一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2018年G.W.旅行・17

2018-09-04 00:40:34 | 旅行記・G.W.編
13時ちょうど、とりあえずバスを降りる。ここまで1,210円で、いわさきICカードが使えた。残額1,400円となったが、これは来年また使えばよい。
幸い、雨は上がっていた。駅前には緑の芝生と木々が植えられ、バスターミナルができていた。
私は駅内の観光案内所に行ってみる。オバチャンが言うには、駅前を整備し、先月からバス停も運用になったらしい。
芝生が植えられたことで、駅前でのイベントはやりにくくなっただろうが、それはどこでもできる。それより駅に風格が漂って、格が上がったような気がした。
さてここ志布志には何度か訪れているが、直近は4年前。この時は駅で地元の青年と親しくなり、彼の運転するクルマで市内を案内してもらったものだ。評判のラーメン屋でごちそうしてくれたラーメンの味は、忘れることはないだろう。旅の情けが身に沁みるひとときだった。
今回も見てみたい観光地はあるが、次の日南線は13時12分である。これはタイミング的に乗らねばならない。
構内にはキハ40のディーゼル車がさびしく停まっている。この雰囲気、枕崎と同じである。
だがこの日南線は乗降客の減少がひどく、志布志に至ってはここ数年、乗車数が10人(!)前後で推移している。この列車も、乗客は私のほかに1人いるだけだった。部分廃止の噂もつねにあり、北海道の札沼線同様、乗って応援したい路線のひとつなのだった。







定刻に発車。ほぼ貸し切りなので、気分はまあよい。沿線の景色を楽しみながら、私はアップルパイを食べる。もう、これが昼食になりそうである。
途中下車駅を検討する。日南線沿線の観光地は青島、飫肥、油津くらいだろうか。しかし私はそれらのいずれも、すでに観光してしまっている。ほかにも知られざる観光地はあるかもしれないが、それを見つけるのが面倒だ。
南郷、という駅がおもしろそうだが、どうも観光地がない。
スマホで調べているので正確さを欠くが、鵜戸神宮、があるようだ。ただし南郷からバスと徒歩でだいぶかかる。しかし海岸沿いにあるらしいから日南線が近くを通ってないのかと思いきや、その辺りの日南線は内陸部を通っていた。
いっそのこと、このまま列車に揺られて宮崎まで出てもいいのだが、そこで何をするのかという問題もある。
南郷には14時12分に着いた。バスの時刻も分からないし、本当に鵜戸神宮行きのバスがあるのかも分からない。私はそのまま乗り過ごした。
14時27分、油津着。ここで何と30分の待ち時間である。
途中下車が可能なら表に出るが、私は切符を持っていないし、それに志布志-宮崎間は100km未満だから、途中下車は不可だ。
もう面倒なので、降りることにした。ここは駅員が常駐せず、地元有志の方が事務をしている。私は志布志からの電車賃、940円を払った。
表へ出てみると、どうも雰囲気がおかしい。振り返って、驚いた。
あ、油津駅舎が、「広島東洋カープ」になっていた!!



な、なんだこりゃあ!?
こんなド派手な駅舎は、東京や大阪でも見たことはない。
たぶん油津は、広島東洋カープのキャンプ地なのだろう。しかしこのリニューアル、よくJR九州が許可したものだ。
私はアーケードの商店街を歩く。喫茶店「ABURATSU COFFEE」があった。ここはシャレた雰囲気なのだが、以前訪れた時はゴールデンウイークで、大入り満員で入れなかった。
今日は閑散としており、いい機会なので、入ってみた。
店内は木材を中心とした洋風のオシャレな造りで、70年代のアメリカの雰囲気もある。若い女の子がよろこびそうだ。
アイスコーヒーを注文する(378円)。しかし出てきたそれは紙コップで、ちょっと味気なかった。
アーケード街の商店街を抜けると、「カープ一本道」なるロードがあった。歩道の端に赤い一本道がある。これを辿ると駅近くに戻れそうだ。つまり、町ぐるみでカープを応援しているのだ。もはや全国に広がるカープ応援団。これではカープが強くなるわけである。



西町筏通りの吾平津神社に行ってみる。ここは「男はつらいよ・寅次郎の青春」(第45作)のロケ地で、この手前にある理容店で寅さんとマドンナ(風吹ジュン)が知り合うのだ。
以前来たときはこの橋の袂にベンチがあったが、今は撤去されていた。理容院も、とうにない。
わたしは川沿いを歩いたが、適当なところで引き返す。
駅に戻り、駅のオバチャンに、駅舎のリニューアルを褒めておいた。
お年寄りのグループが入ってきた。礼服を着ているが、何かあったのだろうか。
駅で田吉までの切符を買い、入場する(940円)。ホームには上下線の列車が停まっていた。
これ、札沼線の石狩月形の風景によく似ている。



下り列車は16時16分に発車し、我が上り列車は16時21分に発車した。
もう観光をするテンションはないから帰京するしかないが、飛行機は20時10分で、まだ時間がある。それでスマホから、1便前の19時25分発に変更した。株主優待券利用なので、それができるのだ。
列車は海岸沿いを走り、景色はいい。岡山観光から始まって、広島、博多、熊本、鹿児島。毎年似たような行程ながら、今年もいろいろ楽しかった。いや、例年以上に、虚しさを内包していたけれど……。
青島を素通りし、田吉には17時34分に着いた。ここから宮崎空港へは徒歩30分で着く。
空港までの途中に、中華料理屋があったので入った。列車内で、スマホで調べておいたのだ。
みそラーメンと半チャーハンのセットを頼む(800円)。今旅行で初めてのラーメンだと思う。
みそラーメンはちょっと独特の作りだった。味は可もなく不可もなく、といったところ。
帰り際に大将が、空港までの近道を教えてくれた。
要するに先まで行かず、その手前の小道をヒョイと左に入ればいいという。
それでそれに従ったが、空港に近づいたら、右折するしかなくなった。これなら移動距離が同じじゃないか?
しかも、ここで雨が降ってきた。
私は折り畳み傘を差すが、雨は豪雨になり、後ろのリュックサックにかかって、水浸しになった。
チッ、最後の最後でこれかよ……。天は私を九州から追い出そうとしているのか、はたまた次の観光を歓迎しているのか。
後者だと考えることにした。
(おわり)
コメント
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