一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第2期女流王座戦一次予選・枠抜け予想

2012-05-17 00:08:16 | 勝敗予想
第2期女流王座戦一次予選は、19日(土)に東京・千駄ヶ谷の「けんぽプラザ」で行われる。そこできょうは、17人の枠抜け予想をする。
なお、順当は「◎」、自信アリは「○」、時の運は「△」の印をつけた。

1枠:△室田伊緒女流初段-室谷由紀女流初段
どちらが勝つか、まったく分からない。入籍間近の室田女流初段に1票を投じる。

2枠:渡辺弥生女流1級-○村田智穂女流二段
村田女流二段の新婚パワーを買う。

3枠:△本田小百合女流二段-山田久美女流三段
居飛車党同士の戦い。本田女流二段の攻めがわずかに上回ると見た。

4枠:◎斎田晴子女流五段-野田澤彩乃女流1級
斎田女流五段の貫禄勝ちであろう。

5枠:カロリーナ・ステチェンスカ アマ-高群佐知子女流三段
 上記勝者と◎千葉涼子女流四段
千葉女流四段の将棋が手厚い。

6枠:◎西山朋佳奨励会2級-久津知子女流初段
 上記勝者と古河彩子女流二段
順当。

7枠:△小野ゆかりアマ-安食総子女流初段
 上記勝者と山口恵梨子女流初段
総合的に小野アマの実力が上と見た。小野アマは終盤で慌てないこと。

8枠:渡部愛アマ-石高澄恵女流二段
 上記勝者と△藤田綾女流初段
藤田女流初段と渡部アマが枠抜けを争うと思われるが、どちらが勝つか分からない。指運勝負になると思う。

9枠:△鎌村ちひろアマ-相川春香女流3級
 上記勝者と島井咲緒里女流二段
鎌村アマは粘り強い将棋。落ち着いて指せば、枠抜けできる。

10枠:田村真理子アマ-蛸島彰子女流五段
 上記勝者と◎矢内理絵子女流四段
順当。矢内女流四段には、そろそろ復活してほしい。

11枠:堀彩乃アマ-北尾まどか女流初段
 上記勝者と△鈴木環那女流二段
鈴木女流二段は攻め将棋だが、手厚いところもある。私生活も充実している鈴木女流二段の枠抜けと予想。

12枠:中澤沙耶アマ-船戸陽子女流二段
 上記勝者と○早水千紗女流二段
早水女流二段の過去の実績を買う。

13枠:鹿野圭生女流二段-長沢千和子女流四段
 上記勝者と△貞升南女流1級
決勝は長沢-貞升戦になると思うが、貞升女流1級の攻めがわずかに上回ると思う。

14枠:中倉彰子女流初段-◎長谷川優貴女流二段
 上記勝者と山田朱未女流二段
マイナビ女子オープンでは力を出せなかった長谷川女流二段だが、まあ、ここでは抜けるだろう。

15枠:△熊倉紫野女流初段-伊奈川愛菓女流1級
 記勝者と中村桃子女流1級
誰が抜けるか、まったく分からない。

16枠:香川愛生女流1級-植村真理女流三段
 上記勝者と◎石橋幸緒女流四段
石橋女流四段は女流名人位戦A級リーグで3連勝と好調だ。その勢いを買う。

17枠:中倉宏美女流二段-大庭美樹女流初段
 上記勝者と○井道千尋女流初段
ブログでハジけた文章を披露している井道女流初段を買う。

以上、当たるも八卦、当たらぬも八卦である。出場の皆さんは、女流棋界最高位を目指して、悔いのない将棋を指してください。
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連休後のジョナ研

2012-05-16 00:21:44 | ジョナ研
連休後の11日(金)、今年8度目のジョナ研があった。
ここのところ旅行記を書くのに精を出しすぎて寝不足なのだが、今回も参加することにした。
駒込ジョナサンに午後7時すぎに入ると、店の奥にW氏の姿があった。いつもはHon氏が一番ノリなのだが、きょうは休み。Hon氏も仕事が忙しく、これはやむを得ない。毎回出席している私がヒマなのだ。
私はキャンペーンメニューを頼む。主食1品に副食2品を選んで、1,144円。副食2品(500円相当)は通常メニューの中にもあるので、主食が若干値引きされている勘定だ。
9日の対局(竜王戦6組)で、植山悦行七段が金井恒太五段に勝った。この結果はなかなかに衝撃的で、植山ファンの私でさえ目を疑ったのだが、どうやら事実だったようである。
その戦型を、W氏が問うてきた。W氏は前日植山七段と会い、自戦解説を受けていた。W氏、みなの影に隠れて目立たないが、意外と将棋好きなのである。
私は「相居飛車」と答えたが、実際は「相振り飛車」だった。先手が植山七段で、▲7六歩△3四歩▲6六歩と進んだところ、居飛車党の金井五段が突如△3二飛と振り、それに植山七段も呼応したため、意表の相振り飛車になったらしい。
将棋は植山七段の逆転勝ち。しかし、なんで勝っても勝ちは勝ち。5組昇級目指して、頑張ってください。
しばらく経ってR氏が来た。R氏は仕事の途中だが、ジョナ研での会合を優先させた。その将棋バカぶりには敬服する。
R氏にも、W氏が例の「戦型」を聞く。R氏は「横歩取り」と答えたが、やはり外れ。相振り飛車はさすがに答えられない。
R氏がスマホを取り出す。対局時計の無料アプリがあり、それをダウンロードしたらしい。私も見せたもらったが、シャレたデザインだ。
以前ジョナ研で、ここで対局をするときに、対局時計を使ったらさすがに顰蹙だよなあ、と笑い話をしたことがあったが、これなら使用可能である。ただ、スマホは本来丁寧な取り扱いをするものだから、ポンポンとタッチするのは慎みたいところである。
ところで、ウエイトレスのObataさんは、きょうもいないようだ。のみならず、最近は若いウエイトレスさんが減ったように思うが、気のせいだろうか。
7時50分、Fujが来た。とたんにみんな苦笑いするのは何故だろう。
しばらくバカ話。Fuj氏、帰阪するとき、「将棋世界」付録の「詰将棋タイムトライアル」をやったのだが、そのとき消費時間をいちいち記入していたらしい。生真面目なFuj氏らしいエピソードだと思った。
9時少し前、Kaz氏が来る。ちょっと来るのが遅いが、ジョナ研は12時近くまで開いているので、まだまだ楽しめる。きょうはこの5人。では席の配置を記そう。

    壁
R W

Fuj 一公 Kaz

Kaz氏は食事を摂る。それが済むと、「じゃあ将棋指しましょうか」と言ったのにはたまげた。まだジョナサンに来てから30分である。みんなと雑談をする余裕はないのだろうか。
ともかくFuj氏とKaz氏が席を替わって、R-Kaz戦が始まった。手合いは平手だが、きょうは「対局時計」があるので、持ち時間を設定する。R氏が15分なのに対し、Kaz氏は初手から10秒。
残された私たちは雑談に戻る。私は薄毛の悩みを吐露する。意外だったのは、誰も私の薄毛を否定しなかったことだ。どうも、彼らも私の薄毛を認めていたようだ。ウソでも「そんなことないよ」と言ってくれれば、私も気が軽くなったのだが…。
しかしFuj氏あたりはどうなのだろう。彼だって蓬髪とはいえ、生え際の部分は、けっこうキテルではないか。それを質すとFuj氏は、「あまり気にしてません」とのことだった。彼の人生は、仕事以外はすべて将棋。髪のことなどどうでもいいのだった。
ただW氏は、「(抜け毛予防には)ブラッシングを丹念にやるといいよ」とアドバイスをくれた。
R-Kaz戦は角換わり相腰掛銀になっていた。神経を遣う将棋で、とてもファミレスで指す戦型とは思えない。ついKaz氏が考え込んでしまい、時間切れが2回あったが、リセットして進める。
ところで10秒将棋といえば、某七段が10秒将棋で、アマ有段者(三~五段)を六枚落ちでバッタバッタと負かしているらしい。プロがケタ違いに強いのは私も承知しているが、六枚落ちならさすがにアマが手厚いと思う。
しかし結果は、某七段が9割以上の勝率を誇っているらしい。にわかには信じがたいが、機会があれば、一度お手合わせ願いたいものだ。
R-Kaz戦は、Kaz氏の快勝だった。
Kaz氏は続けて将棋を指したそうだったが、私とR氏が指すことにする。手合いは平手。持ち時間はKaz戦と同じである。
将棋は私の四間飛車に、R氏の急戦。△5二金左としないで△6四歩と待ったのが私の工夫だが、構わず▲3五歩と仕掛けられた。△同歩▲4六銀△3四銀▲3八飛△4五歩。ここで私の読みは▲3五銀△同銀▲同飛△4四角▲3九飛△9九角成▲8八銀△9八馬▲3三飛成△3二香だったのだが、▲3五銀で先に▲8八角と打たれ、思わず考え込んでしまった。
しかし10秒将棋でこれをやったらアウトである。すぐ持ち時間が切れた。恥を忍んでリセットしてもらい、私は△3二金。▲3五銀△同銀▲同飛。ここでまた私が考えてしまい、2度目の時間切れ。Kaz氏が指しているのを見たときは、なんで時間切れになるのか不思議だったが、10秒は本当に短い。
私は目をつぶって△4六歩。ここで▲3三角成△同金▲同飛成、とシンプルに来られたら私が負けていた。
本譜は▲4六同歩だったので、△同飛と飛車が捌けて、少し視界が開けた。
Kaz氏が手持ち無沙汰のようである。Fuj氏がもう一面将棋を出そうとしたので、私が制した。5人中4人が将棋を指したら味が悪すぎる。
R氏との将棋は、以降もむずかしい戦いだったが、最後は私の勝ち。ただし時間切れが2回あったから、実際は引き分けか。
それはともかく、R氏は勉強熱心で、毎回新しい工夫が出る。次にR氏と指すのは合宿の席になるが、いまから再戦が楽しみである。
続いてFuj氏とKaz氏がついに対戦。ジョナ研で1位と2位を争う将棋バカの対局である。これが熱戦にならないわけがない。戦型はまたも角換わり腰掛銀。アマチュアの間では不人気だと思うのだが、このふたりは求道者のごとく指し手を進める。
そういえば、とW氏が話したのだが、先日発売された久保利明九段著「久保振り飛車実戦集」では、四間飛車の項で、植山七段との将棋が収録されていたらしい。サブタイトルが「イビアナを翻弄する」だったそうで、植山七段が斬られ役だったのは残念だが、植山七段の棋譜が解説されている書物はそうない。この本は植山ファンにとっても必読の書となりそうである。
きょうは飲んべえのKun氏とHon氏が欠席なので、あまりオーダーできない。私は少しでもジョナサンの売り上げを伸ばそうと、腹いっぱいなのに、おつまみをオーダーする。これではまた太ってしまう。
Fuj-Kaz戦は、Kaz氏の勝ち。詰めろ逃れの王手が見事だった。角換わり将棋はスリリングで、傍から見ているぶんには面白い。
中井広恵女流六段の話題になる。私が「中井先生はかわいらしいよね」と言うと、Kaz氏が「ああ…」と身悶えする。Kaz氏は石橋幸緒女流四段のファンのはずだが、中井女流六段ネタもお好きらしい。
そのほかにも、ジョナ研ならではの新鮮ネタが飛び交う。プロ棋士や奨励会員がどの程度理解しているか分からぬが、私たち日本の仕事社会は、将棋の世界に負けず劣らず、厳しいものである。将棋の世界に比べればちょろいものだ、とナメてかかると、ひどい目に遭う。
そこのところをよく理解しないと、今後も同じ過ちを犯すだろう。
時間の経つのは早く、もう11時を過ぎた。あすも用事がある人も多く、きょうは11時半に散会となった。
きょうも楽しいジョナ研だったが、今月から来月にかけては皆さん忙しく、つぎのジョナ研開催は、ちょっと先になりそうである。
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島井咲緒里女流二段は、杉本有美、早坂ひとみ、渡辺直美に似ている

2012-05-15 00:07:33 | 似ている
きょう5月15日は、島井咲緒里女流二段の32歳のお誕生日。おめでとうございます。
きょうの「LPSA詰め将棋カレンダー」にも島井女流二段が出題しているが、5手詰ながら秀逸。ここまでで一番の作品である。
その島井女流二段は、グラビアアイドルの杉本有美、元AV女優の早坂ひとみ、お笑いタレントの渡辺直美に似ていると思う。
本年1月3日の当ブログで、「室谷由紀女流初段は杉本有美に似ている」と書いたが、同時に「島井咲緒里女流二段も杉本有美に似ている」とも書いた。今回はそれを正式にエントリしたわけである。
島井女流二段と杉本有美、どちらも目がパッチリしていてかわいらしいが、杉本有美がバッサリ髪を切って、いっそう島井女流二段に似てきた。とくに大正製薬「VICKS」のCMで、杉本有美が眼をつぶってうがいをしているさまは、もう島井女流二段そっくりである。もっとも、島井女流二段が眼をつぶっている顔は見たことないが。
元AV女優の早坂ひとみも、島井女流二段によく似ている。早坂ひとみは1982年6月28日生まれの29歳。新宿でスカウトされ、2001年ビデオ界デビュー。そのあどけない笑顔と艶技で、一躍スターになった。2006年、惜しまれつつ引退。ビデオ女優のイノチは本当に短い。
現在早坂ひとみは会社を興し、自らもタレントとして活動している。ブログも開設しているので、興味のある方は検索されたい。
和製ビヨンセこと渡辺直美も島井女流二段に似ていると思う。渡辺直美は1987年10月23日生まれの24歳。現在は「笑っていいとも!」の月曜レギュラーで活躍している。テレビで渡辺直美を観るとき、どうも既視感があったのだが、それは島井女流二段が脳裏にあったからだった。このふたり、体型はまったく違うが、顔のパーツはどれもそっくりである。
なお渡辺直美もブログ(渡辺直美の潮水)を開設している。興味のある方は一読されたい。
さて島井女流二段は女流名人位戦B級リーグで奮闘中。緒戦の千葉涼子女流四段戦では、終盤で詰みを逃し、苦いスタートとなった。現在0勝2敗は苦しいが、まだ残留の望みはある。ここはダンナさんにいっそうの教えを乞い、いま一度頑張ってもらいたい。
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九州旅行10・終わり良ければすべて良し

