一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第27回将棋ペンクラブ大賞贈呈式(4)

2015-09-22 22:17:53 | 将棋ペンクラブ

第4図以下の指し手。▲4四歩△5三金▲8八玉△8六歩▲4五桂△5二金▲7四馬△6七馬▲同金引△8七歩成▲同玉△8六歩▲同玉△4八飛▲8七角△4五飛成▲6四桂△5一金▲5七金△4九竜▲6五馬△5四歩▲同馬△8二飛▲8四歩(第5図)

左の男性氏は健闘している。竜を作り、勝利まであと一歩だ。
私はとりあえず▲4四歩と突いた。これには△同金もあったが、熊倉女流初段はおとなしく△5三金。熊倉女流初段は本局において、素直な指し方で一貫している。指導対局だからか全然本気を出してない感じだ。
▲4五桂と跳ねようとしたら、△6七馬▲同金引△4九飛がある。それで、当たりを避けて▲8八玉と入城した。改めて盤面を見ると意外にしっかりしていて、もう少し戦ってみる気になった。
△8六歩には挨拶せず、ようやっと▲4五桂と跳ねる。△5二金に指し手が分からず、とりあえず▲7四馬とプレッシャーをかけておいた。
熊倉紫野女流初段はついに△6七馬と飛車を取る。が、これは局面がさっぱりして、ありがたかった。どこかで△7七歩と叩かれるのがイヤだった。
熊倉女流初段は玉を釣り上げて△4八飛だが、これに期待したのだろう。これには▲9六角が、▲7八金を守りつつ△5二金取りになるが、角の利きがダブっているのが気に食わない。それで、一つ控えて▲8七角と打った。
これがいい判断だったようで、もし▲9六角と打ったら、△8五歩(王手)があった。
△4九竜に▲6五馬と引き、次の▲3二馬が受けにくい。この筋の二枚角は強力で、ここで初めて、優勢を意識した。
△8二飛に、▲8四歩。しかしこれは消極的だった。

第5図以下の指し手。△4三桂▲同歩成△同金▲4四桂△3三銀▲7三銀△4四銀▲同銀△5四金▲同角△8九竜▲8八金打△7四桂▲9六玉(投了図)
まで、119手で一公の勝ち。

▲8四歩では当然、▲8三歩から連打するところ。△8三同飛のとき飛車の横利きが三段目に通るから躊躇したのだが、震えすぎた。
とはいえ▲8四歩でも、上手は受けが難しい。まさか△4三桂とは受けるまいと思ったら、本当に打ってきたので驚いた。熊倉女流初段、さすがに簡単には投了しない。
▲同歩成△同金に▲4四桂がシャレた手だと思ったが、これも焦りすぎ。ふつうに▲4四歩でよかった。
左の男性氏は見事勝ちを収めたようだ。私も続かなければならない。
△3三銀に▲7三銀と打ったが、この方向転換はおかしい。しかし一手勝っていたようで、最終私の▲9六玉に、熊倉女流初段が投了を告げた。

投了図で下手玉は詰まず、上手玉には▲3二銀△2二玉▲3一銀打△1二玉▲2一銀不成という妙な詰めろがかかっている。受けても一手一手で、この辺が投げ時と思う。
「(中盤で)角をこう打ちあうようでは、こちらが悪いと思ってました」
と熊倉女流初段。
「いえ私も自信がなくて…。▲7三角成の時、△7二歩~△6三歩と馬筋を外されると私がダメだと思いました」
以下、お互いに短い感想を言った。
投了図だけ見れば私の快勝のようだが、中盤まではハッキリこちらが悪かった。が、どこで悪くしたのか分からない。まあそれも当然で、いつの間にか上手の模様がよくなっている、これが上手の腕というものだろう。
熊倉女流初段に「勝とう」の気持ちはなく、拍子抜けする感じだった。でも女流棋士に教えていただく機会はなかなかないので、いい思い出になった。熊倉女流初段は癒し系で、とてもかわいらしかった。
そうそう、熊倉女流初段にお目にかかる機会があったら、伝えておきたいことがあったのだ。
「私、熊倉先生が休場した時、そのまま引退しちゃうんじゃないかと思いましたよ。でも復帰してくれてよかったです。先生頑張ってくださいよ。応援してるんですから」
私は一方的に言うと、名残惜しいが、席を立った。
ステージでは、棋士の色紙や著書が配られる企画が終わったようだ。私ももちろんいただける権利があるので、無人のステージに行く。著書を選んでいると、Was氏(だったと思う)が来て、ここに色紙がありますよ、と言う。見ると渡辺弥生女流初段の「切磋琢磨」で、これはいいといただいた。
でも、藤森哲也四段著の「急戦矢倉」も捨てがたい。それで、こちらももらってしまった。
が、これはもちろんルール違反。参加者がもらえるのは1人1点である。まあ、関東交流会で青野照市九段著「プロの新手28」を紛失してしまったので、その代わりにしてくれたらありがたい。
長田衛氏が来て、今泉健司四段を紹介してくれた。私は今泉四段とガッチリ握手。
「今泉先生、結婚しないでくださいね」
「?」
初対面の棋士にこんな失礼な言葉を吐く将棋ファンは、私ぐらいだろう。
時刻は午後8時半を過ぎ、お開きである。いつもなら直帰するのだが、今年はOhh氏に二次会に誘われた。これは将棋ペンクラブ主催で、近くの店に20人分を予約してあるのだ。
帰宅して録りだめしたビデオも観たかったが、今年は二次会に参加する気になった。
表に出ると、藤田麻衣子さんのご子息がいた。吹き出すくらい、お母さんにそっくりだった。
渡部愛女流初段は熊倉女流初段といっしょに帰るようだ。エレベーターに乗る前、私に挨拶をくれた。愛ちゃんは礼儀正しいと思った。
(つづく)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする