一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

新年最初の大野・植山教室(後編)

2015-01-14 01:04:17 | 大野・植山教室
時刻は午後5時をとうに過ぎている。きょうの生徒は大人8人、子供4人。常連のHon氏は顔を見せなかった。やはり年始は忙しいのだ。
なお大野八一雄七段は夜に用事があるとかで、きょうは6時過ぎで閉める。私も帰宅してもいいのだが、食事会があるので中抜けは不義理だろう。
と、私の手持無沙汰を見てか、W氏が将棋に誘った。
W氏は指し将棋から引退しているが、たまに実戦を指すことがある。その実力は、大野・植山両七段から定跡講義を受けているせいか、中盤までは実にしっかりしている。
惜しむらくは終盤で、時間に追われたりすると、筋が見えなくなる。これが改善されれば、即四段である。
私も応じ、久しぶりのW-一公戦が始まった。
将棋はW氏の角交換四間飛車。氏はゴキゲン中飛車と石田流を得意にしているから、これは珍しい。私は銀冠に組み、△5四歩と突いた。
おっ!? とW氏。鋭い反応で、確かにちょっと失敗した。角交換に5筋を突くな、の教え通り、ここは△6四歩とするところ。△5四歩を突いたために6一金が動けなくなり、その前に△2五歩も入れなければならなくなったからだ。
W氏、▲8五歩△同歩▲同飛とぶつけてくる。こんなもの、気合で△同飛としたいが、さすがに無理だ。泣きの涙で△8四歩と我慢した。
W氏は銀も捌き、いよいよ好調。
「ここまでは不満のない形になっている」
「オレもこっちが悪いと思う」
とふたりの意見が一致した。数手進んでW氏▲9一竜に、私は△5五角から飛車角交換に持ち込んだが、テキの美濃囲いは固く、攻めるのは容易ではない。
私は△3五桂と打ち、△2六香と歩頭に打つ。これを▲同歩なら△同歩でプレッシャーをかけるというものだが、ややハメ手のケもある。ここは持ち駒の香を温存して、ふつうに△2六歩と突くのだった。
ここで植山悦行七段が観戦に来た。W氏は▲5一飛と△5三馬取りに打つ。盤上には▲2四桂があり、W氏の持駒は角、金、銀…といっぱいあるから、後手はほぼ受けなしだ。
それでも私はW氏の寄せ間違いを期待して△4二銀と打ったが、▲1一飛成で投了となった。以下は△同玉に▲1二金まで。
こんな基礎的な手筋をうっかりするとは…。私も弱いが、W氏も強い。W氏は初段を名乗ってもいいのではないか。
「大沢さん、香一本強くなるって、どうやるんですか」
とFuj氏。「(それは)二段階強くなるってことですよ」
「……」
もうこのことはほっといてほしい。

時刻は6時を過ぎ、これにて新年最初の教室は終了である。食事会は植山七段、W氏、Fuj氏、Shin氏、Ok氏、私の参加となった。
駅近くのデパート内にあるインドカレーの店で食事。食後もダラダラ談笑していたが、長居は味が悪いので、とりあえず店を出る。Fuj氏は帰りたそうだったが、ファミレスでお茶をすることにした。
植山七段とW氏は内輪の話があるとかで、ちょっと離れたところに座る。
私たちは将棋談義である。
「(きょうの大野先生と一公さんの将棋は)▲6九玉型だったから飛車交換ができずにマズかったんですね。私ならとっとと▲8八玉と入っている」
とFuj氏がShin氏とOk氏に言う。仰る通りで、つまらない将棋にしてしまった。
戦術の話になる。Fuj氏、
「大沢さん(の指す振り飛車)は急戦に弱いから…。私は▲4五歩~▲3五歩でボコボコにしました」。
これは私の聞き間違いではない。当事者が隣にいるのに随分な言いようだが、これを私はすでに10回以上は聞いている。
確かにFuj氏は▲4五歩~▲3五歩を得意にしていて(というか、急戦はこれしか指さない)、私は何度も痛い目に遭っている。しかし私も学習し、おととしの秋だかに蕨将棋教室で指したときは、私も善戦した。
このときは私が▲9五角と△8四飛取りに打ったのだが、すぐに▲8四角△同銀▲8一飛とすればよかったものを、7三の地点で飛車角交換をしたため▲7一飛と打てず(△4四馬がいた)、私が惜敗した。
しかしこのときの将棋を「ボコボコにした」と形容されては敵わないから、さすがに質してみた。
「いえ、私が言ってるのは、合宿で指したときの将棋です」
「合宿?」
「そう、中井先生が、大沢さんの投了が早いって言ったやつです」
ああ…。あれは、私が中盤でダメにして、早投げしたときのものだ。しかしそれは、2012年以前に指したものである。このときの将棋を、ついこの前指した将棋のように吹聴されても困ってしまうが、まあ勝てない私が悪いのだから、我慢するよりない。
「17日、(教室に)来てくださいよ!」
とOk氏が私に叫ぶ。
きょうの二枚落ちの敗戦がよほど悔しかったらしく、宣戦布告である。その意気やよしだが、でも私の方がちょっと、17日は行けない感じだ。

この後は植山七段らと合流し、結局11時半過ぎまでおしゃべり。私は今年からダイエットを予定していたのだが、ふつうにジュースを飲み、アイスを頼み、全然誓いを守れなかった。
今年も私の前途は多難である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする