一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

室谷女流初段、女流二段に昇段!

2015-09-04 00:23:26 | 女流棋士
室谷由紀女流初段は8月25日の女流名人戦リーグで中村真梨花女流三段に勝ち、女流初段後60勝で、女流二段に昇段した。女流棋士会に16人、LPSAに2人いる「女流初段」から一歩抜け出した形で、まずはめでたい。
勝率が5割以下でも、勝ち星の積み重ねで昇段できる制度は賛同できないが、女流棋界は本戦入りしただけで昇級できるなど、甘い部分がある。それに比べれば勝ち星昇段のほうが、逆に誇れることかもしれない。
室谷女流二段は4年5か月での60勝・女流二段昇段で、これは早い方である。年平均13.5勝で、2011~12年は女流名人位戦B級リーグ、2014年より女流名人戦リーグ、同じく2014年は女流王位戦リーグに入っている。実力がなければリーグには入れないし、ここで白星を稼ぐことが、昇段の近道となる。
実際、室谷女流二段はよく勉強しているんだと思う。将棋界では、対局以外の業務を「仕事」というらしいが、室谷女流二段はそちらで多忙を極めている。すなわち、指導対局、テレビ将棋の記譜読み上げ、タイトル戦の聞き手、各イベントの出演などである。
これらは通常、将棋の勉強にならないとされているが、室谷女流二段は、ここでしっかり勉強しているのだと思う。ちょっと譬えがおかしいが、学校の授業を集中して聞き、それだけでテストでいい点を取るような感じだ。指導対局でも聞き手でも、毎回何かを吸収しているのだと思う。
とにかく室谷女流二段は容姿端麗、性格もよく、非の打ち所がない。これで将棋の実力がアップしたら、ほかの女流棋士は活躍の場がなくなる。
だからふだん勝ち星に恵まれていない女流棋士は、もっと危機感を持たなければダメなのだ。だって、勝たなきゃその存在をアピールできないんだから。
例えば冒頭の女流初段の中に、室谷女流初段より先に女流初段になりながら、抜かされた人が何人もいる。久津知子女流初段、安食総子女流初段、上川香織女流初段、藤田綾女流初段、熊倉紫野女流初段、井道千尋女流初段、山口恵梨子女流初段である。野田澤彩乃女流1級も入れていい。ことに久津女流初段以下の4人は、女流初段歴10年以上だ。これら先生方には、今以上の奮起を望む。
さて室谷女流二段、次に昇段するのはいつになるだろう。たぶん数年後になるだろうが、その時の私自身を想像すると、気が狂いそうになる。
心身ともに健康な状態で室谷女流二段の昇段をよろこべるのは、今回が最後になると思う。
コメント (2)
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