一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第27回将棋ペンクラブ大賞贈呈式(1)

2015-09-19 11:36:39 | 将棋ペンクラブ
18日の女流王位戦・山口理梨子女流初段と高浜愛子女流3級の一戦は、高浜女流3級の勝ち!
あと3勝で女流2級だ。まだ厳しい状況に変わりはないが、残りの対局にベストを尽くしてほしい。

18日は「第27回将棋ペンクラブ大賞贈呈式」に参加した。
夕方、早めに仕事を切り上げ、四ッ谷に向かう。私はスーツを着てネクタイを締めたが、電車内ではノーネクタイが大半だった。今はこれが主流になっているらしい。
JR四ッ谷駅では麹町口の反対側に出て、まずは「小諸そば」に入った。
もちろん二枚もり(300円)を頼む。この後の贈呈式で食事も出るが、軽く入れておきたいのと、小諸そばはゲン担ぎの意味もあった。
そばは美味かったが、感激するほどではなかった。私なりに緊張しているのかもしれない。
午後6時過ぎに「スクワール麹町」に入る。エレベーターを使い4階で降りたが、雰囲気が違う。5階だったようで、昨年と同じ間違いを犯してしまった。
5階の受付で8,000円を支払う。周りはいつもの知った顔だ。大柄な男性に遭遇したが、彼は将棋関係者だろうか。
「芙蓉の間」に入るが、参加者が一人しかいない。間が持たないので受付に戻ると、フロアで将棋を指している姿があった。それを眺める参加者たち。やはりみんな将棋が好きなのだ。
6時15分に再度部屋に入ったら、今度は私だけだった。ステージ袖では音楽隊の女子2人が調整中、あとはホテルスタッフがきびきびと準備しているだけだ。
開場は午後6時、開演は6時半からだからこれでいいのだが、開場と同時に参加者がなだれこむイメージがあるので、この光景には拍子抜けする。もっとも関係者は、向かいの控室に詰めているのだが。
それでも開演までにぞろぞろと入場し、ようやく贈呈式らしくなってきた。
先ほどの大柄な男性は、今回観戦記大賞を受賞した大川慎太郎氏だった。いわば今回の主役だ。
ほかの受賞者も入室する。一般参加の棋士では窪田義行六段、上野裕和五段の姿があった。女流棋士の熊倉紫野女流初段、渡部愛女流初段の姿もある。後で指導対局があるが、どちらかとお手合わせ願えればうれしい。
では改めて、各賞を記しておこう(敬称略)。

【観戦記部門】
大賞・大川慎太郎
優秀賞・藤田麻衣子
【文芸部門】
大賞・松本博文
優秀賞・今泉健司
【技術部門】
大賞・藤井猛
優秀賞・村山慈明

長田衛氏の司会で、開会の辞。続いて西上心太氏(文芸評論家)による審査員講評となる。
「今回も各部門のレベルが高くて、選考では苦労しました」
(大川作品)「雑誌観戦記の長所を活かし、探偵小説を読むようでした」
(藤田作品)「冒頭から結末の伏線が張られていて、面白く読めました」
(松本作品)「プログラム開発者の声をよく聞き取っている。コンピューターソフトの歴史がよく分かりました」
(今泉作品)「奨励会を2回退会してもへこたれない今泉氏のタフネスぶり、それでいて人間の弱さをうまく描いていました」
(藤井作品)「角交換四間飛車という難しい戦法を、中級者にも分かりやすく説きました」
(村山作品)「矢倉△5三銀右戦法の、歴史の変遷を記しているのがよかった」
みんな、ふむふむと頷く。入賞には洩れたが、渡辺明著・後藤元気協力の「渡辺明の思考」にも高い評価があったことが付言された。

続いて表彰式で、木村晋介将棋ペンクラブ会長が行う。プレゼンターは妙齢の女性で、最近幹事になってくれた。
(大川作品)「今度ミステリー小説を書いてくれませんか」
(藤田作品)「『のどが渇く』という表現が秀逸でした」
(松本作品)「河口俊彦さんも喜んでいることでしょう」
(今泉作品)「介護士を弁護士と読み間違えちゃいました」
(藤井作品)「私はこの本を読んで、ゴキ中を捨てました」
(村山作品)「体系的に説いたのが素晴らしかった」
木村会長は、短いコメントの中にもユーモアを交え、さすがだと思った。妙なところに感心した次第。

続いて受賞者のスピーチ。
大川氏「雑誌の記者は対局中に(原則的に)部屋に入れないので、後日に取材するしかないんです」
なるほど言われてみればそうだ。だがそれゆえに綿密な取材になった、ともいえる。
元女流棋士の藤田さん。今回は和服での登場である。「私は地方に行って、自分の対局の結果は100%聞かれないんですけど、観戦記についてはいつも、読んだよ、と言われます」
それだけ観戦記は、将棋ファンに根付いているのだ。
続いて松本氏。松本氏には、LPSAからは花束、ファンからは祝電が届いた。LPSAの歴史に、松本氏の存在は欠かせない。氏のネット中継構築がなかったら、LPSAや将棋界は、ネット配信が数年間遅れていただろう。
ちょっと目を惹く美人が松本氏にカメラを構えている。もしやと思ったら、やはり中倉彰子女流初段だった。相変わらず瑞々しい。
松本氏「私は二人の方に感謝したい。一人は東公平さんです。…もう一人は、河口俊彦八段です」
お二方とも、将棋ペンクラブの創設に尽力された。この方々がいなければ、今この席もなかったのだ。
河口八段は今年1月に他界されたが、この本を上梓した時は、お祝いの会を開いてくれたとのこと。今回の大賞受賞で、いい恩返しができたのではないだろうか。
(つづく)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする