一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

美しき島井女流二段との指導対局(後編)

2021-01-18 00:42:33 | LPSA麹町サロンin DIS

第4図以下の指し手。▲3五歩△6四歩▲4三銀不成△6五歩▲同歩△1五香▲同香△1四歩▲3四歩△4二銀▲5四銀成△1五歩▲7七金上△1六歩▲1八歩(第5図)

第4図での指し方が難しいが、時間がなければ▲7七桂くらいでお茶を濁していただろう。しかしなまじ時間があったのがよくなかった。私は▲3五歩と突いたが、半ば遊んでいる△3三銀に語りかけたのは筋が悪かった。
△6四歩に▲4三銀不成もソッポ。ふつうに▲3四歩△同銀▲2四歩でよかった。対局中はそこで△2二飛を気にしたが、▲3五歩で下手十分だった。
島井女流二段は△6五歩▲同歩と突き捨てて△1五香。強引に香交換にきた。そうか△6六香を狙っているのだ。私は▲7七金上を間に合わせ△6六香を防いだが、もうひとつの香打ちがあった。

第5図以下の指し手。△5一香▲5六香△5四香▲同香△3二飛▲3六香△5三歩▲3三歩成△同桂▲2四歩△5四歩▲2三歩成△3一飛(第6図)

△5一香があった。銀が逃げると△5七香成なので▲5六香とつないだが、ここでの駒損は痛かった。
△3二飛には▲3六香がピッタリに見えたが、ソッポに打たされたと言えなくもない。
△5三歩には▲3三歩成が軽手。まだ駒損ではあるが、ここを正確に指せば、私が有利になると思った。ただ△同桂に迷うところで、本譜は▲2四歩と突いたが、▲3四歩もあった。とにかくこのあたりは、指したい手がいっぱいあって、分からなかった。
▲2三歩成に△3一飛。ここで私が敗着を指す。

第6図以下の指し手。▲3二歩△2一飛▲2二歩△6一飛▲3三と△6六歩▲同金左△5五銀▲7五歩△6六銀▲同金△5五金▲同金△同歩▲6六金△5三銀(第7図)

第6図は私の銀損だが、駒を取り返せば、こちらが有利に転じる。私は▲3三ととしたいのを堪えて▲3二歩と打ったが、これがよくなかった。
島井女流二段の△2一飛が好手で、私は▲3三とと取れない。泣きの涙で▲2二歩と打ったが、そこでゆうゆう△6一飛。これは私の駒が渋滞し、飛車が進入できなくなってしまった。
戻って第6図では、平凡に▲3三とが正着。これに△同銀ならやはり平凡に▲同香成とし、△同飛に▲3六歩と収めて下手十分だった。
本譜は遅まきながらの▲3三とに、△6六歩~△5五銀がガジガジのシマイ攻めで、島井女流二段の大好きな手を指させてしまった。
△5五金▲同金△同歩に私は▲4二とと指したい。しかし△6五飛と走られてはダメだろう。またも私は▲6六金と辛抱する。が、ゆうゆう△5三銀と逃げられてしまった。こっちは▲3六香も取り残され、腐るばかりである。

第7図以下の指し手。▲7七桂△7四歩▲4三と△7五角▲同金△同歩▲5三と△7六歩(投了図)
まで、102手で島井女流二段の勝ち。

第7図では▲7六桂と打ちたいが△9三角と引かれ、そこで▲9五歩は遅い。そこで先に▲7七桂が閃いた。次は▲7六桂△9三角▲8五桂が狙いで、これはピッタリの手だと思った。
ところが島井女流二段の△7四歩が好手で、次は何が何でも△7五角から攻めてくる。下手は△7六歩のキズがあり、もう収拾がつかない。よって、▲7七桂は悪手。当初の予定通り▲7六銀と据えるのだった。ただこれでも△7四歩があり、下手は容易ではない。
本譜に戻り、私はどうにでもせいと▲4三と。これには△5四銀と上がられてもダメだったが、島井女流二段は強く△7五角ときた。チッ、これでも下手が潰れてるのか。
私はバカバカしくなり、△7六歩まで投了した。

ほかの2人は中盤の難しいところなので、恐縮しながら感想戦を行う。とりあえず、第7図の▲7七桂は悪手とのこと。こう跳ねたから目標になってしまった。
次に遡上に乗ったのは第3図△6四角の応手だ。島井女流二段が心配したのは▲6五歩だ。以下△5五角▲7七桂△4五歩▲5六歩△4六歩▲同銀△同角▲同角△4二飛▲4七歩△6六歩▲5七金寄△4六飛▲同歩△6七銀▲同銀△同歩成▲同金上(参考A図)となるが、これは島井女流二段のシマイ攻めが切れ気味だ。私は△4五歩の攻めが面倒と見て読みを打ち切ったが、その先を島井女流二段は読んでいた。さすがプロである。

私が後悔したのは第4図での▲3五歩で、ここから動く手はなかった。検討の結果、黙って▲6五銀(参考B図)と引く手が最有力、となった。やはり銀がのこのこ出て行ってはいけないのだ。

そのあとの△1五香▲同香△1四歩にも、1回▲同香があったという。これに△同飛は▲1五香があるから、島井女流二段は△1三歩と受けなければならない。しかしそれは島井女流二段が歩切れとなり、あとの展開が大きく違っていた。
「あと、▲4一角を気にしてたんですよ」
「えっ? どの局面です?」
「(第2図で)△1五歩▲同歩△1二飛と回ったとき、大沢さんは▲3七角と受けたけど、その手で▲4一角……」
「ああ」
「ワタシここに来る前に藤森哲ちゃんの実戦譜を見てきたんですよ。でもその時は▲3七桂と跳ねていて、▲4一角には△1五香▲2三角成に△1七香成(参考C図)が利いたんです。でも本譜は跳ねてなかったから、ああ失敗したなと」

「ああ……。ああそうですよね。飛車の端攻めをする時は、こっちの右桂が跳ねてますもんね。だからこの端攻めが成立するのか不思議に思ったんだ。なんだそうかー」
なんだか島井女流二段をすっかりいい気持にさせてしまったが、まあ、翌日の対局に勝ってくれればいい。
時刻は午後4時45分だったが、感想戦でしばし島井女流二段を独占してしまったし、もう2局目はいいだろう。だいぶ早いが、これで失礼した。

なお麹町サロンはこのたびの緊急事態宣言を受け、2月4日まで休止となった。再開したらまたお邪魔したいものだが、本当は就職を決めて、麹町サロンに行けなくなるようにしないといけない。
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