(8月26日のつづき)
アミュプラザ広場では、「かごしま風土ピア」なる物産展をやっていた。焼酎は売られていたが、新茶はないようだ。というか新茶より何より、かわいい女の子がいなかった。これは目論見が外れた格好だ。
考えてみれば、ゴールデンウイークの土日は最高のイベント日和だ。企業の出展も高倍率になるだろうし、毎年新茶販売会が行われるわけがなかったのだ。
一番街商店街に戻り、1,000円カットの店が仮店舗で営業していないか調べたが、なかった。仕方ない、トコヤは帰京してからだ。
駅前のバスターミナルから、砂の祭典会場行きの直行バスに乗る。乗車率はよい。定刻の09時40分を2分遅れて出発。例年と同じルートで、10時50分、会場に着いた(1,030円)。今日の天気は曇りだが、雨が降らなければよい。
「吹上浜砂の祭典in南さつま」の入場料だが、私は前売りを買っていて、700円だった。
例年は11時から、休憩コーナーとメインステージを使ってビンゴ大会があるのだが、そのビンゴカードは、会場内の店舗で500円分の購入につき、1枚もらえる。そのシステムが面倒で、私は今回、ビンゴ大会に参加しなかった。
また「くじら号が行く南さつまの旅」は今年も有料で、パスした。
改めて今年の砂像のテーマは「ジュラシックファンタジー~変化の足音、どん・どん・どん~」である。
会場は多くの客で賑わっている。白亜紀前後がテーマなので、砂像は恐竜が主役になるが、必ずしもこの年代に拘るわけではなく、砂像はバラエティに富む。メインストリートの作品は著名な造形作家によるもので、どれも精巧に造られている。私はその完成度に、息を飲むのである。
ただ、砂の茶色がいかにも地味で、色的には、雪まつりや氷像まつりには及ばない。また精巧なるがゆえにリアリティが勝ってしまい、やや迫力に欠けるうらみもある。

会場の南側にある、展望台に上ってみる。ここからの眺めが360°で最高なのだが、やや景色が単調だ。あと、何年か前だったが、ここでカメラのレンズを取り換えていたら、カメラに砂が紛れ込み、それが現在も取れないでいる。意外にいい思い出はないのだ。

地上に降りると、今年も県立加世田常潤高等学校が出展をしていたが、私が毎年購入するみかんジュースは、置いてないみたいだった。
再び展示会場を回る。あたりにはボランティアスタッフが大勢いて、「写真撮ります」のゼッケンを付けている。せっかくなので、私はそのひとりにシャッターを押してもらった。
私はあまり写真に入るのが好きではないが、2018年5月現在の私がどういう容姿だったか、記録しておく価値はあると思った。


ちょっと小腹が空いたので、飲食物産ゾーンに行ってみる。うどん(400円)とおにぎり(200円)がセットで500円で売られていたので、購入した。
おカネを払うとビンゴカードを1枚くれたが、次のビンゴ大会は午後4時からである。そこまで粘るつもりはないので、このカードは記念に持って帰ることにする。
うどんとおにぎりは、まあまあ。500円でも、ちょっと高い感じだった。
メインステージでは12時から、「Kitフラシスターズ」の踊りが始まった。なかなかになかなかなおばさま方の、熟練の踊りが披露される。

午後1時からは、「Chest Box jazz band」のコンサートである。総勢15人程度で、黒系の私服がカッコイイ。
まずは挨拶代わりに「お嫁サンバ」。ひろしまフラワーフェスティバルのジャズもそうだったが、歌は何でもできるのだ。
1曲終わると、チームの代表みたいな人が挨拶をし、チームは黒系の服に、赤のワンポイントを必ずどこかに入れることを課している、みたいなことを言った。赤のネクタイが多かったようである。
ジャズバンドはさらに、「ムーンライトセレナーデ」「In A Mellow Tone」などを奏でる。
ここでサクソフォーンの女性が、事務的にメンバーを紹介していく。名前を呼ばれると無造作に立って、チョコンとお辞儀をするメンバー。私はこの時間が意外に好きである。
「ルパン三世」の演奏となる。万人受けする定番の曲で、軽快だ。この1曲を聴いただけで、入場料の価値はあると思った。

