渡部愛女流王位の前には、多くの参加者が集まった。
私もここはなるべく、正確に文言を記そう。
「…お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。また、この、このような素敵な会を開いてくださったLPSAの先輩方、そして、ふだんえー、将棋の指導等でお世話になっている、棋士の先生方、また、本日御来賓いただいています、LPSAを応援してくださっている皆様には、この場をお借りして、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございます。
えー、私自身、今回、あの数日後に、ホンモノの就位式を……(場内爆笑)……控えておりまして、ちょっと今日はあの練習という感じで、(場内爆笑)すいませんあのぅちょっとあの、不慣れな点はあると思うんですが、そこはあの、盛大に笑っていただいて、はいあの、温かく見守ってください、はい。
女流王位を獲得しまして、2ヶ月半ほど経つんですけれども、ま、この五番勝負のシリーズを振り返りますと、えー第1局目が地元の北海道、えー京王プラザホテル札幌さんでの対局だったんですけれども、まぁやはりホームということで、安心して臨むことができたというのが、いちばん、大きかったと思います。
対局の、当日の朝に、えー、ホテルのオートロックを締め出された時は、ホントに、もうちょっとこのシリーズはどうなってしまうんだろうなと、(場内爆笑)自分自身でも思ったんですけれども、逆にそれが緊張をほぐすモノサシにもなりまして、あの全力で、まあ何も将棋以外のことは考えずに、えー臨むことができたのかなと、思っています。
えーまあ1局目は、大逆転、という形ではあったんですけども、ま、勝負として、大きな1勝だったのかなと思います。
第2局目は、え、姫路の夢乃井さんで、えー行わせていただいた、いただいたんスけども、…まあそうですねこちらは、先ほど、あの野月八段がおっしゃった、ように私の今の、課題、というものが出た一局でもありまして……そうですね、今あと個人的に、強化したいと考えているのは、囲いの理解度というものを、強化したいと思っていまして、どれぐらい、この王様が耐久力があるのかとか、まああと、この囲いはどう攻めるのがいちばんいいのかとか、そういうのを、えー、まあ理解するところを、強化したいと思っているんですけれども、あの、まあちょっとその点の弱いところが出まして、あの、玉頭の一発の△8七歩という手、だけで、崩されてしまったといいますか、一気に敗勢になり、負けてしまったんですけれども、そこはホントにその自分の、苦手なところが出たものだったので、そこは改善していけるようにと、3局目に臨もうと、はい、思っていました。
で第3局は、少し、えー2局目から2週間以上、時間があったとは思うんですけれども、そこでどう立て直すかというのも考え直してきまして、えー、そうですねぇ、自分の中では、相手が先手中飛車対、あたしが居飛車左美濃からの、銀冠穴熊という形だったんですけども、攻めの、あごめんなさい、攻めではなくて守りの、えー金、本来は守りの金なんですけど、まあそれを攻めに使っていきまして、ジグザグと、まぁ前に進むような将棋だったんですけれども……そうですね第2局目の反省を活かして、臨んだつもりではいたんですけれども、やっぱりこの途中の中盤とかで、選択肢だったり、いろいろ、まだ甘かった点もあるんですが、まぁ一局としては自分の力を、出し切ることができた、将棋だったのかなと、はい、思います。
……えー、最後の第4局、徳島県の対局なんですけれども、徳島県、は初めてで、名産品は何なのかなというのもちょっと、調べてはいたんですが、当日、やはり、ここで負けてしまうと2勝2敗、次は第5局目になるということで、まぁ、初タイトルの、挑戦、初タイトルの、何ですかね、まあ……あまり経験したことがない舞台でしたので、まぁやはり2勝2敗まで持ち込まれると、厳しい戦いが待っているのではないかというのが正直な、気持ちでした。なので、4局目で、決めたいという気持ちがいちばん強くありまして、ま、臨んだんですけども、そこがちょっと余計なところに出てしまい、昼食でゲンを担いでカツカレーを頼みまして、はい、まぁそ、それが気合を入れて、気持ちだけでは負けないようにと、はい、自分に心掛けて、あ自分に言い聞かせて、心掛けていたんです。
第4局は、形勢自体は二転三転しまして、ホントに、そうですね、最後は気持ちだけで戦っていた部分が大きいのかなと思っています。
…3勝1敗という結果で、タイトル奪取はできたんですけども、やはり、自分自身では、何ですかね、あのー、タイトル獲得よりも、さらに、まぁ、将棋を強くなる、実力の底上げというところを、えー、いちばんに考えておりまして、これからもっともっと、強くなりたい、ですし……最近の女流棋戦の成績を踏まえましても、えぇまだまだ実力不足で、たくさん勉強しなくてはいけないところは、残っていますので、ま、今後とも、えーそこは、ひとつひとつ、えー克服していけるように、えぇ精進して参りたいと思っております。
最後になりますが、いつもLPSAを応援してくださる皆様が、今後とも、ですね、本業はもちろん、いちばんに考えて頑張るんですけれども、Minervaだったらイベントのほうとかですね、あのー、企画なども皆様にお楽しみいただけるように、努めて参りたいと思っていますので、今後とも変わらぬLPSAへの支援を、えーよろしくお願いいたします。
本日は本当にありがとうございました」
渡部女流王位は言葉の最初に「ま」を付けるのがクセのようだ。大量に出てくる。ただしそれを文字に起こすと加藤一二三九段が話しているようで、イメージが崩れる。よって、できる限り「ま」を省き、読みやすくした。
ま、いずれにしても渡部女流王位、実に堂々としたスピーチであった。
(つづく)
私もここはなるべく、正確に文言を記そう。
「…お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。また、この、このような素敵な会を開いてくださったLPSAの先輩方、そして、ふだんえー、将棋の指導等でお世話になっている、棋士の先生方、また、本日御来賓いただいています、LPSAを応援してくださっている皆様には、この場をお借りして、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございます。
えー、私自身、今回、あの数日後に、ホンモノの就位式を……(場内爆笑)……控えておりまして、ちょっと今日はあの練習という感じで、(場内爆笑)すいませんあのぅちょっとあの、不慣れな点はあると思うんですが、そこはあの、盛大に笑っていただいて、はいあの、温かく見守ってください、はい。
女流王位を獲得しまして、2ヶ月半ほど経つんですけれども、ま、この五番勝負のシリーズを振り返りますと、えー第1局目が地元の北海道、えー京王プラザホテル札幌さんでの対局だったんですけれども、まぁやはりホームということで、安心して臨むことができたというのが、いちばん、大きかったと思います。
対局の、当日の朝に、えー、ホテルのオートロックを締め出された時は、ホントに、もうちょっとこのシリーズはどうなってしまうんだろうなと、(場内爆笑)自分自身でも思ったんですけれども、逆にそれが緊張をほぐすモノサシにもなりまして、あの全力で、まあ何も将棋以外のことは考えずに、えー臨むことができたのかなと、思っています。
えーまあ1局目は、大逆転、という形ではあったんですけども、ま、勝負として、大きな1勝だったのかなと思います。
第2局目は、え、姫路の夢乃井さんで、えー行わせていただいた、いただいたんスけども、…まあそうですねこちらは、先ほど、あの野月八段がおっしゃった、ように私の今の、課題、というものが出た一局でもありまして……そうですね、今あと個人的に、強化したいと考えているのは、囲いの理解度というものを、強化したいと思っていまして、どれぐらい、この王様が耐久力があるのかとか、まああと、この囲いはどう攻めるのがいちばんいいのかとか、そういうのを、えー、まあ理解するところを、強化したいと思っているんですけれども、あの、まあちょっとその点の弱いところが出まして、あの、玉頭の一発の△8七歩という手、だけで、崩されてしまったといいますか、一気に敗勢になり、負けてしまったんですけれども、そこはホントにその自分の、苦手なところが出たものだったので、そこは改善していけるようにと、3局目に臨もうと、はい、思っていました。
で第3局は、少し、えー2局目から2週間以上、時間があったとは思うんですけれども、そこでどう立て直すかというのも考え直してきまして、えー、そうですねぇ、自分の中では、相手が先手中飛車対、あたしが居飛車左美濃からの、銀冠穴熊という形だったんですけども、攻めの、あごめんなさい、攻めではなくて守りの、えー金、本来は守りの金なんですけど、まあそれを攻めに使っていきまして、ジグザグと、まぁ前に進むような将棋だったんですけれども……そうですね第2局目の反省を活かして、臨んだつもりではいたんですけれども、やっぱりこの途中の中盤とかで、選択肢だったり、いろいろ、まだ甘かった点もあるんですが、まぁ一局としては自分の力を、出し切ることができた、将棋だったのかなと、はい、思います。
……えー、最後の第4局、徳島県の対局なんですけれども、徳島県、は初めてで、名産品は何なのかなというのもちょっと、調べてはいたんですが、当日、やはり、ここで負けてしまうと2勝2敗、次は第5局目になるということで、まぁ、初タイトルの、挑戦、初タイトルの、何ですかね、まあ……あまり経験したことがない舞台でしたので、まぁやはり2勝2敗まで持ち込まれると、厳しい戦いが待っているのではないかというのが正直な、気持ちでした。なので、4局目で、決めたいという気持ちがいちばん強くありまして、ま、臨んだんですけども、そこがちょっと余計なところに出てしまい、昼食でゲンを担いでカツカレーを頼みまして、はい、まぁそ、それが気合を入れて、気持ちだけでは負けないようにと、はい、自分に心掛けて、あ自分に言い聞かせて、心掛けていたんです。
第4局は、形勢自体は二転三転しまして、ホントに、そうですね、最後は気持ちだけで戦っていた部分が大きいのかなと思っています。
…3勝1敗という結果で、タイトル奪取はできたんですけども、やはり、自分自身では、何ですかね、あのー、タイトル獲得よりも、さらに、まぁ、将棋を強くなる、実力の底上げというところを、えー、いちばんに考えておりまして、これからもっともっと、強くなりたい、ですし……最近の女流棋戦の成績を踏まえましても、えぇまだまだ実力不足で、たくさん勉強しなくてはいけないところは、残っていますので、ま、今後とも、えーそこは、ひとつひとつ、えー克服していけるように、えぇ精進して参りたいと思っております。
最後になりますが、いつもLPSAを応援してくださる皆様が、今後とも、ですね、本業はもちろん、いちばんに考えて頑張るんですけれども、Minervaだったらイベントのほうとかですね、あのー、企画なども皆様にお楽しみいただけるように、努めて参りたいと思っていますので、今後とも変わらぬLPSAへの支援を、えーよろしくお願いいたします。
本日は本当にありがとうございました」
渡部女流王位は言葉の最初に「ま」を付けるのがクセのようだ。大量に出てくる。ただしそれを文字に起こすと加藤一二三九段が話しているようで、イメージが崩れる。よって、できる限り「ま」を省き、読みやすくした。
ま、いずれにしても渡部女流王位、実に堂々としたスピーチであった。
(つづく)