一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

北海道冬まつり2014・7「夜の小樽を(ひとりで)歩く」

2014-08-09 20:35:44 | 旅行記・北海道編
「特急はぼろ号」は一応指定席制で、ほかにも空席はたくさんあった。女性はどこでもいいと思って座っていたのだろう。私は彼女が隣でも歓迎だったが、彼女はやっぱり、別の席に移った。
私はローカル線の旅が好きだが、バス旅も好きである。ことに大型バスは景色もよく、快適だ。
「はぼろ号」は定刻19分遅れの18時34分に、札幌駅前バスターミナルに着いた。ずいぶんな遅れだが、冬の北海道ではやむを得ない。運休しないだけいい。
さっぽろ雪まつりの観光はあす11日を予定しているので、まだ札幌市内では泊まらない。冬まつりの観光は、夜がいい。この時間を有効に活用する者が旅の勝者となる。
私は快速エアポートに乗って、小樽方面に向かった。さすがにこの時間では乗客が多く、手稲までは立っていった。
定刻を5分遅れの19時18分、南小樽で下車した。きょうの宿は、駅前にある「角松旅館」を予約している。これといった特色はないが、宿のおばちゃん(たち)が気さくとの話だ。
駅から徒歩1分なのになかなか見つからないのは、街が意外に暗かったから。しかし宿は見つかり、3階の18号室を案内された。私の誕生日で、縁起がいい。
私は荷物を置き、すぐに宿を出る。ここで落ち着いてしまうと、表へ出るのが億劫になる。
急な坂道をそろそろ下りると、小樽オルゴール堂が見えてきた。もちろんもう閉まっていて、あたりは静かだ。道道17号に出て左折し、しばらく歩くと、小樽運河が見えてきた。
現在は「小樽雪あかりの路」を開催中だ。私が冬の小樽を訪れるのはちょうど2年ぶりで、そのときはひょんなことから、女性の同行者がいた。
運河に浮かぶ玉キャンドル、運河沿いのミニ雪像、何もかもが素晴らしく見えた。彼女といることが本当に楽しく、私の半生を顧みて、あの日が最高の1日だった。
今年の私はひとりだが、気を遣わない分、気はラクだ。ちょっとさびしいが。
今年も大勢の観光客が、運河を撮影している。どうってことのない運河になぜこんなに人気があるのか分からぬが、運河の絶妙のカーブ、倉庫群のノスタルジーが、旅人の旅情をかきたてるのだろう。カメラのない私は、肉眼に記憶するしかない。
ハート形のオブジェには人が並んでいる。中にカップルが入って、記念撮影をしているのだ。2年前の私はどうだったか。一応、それらしいことはした。まったく、夢のような1日だった。
運河のキリのいいところで左折して、小樽駅方面へ坂を登っていく。その途中、小樽雪あかりの路の、もうひとつのメーン会場があった。1985年に廃線になった旧手宮線跡地で、線路の敷地内には、アイスキャンドルや雪だるまが飾られている。
同イベントは派手な演出はない。小樽運河にしても、極論すれば、運河に玉キャンドルを浮かべているだけだ。しかし、温かい灯りに、人が集まる。
私は旧手宮線に入る。ここは秋のある日、廃線跡探訪をしたことがある。ここは南小樽から分岐した2.8キロのみなので、全線踏破はラクだった。
そこがいまは、多くの観光客で賑わっている。スノーオブジェ、雪のトンネル、パールキャンドル…。ぶらぶら歩くだけでも、ロマンチックな気分に浸れる。
私はそのまま、寿司屋通りに出た。そろそろ夕食を摂りたいところである。たぶん、この辺の寿司屋が、ガイドブックに出ているのであろう。
しかし私はグズグズして、入らない。そのまま歩くと、函館本線の高架が見えてきて、私は「幸寿司」という寿司屋に入った。ここはガイドブックに載っていない気がする。
中はカウンター席とテーブル席があった。私はカウンター席に座り、にぎりを頼む。傍らのテレビでは「ネプリーグ」をやっていたが、あんまり真剣に観ると、帰宅してからの楽しみがなくなる。
カウンター席の特権で、大将がにぎってくれた寿司が、順番に出てくる。まず、いか、マグロが出てきた。いかを頬張るが、やわらかくて、うまい! 数年前、広島の回転ずし店で食べたいかもうまかったが、こちらも同等かそれ以上だ。
いかがうまければ、あとのネタもうまいのは保障されたようなものだ。さらに4貫でて、とびっこ、イクラで〆。どれもネタが柔らくて、とろけるようだった。
昨年の名寄の寿司屋もそうだったが、家族経営の寿司屋は生活がかかっているから、うまい寿司を出す。8貫1,785円。きょうも大いに満足し、帰り際奥さんに「おいしかったです、感激しました」と述べさせていただいた。
そのまま歩くと、ガード下にやはり寿司屋があり、「寿司処きた屋」は、10貫1,575円だった。しかもこちらは、幸寿司になかったウニがある! がまあこれは、結果論であろう。きた屋は来年以降の楽しみにとしたい。
そろそろ南小樽駅が近くなってきた。と、和菓子屋「新倉屋」がまだ店を開けていたので、入る。和菓子は職人の技術を目にできて、廉価なのがよい。
こごみ餅(105円)、大福餅(126円)を買って、食べ歩き。これが至福の時間である。
宿がまた分からなかったが何とか見つけ、シャワーを浴びると、その晩はぐっすり眠った。

翌11日(火・祝)。きょうはいよいよさっぽろ雪まつりの観光であるが、すぐには戻らない。私は昨夜と同じ坂道をくだって、小樽オルゴール堂のところに出た。
そこを左折すると、小樽観光のメインストリートである、堺町通りとなる。北一硝子各店、北菓楼、LeTAOなどの洋菓子店、寿司屋の数々、趣のある建物など、そぞろ歩きにもってこいだ。
私はここでお土産を買うつもりだ。だが誰に買うのか? 10分で分かれば、三段。
(つづく)
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