一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

1月18日の大野・植山教室(中編)

2015-01-27 01:00:16 | 大野・植山教室
ここで3時休みになり、W氏が来た。やはり手合い係がいないと、対局がスムーズに進まない。
「この前の大沢さんとの将棋、珍しく最後まで並べられたよ」
とW氏がいう。先日W氏が快勝したやつだが、わざわざ並べ返すとはW氏らしくない。やっぱりW氏も、将棋バカなのだ。
パソコンには女流名人戦第1局が映し出されているが、里見香奈女流名人がうまく指している。休場中でも棋力は衰えなかったようだ。
こちらも対局再開。3局目は、Honma君と指すことになった。Honma君とは私が駒落ちで指すことが多いが、いつも私が苦戦していて、平手の手合いが妥当と感じる。W氏もその辺は心得てか、今回は平手の手合いにしてくれた。
Honma君の三間飛車に、私の急戦。しかしこの指し方が雑で、Honma君にうまく捌かれてしまった。
中盤の難しいところで、ドイツ在住のフランクさんが見えた。フランクさんは本国で大学教授を務める、将棋のアマ強豪(優に四段はある)であり、植山悦行七段、大野八一雄七段らと交流がある。日本語も堪能で、日本と外国の架け橋として、フランクさんの存在は貴重だ。
フランクさんはたいやきを差し入れてくれ、私たちはしばし、たいやきブレイクとなった。
局面。こちらの分が悪いが、Honma君は秒読みにやや弱い。そうなればこちらに勝ちが転がり込むと思いきや、いつまで経ってもHonma君の指し手は確かだった。
私が何とかついていく形で、終盤を迎えた。

以下の指し手。▲2二金△同玉▲4二竜△3二金▲6六馬△4四歩▲3一銀△1三玉▲2二銀打△2四玉▲2六香△2五桂▲同香△同馬▲4四竜△3四歩▲3六桂
以下、Honma君の勝ち。

Honma君が玉の逃げ方を間違え、ここでは逆転していると思った。
Honma君は王手ラッシュをかけてくる。私は△2四玉と逃げ越し、Honma君は▲2六香。ここで私が間違えた、本譜は△2五桂と逆王手をかけたのだが、Honma君に▲同香から▲4四竜と活用され、再び形勢が逆転した。
以下私も粘ったが、先手は▲3六玉と逃げだした形が広く、先手の勝ちは動かない。
最後は▲2六歩と詰めろで打たれ、この形が駒柱。実際指す手がなくなり、ここで私は投了した。
大野七段を交えた感想戦。▲2六香の局面は、私が自身で指摘したのだが、△1四玉とよろけるのだった。▲1五歩には△同玉と取り、これで後手が勝ちっぽい。以下▲2八玉の王手には今度こそ△1六桂の逆王手で、A▲同香△同馬は馬の力が強く後手の勝ち。
よってB▲3八玉だが、△5八飛成▲2八香には、△2七銀(→大野七段の指摘)▲同香△4七桂成までで後手勝ち。つまりいずれの変化も、後手に利があった。
対局中に△1四玉は浮かんでいたのだが、つい△2五桂で先手を取るほうを優先させてしまった。この辺が私の甘いところ。終盤は的確に読まなければならない。
ともあれリーグ戦でこの負けは痛かった。5敗目を喫し、今回の優勝はなくなった。
4局目はHanaちゃんと。お姉さんは現在、マイナビ女子オープンで大旋風を巻き起こしている。Hanaちゃんも続かなければならないが、焦らないことだ。
さてHanaちゃんは今年の女流アマ名人。前日の湯川恵子さんに続き、2日連続で女流アマ名人経験者と指すことになったわけだ。
Hanaちゃんは先手中飛車で来た。私は玉頭位取りに出たが、その前の△8五歩・△6四歩との整合性がなく、作戦負けに陥った。事実Hanaちゃんが攻めつぶせる手もあったのだが自重し、互角に戻った。
…と思ったのも束の間、Hanaちゃんに攻めを再開され、あっという間につぶされてしまった。
Hanaちゃん、私が負けて言うのもなんだが、将棋に手厚さが出てきた。私が敵わなくなるのも、時間の問題であろう。
大野七段はHon氏と対局中だったが、私も入れていただく。大野七段は、1日で複数回将棋を教えてくれることがままある。これはサービスのしすぎだと思うが、これも教室の特長である。
本局も角落ちだが、毎回居飛車では能がないので、今回は三間飛車に振ってみた。
私は▲6八の角を▲5九~▲4八とし、△8四金に狙いをつける。ここ、すぐ▲5七角だと△5五歩を気にしたからだが、考えすぎだった。
本譜は▲6五桂と跳んだが、桂の入手を見越して△1五歩としたのが上手の技。▲同歩と取るよりないが、△1七歩▲同玉△1一飛とされ、下手まずくなった。下手は▲4八角が壁になっているのが痛い。
以下△6五銀から△1六桂と打たれ、私も粘ったのだが、結局土俵を割った。
感想戦。▲6五桂が勝ち気に逸った疑問手で、ここは▲2六歩と、自玉の懐を拡げるところだったらしい。振り飛車党には当然の手なのだろうが、私には全然発想がなかった。
「大沢さんなら跳ねてくると思いました」
…。すっかりこちらの手の内を見透かされている。駒落ちの将棋では下手も我慢が大事なのに、つい自分から動いてしまう。ここでどっしり構えられるようなら、もう一段上の将棋になるのだろう。
ここまで5局指して、1勝4敗。植山七段に平手で緩めてもらってから、全然勝てない。これでは植山七段の立場がなく、私は申し訳ない気持ちになった。
(つづく)
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