一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2013年12月の九州旅行・4

2014-06-08 00:23:07 | 旅行記・九州編
熊本から佐世保へ向かうのに、島原半島を横断したのでは全然間に合わない。佐世保には昼ごろ着きたいのだ。必然的にJRを利用することになるが、普通列車の利用でも3,000円以上かかってしまう。きょうはそこから川棚~長崎駅に向かうので、さらに支払いが発生する。
この出費を抑えるため、私は「青春18きっぷ」を買うことにした。同きっぷは11,500円で、1月上旬まで任意の5日間、全国のJR普通列車に乗れる。これなら1日あたり2,300円の出費で済むわけだ。問題は、きょう1回使っても残り4日間使わなければならないことだが、それは年末にでも使おうと思った。金沢や福井あたりをのんびり旅するのもいい。
熊本駅まで徒歩で向かい、青春18きっぷを買う。さらに鳥栖-佐賀間の特急券+乗車券(合計1,320円)も買った。青春18きっぷで優等列車に乗る場合、別に普通乗車料金も必要となるので、注意が必要だ。
熊本発07時25分。列車の中で一息ついたが、またまたいろいろあって、佐世保に行くのは止めることにした。この辺の事情はもちろん合理的な説明が付くのだが、それをここに書いても詮無い。
09時05分、鳥栖着。窓口で特急券と乗車券の払い戻しをする。もう急ぐ旅ではないので、特急列車は必要ないのだ。しかし手数料を420円取られた。まったくいまいましい。
09時21分発の長崎本線に乗り、09時47分佐賀着。とりあえずここで観光しようと、駅中の観光案内所で聞く。
「佐賀城跡と佐嘉神社以外で何か見所はないでしょうか」
「それ以外ですと…」
お嬢さんが言葉を詰まらせてしまった。私はどちらも観光していたから外したのだが、どうも意地悪な注文になってしまったようだ。ややあって「(列車で移動してもよければ)武雄温泉がありますよ」
と返された。
武雄温泉はむかし利用したことがあるし、また温泉かという気もするが、お嬢さんのおすすめに従うことにした。
次の列車まで時間がある。と、駅構内にあるデパート「デイトス」の一隅で、ミニ祭りが始まった。ちびっこ諸君が太鼓などを叩く。こういうタダのイベントには目がない。喫茶店で時間をつぶそうかと考えていたが、これはグッドタイミングだった。
ちびっこ諸君のパフォーマンスに感心し、佐賀駅のホームに上ると、焦げ茶色の車両が連なっていた。こ、これは…ななつ星じゃないか!!
「ななつ星in九州」は、JR九州が運行する日本初のクルーズトレインで、その高級感あふれる車両とそれなりの利用料金は、鉄道マニア垂涎の存在である。今年(2013年)の10月に運行を開始したばかりで、きょうはたまたま佐賀駅で観光停車していたのだろう。
傍らのおばちゃんが、「これ、あの、あれ?」と聞くので、「そうです、ななつ星です。この列車に会えるのはラッキーですよ!」と答えておく。おばちゃんはケータイで撮影していた。
我が列車は11時27分(3分遅れ)発。11時40分(1分遅れ)に、肥前山口に着いた。すぐ佐世保線に乗り換え、11時57分発。武雄温泉には12時13分に着いた。
やはり駅中の観光案内所で聞くと、武雄温泉のほかに、全国で6番目に大きな樹木を擁する武雄神社と、スケールの大きな武雄市図書館を教えられた。
まずは武雄温泉である。駅から徒歩15分と至近距離にあり、鉄道利用者には絶好の観光地である。がその前に腹ごしらえである。
温泉への中途に中華料理屋があったので、入る。チャンポンを頼む。九州に来てからほとんど麺類しか食べてないが、ひとり旅だから誰に注意されることもない。
出されたチャンポンは確かな味で、美味かった。
武雄温泉に着く。玄関口の楼門は大正時代の建立で、竜宮城にそっくり。小田急電鉄・片瀬江ノ島駅と同じ趣がある。
門をくぐると、その先に元湯があった。しかし観光客でいっぱいだ。ほかに蓬莱湯もあり、どちらも400円だが、あまりにも混んでいる。
そこで、露天風呂がある鷺の湯に入ることにした。こちらは離れに建てられており600円でちと高いが、プチ贅沢である。
温泉は無色透明。美肌の湯らしいが、どうだろうか。露天風呂は湯船が表に出たというだけで、タイル張りである。いささか趣は薄れるが、気持ちいい温泉ではあった。
表では白牛乳が売られていたので、条件反射的に買う。120円。
「白牛乳 腰に手をあて イッキのみ」

佐世保線の線路をくぐり、武雄神社に向かう。「棟方志功展」の看板があるが、どこで展示されているのだろう。
神社に着いた。階段を上がると美しい本殿がある。お賽銭をほうるが、スタッフが見当たらず、御朱印がもらえなかった。
巨木のある裏山に向かう。私の前には高校生のカップルがいる。彼らについていく形で緩やかな山道を登っていくと、巨大な楠が見えた。これが樹齢3000年「武雄の大楠」である。
有名な巨木といえば屋久島の屋久杉があるが、ここも無名(失礼)ながら風格がある。木の根元は洞(うろ)になっていて、そこに繋がる石階段が設置されている。しかし大楠全体が柵で覆われ、中に入ることはできない。その場に佇んでいると精霊が宿っているようで、何かを諭してくれる。私はただ合掌するのみであった。
きょうは川棚着17時前が絶対なので、けっこう時間が厳しい。ただ駅への帰り道に武雄市図書館があったので、ここにも寄ってみた。
外観は斬新かつ広大で、この図書館はタダモノではないと直感する。中に入ると多くの書棚があり、しかもTSUTAYAが同居していた。ここは本を借りるところなのか、買うところなのか。分からないのがスターバックスも入っていたことで、ここは何の施設なのかと混乱した。まあしかし、素晴らしい施設であったことは確かだ。
温泉、神社、図書館と、ここ武雄はなかなか奥が深かった。しばらく歩くと、例の「棟方志功展」の看板があった。しかしよく見ると、その会場が「武雄市図書館」、しかも無料とあったのでズッコケた。
もう時間がないが、私は踵を返した。
(つづく)
コメント (3)
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