一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第3回宴会将棋(1)

2015-09-06 00:09:26 | 宴会将棋
4日(金)は、埼玉県蕨市で、第3回・宴会将棋があった。
最近、家の仕事が少し忙しくなって、残業をする雰囲気もあるのだが、月に1度の将棋の会は大事にしなければならない。張り切って参加した。
午後6時に仕事を終え、蕨に向かう。場所は前回と同じ、居酒屋「松祥」である。6時50分ごろ、前回と同じ入口横の個室に入ると、先客が揃っていた。すなわち、植山悦行七段、Hon氏、Ok氏、Kun氏、Tod氏、Hos氏の6人である。多彩だが、前回のメンバーにKun氏が加わった形だ。Kun氏とは久しぶりだが、元気そうで何よりである。
と、挨拶もそこそこに
「あ、大沢さん、やばい!!」
とTod氏が慌てた。テーブルにはすでに飲み物とつまみが揃い、将棋盤も1面が出ていた。みんな、何時から集まっていたのだろう。
Tod氏はKun氏と平手戦を指していたが、それを私に見せたくないようである。見たところまだ中盤戦で、Tod氏の振り飛車にKun氏の居飛車舟囲いだ。
これでどうしてTod氏が慌てるのか? よく見たら、Kun氏の馬が9九にいるのに、Kun氏の持駒には角がある。すなわち角桂香と銀の交換で、Tod氏の駒損。しかも振り飛車側の飛車が2五に蟄居している。Tod氏、つまらない将棋にしてしまったようだ。これでは、私にバカにされても仕方ない。
実際将棋も、投了となったらしい。
テーブルには「煮込み」が乗っている。
「(前回の)大沢さんのブログを見て、美味しそうだと思って(注文しました)」
とKun氏。私もちょいといただくと、やっぱり美味かった。
私には生ビールが運ばれてきた。私は飲めないが、喉が渇いている時の最初の一口は美味いと思う。
「宴会将棋」での植山七段の役割は「解説」なので、この将棋もそうする。初手から始め、私もその将棋を見て「ほっほー」「なるほど」「あっ、そう指しますか!」と繰り返す。そうやって投了までが再現された。Tod氏、相変わらずうまく崩壊するものだ。
続いて、Ok氏とHos氏が、以前指した将棋を並べる。もちろん植山七段の解説付きである。Ok氏、石田流から▲6六銀型にしたが、▲7六飛型との相性はよくない、と植山七段の解説だった。
実戦に戻り、今度はKun―Ok戦が指される。通常はKun氏の駒落ちだが、特別に平手となった。
Ok氏の石田流に、Kun氏の居飛車。Kun氏は振り飛車党だから、このくらいのハンデは付けないとしょうがない。
もっとも、Kun氏は居飛車も巧妙に指すのだが。
Ok氏が▲3六飛と回った。Kun氏は角を換わって△3三玉(第1図)。

Tod氏が文庫本の棋書を読んでいる。中を見たら、升田幸三の石田流の本だった。ちょうどこの本の中に、現局面と似た局面が載っている(はずだ)。しかしそれは▲1七歩型で、実はそれが大きな相違なのだ。
本には▲7七角△4四角▲同角△同歩▲3四飛△同玉▲1六角△3三玉▲6一角成の強襲が紹介されている(はずだ)が、本局では▲1六角が打てない。だからOk氏が考え込んでしまった。
それを眺めていたTod氏、私に将棋を申し込んできた。もちろん望むところではあるが、私が駒を触ったのは前回の宴会将棋以来。将棋の記事もほとんど読んでおらず、ちょっと感覚がサビついているかもしれない。
私の二枚落ちで、対局開始。初手△6二銀から△2二銀まで、ふつうに指す。上手の変化球として△5五歩止めなどがあるが、最近はふつうに指して下手を負かすのが上手のたしなみと思うようになった。
Tod氏は銀多伝を目指しているようだ。私は歩越しに△6四金。次に△7五歩▲同歩△同金、あるいは△6五金を狙ったが、Tod氏に▲7八飛と回られ、金の進退に窮した。
そうかこの形の場合、下手の▲7八金を待って、△6四金と出動しなければいけないのだ。
つまみの焼き鳥などが運ばれてきて、私も口に運ぶが、将棋に夢中になってしまい、何だか分からない。
私とKun氏は、お互いの将棋を見る。ヒトの将棋は気になるものだ。
第1図からOk氏は、▲4五角と打った。まあ、そう打つと思った。
しかしその後、Ok氏が角を捨てて▲6四飛と回ったのには呆れた。Ok氏、以前も角のタダ捨てで飛車を成ったことがあったが、あの時の教訓が全然活かされていない。
もっとも本局は、Kun氏が正着を逸して最悪の事態は免れたが、それでも非勢なことに変わりはない。
私のほうは、苦しい将棋になった。私は△6二銀~△7三銀として、少しでも右金の動きをラクにしようとするが、そこでTod氏が5筋から攻撃を仕掛けたのが、巧妙な構想だった。
Tod氏、▲5九飛。次に▲5五飛の王手金取りがあるので、私は△6二玉とアタリを避ける。さらに△5二歩と凹み、いよいよ苦しくなった。
私は△3四歩。▲同歩なら△3六歩の桂取りだが、Tod氏は応じない。私は△3五歩と歩を取ったが、▲同角と取り返した手が6二玉への王手だ。△5一玉▲7一角成と進み、ここで負けを意識した。
Tod氏は以降も快調に指し手を進める。Tod氏、銀を取って▲3三香成(第1図)。

これは厳しい手だ。私は△3三同銀と取る予定だったが、それは▲6二銀の1手詰みだ。
ゆえに私は△3三同金だが、Tod氏に▲3四歩と打たれてシビれた。
これを△同金は▲3二金で上手負け。私は泣きの涙で△4二玉(第2図)だが、ただ投了を伸ばすだけの見苦しい手だ。
次の手、将棋を指す人なら、誰でも▲3三歩成と金を取る。しかしTod氏は、そんなふつうの手は指さなかった。

(つづく)
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