛女流初段が6面指しをしていたのでビックリした。サロンの指導時間は、6時半~7時半は休憩時間である。それなのに6面指しの最中とはどういうこと? 愛女流初段、休憩なしで進めていたということか。お疲れ様である。
教室の隅でくつろいでいると、手合い係の大庭美夏女流1級が、くじ入りの箱を持ってきた。芝浦サロンは今月をもって休止となる。そこでハズレなしの「ご愛顧感謝くじ」をやっているのだ。
ひとつひくと、「LPSA全女流棋士扇子」が当たった。これは特等に値するのではとよろこんだが、LPSAは来月に移転を控えており、在庫大処分をやったとも考えられた。…などと考えてはいけない。
全棋士扇子は2種類あり、私は紫文字のものをいただいた。小ぶりでおしゃれだった。
「キャーッ」
と黄色い悲鳴が上がる。愛女流初段が痛恨の見落としをやったらしい。あんな素敵な声を上げる女流棋士とこれからお手合わせ願えるとは、期待が高まる。
もっとも私は、藤井猛九段の本を読んでいたら止まらなくなり、このまま読み耽てもいいと思ったのだが、客がひとり抜けたので、いよいよ私が入ることになった。
愛女流初段に指導を仰ぐのは久しぶりだ。先月の将棋ペンクラブ関東交流会でお目にかかっているが、対局となると2011年5月以来で、実に3年ぶりとなる。
「お久しぶりですね」
と挨拶する愛女流初段の笑顔がまぶしすぎる。先月16日の愛女流初段担当のときは8面指しだったというが、その人気は本物だ。さらに愛女流初段、
「ブログ読んでますよ」
とありがたい言葉である。以前私が懐疑的なことを書いたので、愛女流初段が念を押してくれたのだ。実際、愛女流初段が読んでくれているとなれば、キーボードを叩く指にもチカラが入る。和田あき女流3級も当ブログの読者だというし、このふたりがいればほかの読者はいらない…などと言ってはいけない。
「○さんから、(清水さんに勝ったので)お祝いのメールをいただきました」
と愛女流初段。○氏、そんなメールを愛女流初段に送っていたのか。相変わらず抜け目がない。
「きょうはプレゼント買ってきましたから…。(倉敷藤花戦は今後も)勝ち続けると、いろいろプレゼントをする人がいるみたいですよ…」
私は消え入る声でつぶやく。愛女流初段はピンクだか白だかのブラウスを着ているが、まぶしいのでまともに見られない。
対局開始。私の▲7六歩に、△3四歩なら私の振り飛車、△8四歩なら居飛車で行こうと思った。本譜は△8四歩だったので、私は▲6八銀。以下矢倉模様となった。
数か月前から、指導棋士の椅子にキャスターが付いた。愛女流初段はスイスイ移動するが、これは私にとっても有難い。すなわち、立って歩かれると、私の頭頂部を見られてしまうからだ。
愛女流初段はキビキビと指し手を進める。時々おしゃべりも混ぜて、明るい雰囲気だ。
しかし欲を言えば、指導対局以外のテーブルでも一般客の対局が欲しいところだ。少なくとも駒込サロンではそれがあり、室内の活気に繋がっていた。
「次は25日…」
という声が聞こえる。よく勝つ女流棋士には対局がつく。愛女流初段の次の倉敷藤花戦は25日、貞升南女流初段戦だ。これに勝てば同棋戦3連勝となる。ジョナ研メンバーよ、後のマッカランは頼む、というところだ。
盤上は銀桂交換で私の駒損。しかしその桂を自陣に打っている。
「アウ~ン、(大沢さんの陣形、)これどうやって崩すんですかー?」
と愛女流初段がうめく。か、かわいい…!!
先月バトルロイヤル風間さんが、「(似顔絵を描いているとき)愛ちゃんはいろいろな表情を見せてくれる」と私に語ったが、なるほどと思う。カメラの被写体にしたら夢中になってしまう女流棋士だと思う。
徐々にほかの対局が終わり、客が抜けていく。そのたびに私と愛女流初段の精神的距離が近くなっていくようで、ドキドキする。しかしそれに比例するように、私の形勢が悪化してゆく。
対局を終えた客が順ぐりに帰り、ついに客は私ひとりとなった。が、ふたりっきりの対局はさせません、という外野の念が届いたのか、私は投了を余儀なくされた。
まあ実力通りの結果ではあるが、中盤で私が▲5五歩△6三銀の交換を入れなかったのが悔やまれる。その後の△8六歩も、当然▲同歩と取るところ。ここを▲同角と取ったため、後の▲5五歩が利かなくなり、劣勢となったのだ。
ふたりだけの感想戦を続けたかったが、時計を見ると9時2分である。早めに切り上げて私は席を立ち、愛女流初段に賞品を渡した。あっても困らないものなので、使ってくれるだろう。
外は雨が降っているようで、美夏女流1級がビニール傘を貸してくれた。この傘を返すため、私は最後にもう1回、芝浦サロンを訪れる。
きょうは充実した100分間だった。