さてもっと聴いていたいが、バスの時間があり、私は後ろ髪を引かれつつ、会場を失礼させていただいた。
この後は指宿の砂風呂に入りたいが、指宿枕崎線の終着駅、枕崎から乗車したい。というわけで、まずは13時40分発・加世田行きのバスに乗る。
同乗者は昼に踊っていたフラシスターズの面々で、5人いた。観光客は直行バスで鹿児島中央には行くらしいが、枕崎方面へは行かないらしい。私の行程は、ちょっと油断すると、すぐひとりぼっちになる。
加世田バスターミナルには、13時53分に着いた。加世田は1984年3月に廃止された鹿児島交通枕崎線(南薩鉄道)の主要駅で、構内には鉄道記念館もある。一度は廃線跡巡りをしたいのだが、叶いそうにない。
14時05分発の枕崎行きバスに乗った。いわゆる鉄道廃止の代行バスで、「なんさつ線」にその名を残す。
同乗者はおばあさん1人。この過疎感、北海道の深名線バスを思わせる。
途中でおっさんが乗って2人になったが、田ノ野でおっさんが降り、西村、大野の次の平河でおばあさんが降り、私ひとりになってしまった。何と贅沢な旅であろうか。
14時47分、枕崎着(640円)。いわさきICカードは1,510円の残りとなった。
隣接する枕崎駅舎はもちろん健在だった。むしろ毎年何か増えている感じで、ホーム手前に「本土最南端・始発・終着駅・枕崎駅」のモニュメントがあるが、あれは以前からあったろうか。
すでに列車は入線していたが、これは14時31分着の折り返しである。
そして枕崎といえば「歩揺(ほよう)」だ。もう10年以上前、旧枕崎駅舎が取り壊されてなくなった時、私が嘆いていると、たまたま近くにいた女性と同じ話題になり、私たちは意気投合した。
その女性が駅近くでブティック「歩揺」を経営しているママさんで、私はその後も枕崎を訪れるたび、お邪魔した。ママさんも歓迎してくれ、ある年は近くの実家に連れていってもらったこともあった。
しかしその後私の頭は禿げ、ブクブク太り、ママさんに会う容姿ではなくなった。よってここ数年は、訪ねるのを自粛していた。
だが今年は顔を出してみようかと思う。店舗は現駅舎のすぐ向かいである。
店の前に立つ。自動ドアが開き、私は中の人に声をかけた。
(つづく)
アミュプラザ広場では、「かごしま風土ピア」なる物産展をやっていた。焼酎は売られていたが、新茶はないようだ。というか新茶より何より、かわいい女の子がいなかった。これは目論見が外れた格好だ。
考えてみれば、ゴールデンウイークの土日は最高のイベント日和だ。企業の出展も高倍率になるだろうし、毎年新茶販売会が行われるわけがなかったのだ。
一番街商店街に戻り、1,000円カットの店が仮店舗で営業していないか調べたが、なかった。仕方ない、トコヤは帰京してからだ。
駅前のバスターミナルから、砂の祭典会場行きの直行バスに乗る。乗車率はよい。定刻の09時40分を2分遅れて出発。例年と同じルートで、10時50分、会場に着いた(1,030円)。今日の天気は曇りだが、雨が降らなければよい。
「吹上浜砂の祭典in南さつま」の入場料だが、私は前売りを買っていて、700円だった。
例年は11時から、休憩コーナーとメインステージを使ってビンゴ大会があるのだが、そのビンゴカードは、会場内の店舗で500円分の購入につき、1枚もらえる。そのシステムが面倒で、私は今回、ビンゴ大会に参加しなかった。
また「くじら号が行く南さつまの旅」は今年も有料で、パスした。
改めて今年の砂像のテーマは「ジュラシックファンタジー~変化の足音、どん・どん・どん~」である。
会場は多くの客で賑わっている。白亜紀前後がテーマなので、砂像は恐竜が主役になるが、必ずしもこの年代に拘るわけではなく、砂像はバラエティに富む。メインストリートの作品は著名な造形作家によるもので、どれも精巧に造られている。私はその完成度に、息を飲むのである。
ただ、砂の茶色がいかにも地味で、色的には、雪まつりや氷像まつりには及ばない。また精巧なるがゆえにリアリティが勝ってしまい、やや迫力に欠けるうらみもある。

会場の南側にある、展望台に上ってみる。ここからの眺めが360°で最高なのだが、やや景色が単調だ。あと、何年か前だったが、ここでカメラのレンズを取り換えていたら、カメラに砂が紛れ込み、それが現在も取れないでいる。意外にいい思い出はないのだ。

地上に降りると、今年も県立加世田常潤高等学校が出展をしていたが、私が毎年購入するみかんジュースは、置いてないみたいだった。
再び展示会場を回る。あたりにはボランティアスタッフが大勢いて、「写真撮ります」のゼッケンを付けている。せっかくなので、私はそのひとりにシャッターを押してもらった。
私はあまり写真に入るのが好きではないが、2018年5月現在の私がどういう容姿だったか、記録しておく価値はあると思った。


ちょっと小腹が空いたので、飲食物産ゾーンに行ってみる。うどん(400円)とおにぎり(200円)がセットで500円で売られていたので、購入した。
おカネを払うとビンゴカードを1枚くれたが、次のビンゴ大会は午後4時からである。そこまで粘るつもりはないので、このカードは記念に持って帰ることにする。
うどんとおにぎりは、まあまあ。500円でも、ちょっと高い感じだった。
メインステージでは12時から、「Kitフラシスターズ」の踊りが始まった。なかなかになかなかなおばさま方の、熟練の踊りが披露される。

午後1時からは、「Chest Box jazz band」のコンサートである。総勢15人程度で、黒系の私服がカッコイイ。
まずは挨拶代わりに「お嫁サンバ」。ひろしまフラワーフェスティバルのジャズもそうだったが、歌は何でもできるのだ。
1曲終わると、チームの代表みたいな人が挨拶をし、チームは黒系の服に、赤のワンポイントを必ずどこかに入れることを課している、みたいなことを言った。赤のネクタイが多かったようである。
ジャズバンドはさらに、「ムーンライトセレナーデ」「In A Mellow Tone」などを奏でる。
ここでサクソフォーンの女性が、事務的にメンバーを紹介していく。名前を呼ばれると無造作に立って、チョコンとお辞儀をするメンバー。私はこの時間が意外に好きである。
「ルパン三世」の演奏となる。万人受けする定番の曲で、軽快だ。この1曲を聴いただけで、入場料の価値はあると思った。

さてもっと聴いていたいが、バスの時間があり、私は後ろ髪を引かれつつ、会場を失礼させていただいた。
この後は指宿の砂風呂に入りたいが、指宿枕崎線の終着駅、枕崎から乗車したい。というわけで、まずは13時40分発・加世田行きのバスに乗る。
同乗者は昼に踊っていたフラシスターズの面々で、5人いた。観光客は直行バスで鹿児島中央には行くらしいが、枕崎方面へは行かないらしい。私の行程は、ちょっと油断すると、すぐひとりぼっちになる。
加世田バスターミナルには、13時53分に着いた。加世田は1984年3月に廃止された鹿児島交通枕崎線(南薩鉄道)の主要駅で、構内には鉄道記念館もある。一度は廃線跡巡りをしたいのだが、叶いそうにない。
14時05分発の枕崎行きバスに乗った。いわゆる鉄道廃止の代行バスで、「なんさつ線」にその名を残す。
同乗者はおばあさん1人。この過疎感、北海道の深名線バスを思わせる。
途中でおっさんが乗って2人になったが、田ノ野でおっさんが降り、西村、大野の次の平河でおばあさんが降り、私ひとりになってしまった。何と贅沢な旅であろうか。
14時47分、枕崎着(640円)。いわさきICカードは1,510円の残りとなった。
隣接する枕崎駅舎はもちろん健在だった。むしろ毎年何か増えている感じで、ホーム手前に「本土最南端・始発・終着駅・枕崎駅」のモニュメントがあるが、あれは以前からあったろうか。
すでに列車は入線していたが、これは14時31分着の折り返しである。
そして枕崎といえば「歩揺(ほよう)」だ。もう10年以上前、旧枕崎駅舎が取り壊されてなくなった時、私が嘆いていると、たまたま近くにいた女性と同じ話題になり、私たちは意気投合した。
その女性が駅近くでブティック「歩揺」を経営しているママさんで、私はその後も枕崎を訪れるたび、お邪魔した。ママさんも歓迎してくれ、ある年は近くの実家に連れていってもらったこともあった。
しかしその後私の頭は禿げ、ブクブク太り、ママさんに会う容姿ではなくなった。よってここ数年は、訪ねるのを自粛していた。
だが今年は顔を出してみようかと思う。店舗は現駅舎のすぐ向かいである。
店の前に立つ。自動ドアが開き、私は中の人に声をかけた。
(つづく)