一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

1月27日の東十条囲碁将棋サロン(前編)

2015-01-30 00:12:44 | 東十条囲碁将棋サロン
27日(火)は、「東十条囲碁将棋サロン」に行った。同サロンはその名の通り東十条にあり、駅北口から徒歩1分と近い。駅構内に隣接しているので、雨の日も大丈夫だ。
席料は1日800円、午後6時からは夜間料金で600円となる。毎月第2、4火曜日には植山悦行七段か大野八一雄七段が来席し、午後5時からは級位者を対象に、7時からは段位者を中心に指導を行う。級位者には講座、段位者には実戦が中心となる。こちらは席料込みで月5,000円(1回・2,500円)となる。
場所的には好アクセスなのだが、なぜか将棋客が少ない。囲碁客に押されっ放しで、ふだんは閑古鳥が鳴いている。閑静な住宅街にあったLPSA駒込サロンの繁盛を思えば、ここもプロデュース次第では盛り返せると思うのだが、どうもうまくいっていない。
サロンには5時50分ごろ入った。室内では級位者のKi君とTsu氏が植山七段に講義を受けていた。私は談話スペースで棋書を読む。きょうは口内左上の歯根から苦い汁がにじみ出て、1日不愉快だ。これは6月を待たずして抜歯か…と思うと、将棋を指すのも憂鬱だ。
しばらくするとスタッフのW氏が来て、ケータイを取り出し、将棋の話を始めた。どうも、携帯中継の一局についてだった。W氏、中継の会員なのか!? この行動、まさにFuj氏を彷彿とさせるが、W氏、こんなに将棋が好きだっただろうか。

時刻は6時をとうに過ぎたが、ほかに客は来ない。W氏が見かねて、私に対局を申し出た。
W氏は指し将棋から引退しているが、いろいろ気を遣っているようだ。
W氏の先手で、W氏が石田流の作戦を明示したところで、Fuj氏とS君が来た。こうなればW氏はお役御免、私とS君が指すことになった。Fuj氏はW氏と内輪の話となった。
こちらは振り駒でS君の先手。昨夏までは私がふつうに角を落としていたが、いまは振り駒でまったく違和感がない。子供の成長は恐ろしいほど早い。
▲7六歩△3四歩▲2六歩△3四歩。ここでS君が▲2五歩と来た。矢倉党のS君には珍しい「横歩取り辞さず」で、もし▲6六歩なら私は△8五歩▲7七角を決め、原始棒銀を採る予定だった。
▲2五歩以下は△8五歩▲7八金△3二金▲2四歩△同歩▲同飛。ここで私が涼しい顔で△2三歩と打ったら、S君が考えてこんでしまった。その結果、▲2六飛。ここは▲3四飛と取ってほしかったが、さすがに旧定跡は勉強していなかったようだ。
私が「鎖鎌銀」を目指すと、S君は玉を右に移動する。私は金銀三枚を密集させたが、▲6六飛に△5二玉と寄らされたのは失点。とはいえここでは自信があった。

以下の指し手。△8四角▲2四歩△6六角▲同歩△5九飛▲7八角△2六歩▲同銀△2七歩▲同金△4九飛成▲3九角△4七竜▲4八歩△4五竜▲3六歩△2五歩▲3七銀△9五竜▲9六歩△8四竜

S君は▲5六歩で、飛車の逃げ場がない。私は誘われるように△8四角と打ったが、これはつまらなかった。△5四歩とでも突いておくのだったか。
私は△5九飛。これで後はどうとでもなると思ったのだが、S君の▲7八角が好打だった。
これで△5六飛成を防がれてみると後手がけっこうつらい。私はごまかし気味に△2六歩だが、▲1八銀と逃げられたら、指す手が難しかった。
本譜は私が生き延び、△4九飛成に▲3九角と受けざるを得ないようでは、やっぱり先手苦戦だ。しかしこの後の私の指し手がヒドかった。
△4五竜と引き揚げるのはやむを得ないとして、▲3七銀に△9五竜と横っ飛びしたのが悪手。以下△8四竜まで、二枚飛車がおかしなことになってしまった。
△9五竜では当然△3四竜とし、△2四竜と歩を払うところ。これなら後手優勢だった。
実戦はS君の指し手がのびのびし、私は3九角の利きを恐れて△8三竜と引くなど、震えまくっている。むしろ先手を持ちたい感じとなった。
左ではTsu君とKi氏が実戦を始めた。また奥では、Fuj氏が植山七段に挑んでいた。
私の方は最終盤である。

以下の指し手。△3三同金▲同角成△同玉▲4五銀△2六歩▲5四銀△2七歩成▲同玉△4九角▲3八歩△2六歩▲同玉 まで、S君の勝ち。

▲3三歩成に私は△同金と取ったが、△5一玉と逃げるのだったか。しかし局後の検討では▲4五銀と出られ、後手に指す手がなかった。
さて△3三同金の局面で、面白いことが起こる。S君が3三の金を自分の駒台に乗せ、「5六の角」をつまみ上げたまま、固まってしまったのだ。その時間10数秒。
もちろん角の利きがねじれており、この手は指せない。私がたまらず駒台の金を戻すとS君は我に返り、▲3三角成を着手した。そして▲4五銀。私は△2六歩。またもまやかしの△2六歩だ。
果たしてS君は▲5四銀と竜を取った。ここでは▲2六同金で負けだと観念していたので、チャンスが到来した。
ところが、△4九角が大悪手。これでいままでの苦労を水の泡にした。
△4九角では、一本△2六歩と叩くところ。これにA▲同玉は△5九角▲3七歩△2五歩▲2七玉△2六金以下詰みなので、B▲2八玉かC▲3八玉だが、B▲2八玉は△2七金▲3九玉△3八金打▲同角△同金▲同玉△2七角▲4八玉△5四角成でどうか。またC▲3八玉も△2七角▲3九玉△4九金▲2八玉△3八金▲同角△同角成▲同玉△2七角▲2八玉△5四角成となり、いずれも後手が負け形ではあるが、もう一波乱あったと思う。
再度の△2六歩は考えていたのだが、即詰みがないので△4九角から入ったら、こちらこそ全然詰みがなく、投了のやむなきに至ったという次第。
S君、この将棋を勝つとはすごい。とはいえ…。中盤△4五竜の局面から、後手が負けますかねえ。本譜は先手の8八銀がヒドかったが、後手の8二飛もそれ以上にヒドかった。何しろ、序盤の△8二飛から一手も動いていない。これでは勝てない。
こりゃダメだ…と、私は呆れたのである。
(つづく)
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