一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

「白玲~初代女流棋士No.1決定戦~」を見る

2021-01-12 00:13:55 | 女流棋戦
昨年12月20日(日)に、BSフジで「白玲~初代女流棋士No.1決定戦~」が放送された。昨年10月に創設された「白玲戦・女流順位戦」の情報番組で、提供はもちろん「ヒューリック」。毎月1回放送予定で、棋戦単独、民放放送はいずれも異例だ。まさに女流棋界最高の公式戦にふさわしく、私はワクワクしながら拝見した。
冒頭で白玲戦・女流順位戦のシステムを説明したあと、清水市代女流七段(日本将棋連盟常務理事)の説明である。今回の創設にあたり清水女流七段が東奔西走したことは間違いなく、その功績は計り知れないものがある。「和のが真っな……」はなるほどと思った。
続いて注目の女流棋士の紹介となった。毎回2、3人の女流棋士に焦点を当て、その人となりを掘り下げていく形らしい。なおナレーションは声優の早見沙織。早見沙織は1991年5月29日・東京生まれの29歳。身長164cmの美人で、男性ファンも多い。アルバムも発表しているマルチタレントでもある。
まず登場したのは里見香奈清麗・女流名人・女流王位・倉敷藤花と、里見咲紀女流初段である。おふたりは関西圏内でふたり暮らしをしているらしい。
屈託のない里見女流四冠の笑顔が素敵だ。自宅ではメガネでなくコンタクトレンズを使用していて、私はその美貌に呆気に取られた。コンタクトレンズで目に負担がないのなら、対局中もそれでいけばいいのに。ただ将棋ファンからすれば、ビジュアル的にはコンタクトレンズだが、キャラ的にはメガネのほうがいい。この選択は難しいところである。
里見女流四冠は「将棋世界」を読んでいた。これが「息抜きの時間」らしいが、その時間にも将棋!
たぶん里見女流四冠は、24時間将棋のことを考えているのだろう。食事のときも頭の中に局面が入っているし、夢の中でも詰将棋を解いているに違いない。たぶん、トップクラスの女流棋士もこれに近い生活なのだろう。私は、これじゃあほかの女流棋士とのレベルが開いていくばかりだと思った。
ただその一方で、里見女流四冠が私生活を見せることでその神秘性が失われ、マイナスの面も計り知れないと思った。
里見女流四冠は妹の咲紀女流初段と回転寿司に行く。多く食べたほうがごちそうしてもらうというゲームだったが、戦前の予想通り、咲紀女流初段が快勝した。
里見女流四冠としては、妹にお腹いっぱい寿司を食べてもらいたい、という親切心だったのかもしれない。
お次は香川愛生女流三段の登場である。元奨励会員、女流王将2期の彼女は現在もトップグループのひとりだが、最近はユーチューバーとしての活躍のほうが大きい。番組は将棋カフェの一角から始まる。なんとユーチューブの収録現場だった。
私としては、ユーチューブをやっているヒマがあったらその時間を将棋に充てればという老婆心が頭をもたげるが、これが香川女流三段の息抜きであって、人知れぬところでは人一倍将棋の勉強をしているのであろう。
ユーチューブの登録者数は14万人とのこと。この前10万人を越えたと思ったが、急激な伸びだ。ここまでくれば相当な将棋の普及になっているし、本人の顔も売れる。収入も相当な額になっているはずで、香川女流三段にとっては願ったり叶ったり。本人はこのスタンスで突っ走っていくのだろう。
お次は室谷由紀女流三段である。室谷女流三段が結婚前だったらここからのコーナーは神回になるが、いずれにしても貴重な映像になるのは間違いない。
室谷女流三段とスタッフの待ち合わせは早暁の高層マンション前で、ここに室谷女流三段は住んでいるのだ。このエントランスが高級感むんむんで、コンシェルジュが常駐していそうだ。ま、室谷女流三段は私と比べ物にならないほど高収入なわけで、こうしたマンションに住むのが当然である。またその生活レベルの維持が、対局のモチベーションになっているのだろう。
室谷女流三段は近くの公園まで早歩きで行き、縄跳びで体を鍛える。これも対局時の体力造りのためだ。
帰宅すると緑黄色野菜を無造作にちぎり、ジューサーミキサーに放り込む。それをぐいっと飲む姿は男前である。室谷女流三段、宝塚に入団したら、トップに昇っていただろう。
室谷女流三段は将棋の研究も怠らない。ただ室内なのにマスク姿だ。これは対局時の息苦しさに慣れるためだという。公園での体力造りも含め、「対局時に不安を残さない」一環だという。私は唸るしかなかったが、そこまでストイックにやらないとダメなのだろうか。ちょっと取り越し苦労のようにも思った。
女流順位戦の一斉対局になり、清水女流七段にスポットが当たった。上座の清水女流七段は「女流棋士が一斉に指す姿は壮観」と述懐した。その感慨はいかばかりだったか。
続いて里見女流四冠の対局も映し、いい形で番組は終わった。見終えて、とても丁寧な作りになっていると思った。さすが、将棋連盟と繋がりの深いヒューリックである。やはり将棋に理解ある企業が参入すると、ツクリが違う。今回の放送も含め、全回録画をすれば、最後は貴重な女流棋士全集が出来上がるだろう。
第2回の放送は今月24日(日)。次回も楽しみにしている。
コメント (2)
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