2012-05-14 00:47:32 | 旅行記・G.W.編
私が、はい、と応えて雑談が始まった。屋久島や九州新幹線などについて、話が弾む。屋久島は世界遺産に登録されてから観光客が増え、自然が破壊されつつあるという。私だって時間が許せば一度は訪れてみたいから、いやまあ、それほど訪れたくもないが、とにかくむずかしい問題である。
また九州新幹線が全通してからは、博多から出張で来た人が、日帰りするようになってしまったらしい。
東海道新幹線が開通したとき、大阪へ出張した人が東京に日帰りするケースが頻発したらしいが、数十年の時を経て、同じ事態がここ鹿児島でも起こったのだ。
おばちゃんは、白ごはんをサービスしてくれた。九州の女性は旅人に優しいのだ。それにしても今回の旅行では、おばちゃんとよく世間話をした。なんだか、どこに行っても女性ばかりだった気がする。九州の女性は働き者なのである。
チャンポンは野菜や海鮮がふんだんに入り、美味かった。スープを最後の一滴まで飲み干して、乳酸菌飲料を飲んで、アメがついて650円。これもお値打ちだった。今回の旅行では、食事代が最高でも1,030円だったが、どれも安くて美味かった。
そういえば、この店は何という名前なのか。店を出るとき看板を見ると、「山ちゃんらーめん」と書かれていた。また来たいと思う。
鹿児島は天文館に寄りたかったが、事前の計画に不備があり、今回は時間が取れなかった。これも次回のお楽しみとしたい。
私は空港行きの最終便に乗る。これが最後の「SUN Qパス」利用である。
19時40分、バスは鹿児島空港国内線ターミナルに到着した。早速チェックインをする。席は「15B」だった。3人席の中央だが、満席に近いので、この配置はやむを得ない。
発車10分前、飛行機に搭乗する。これはソラシドエアとの共同運航便だった。
15の席に向かうと、A席に女性が先着していた。これは珍しいことで、飛行機では女性と男性のひとり客は、極力隣り同士にしないと思う。
ちょっとニヤケながら席に座るが、オーディオ機能がないのには参った。これはソラシドエア所有の飛行機なのだった。ソラシドエアは大手航空会社より価格が安いので、機内の設備を簡略化するのはやむを得ない。
しかしANAで予約した者は、それなりの料金を払っている。料金は大手、機内設備は新参会社では、合点がいかない。ANAが機内販売で何を売っているか、それも確認したかった。
私が膨れている間にも、続々と客が乗ってくる。と、私の右に、モデル風の女性が座った。
右も? 左右両方、女性!? 私が個人旅行で初めて飛行機に乗ったのは何年だったか。もう20年は経っているはずだが、左右に女性が座ったのは初めてである。
こうやってヒトを喜ばせといて、女性が突然席を変わることはあるまいな、と警戒する。もちろん、そんなことはなかった。私がこの席になったのも、あの時間にチェックインしたからで、それも元をただせば、朝のバスに乗り遅れたからである。やっぱり遅れてよかったのか。
関東地方は空が荒れているということだったが、飛行機はほぼ定刻に出発した。この便のスッチーは3人。ひとりは島井咲緒里女流二段と本田小百合女流二段を足して2で割り、15センチ背を高くした感じ、もうひとりは村田智穂女流二段似、そしてもうひとりは、筋のいい上田初美女王という感じだった。
なんだかんだいっても中身の濃い4日半で、さすがに疲れたが、左右に女性がいるせいか、緊張して眠れない。
両手に花。女流棋士でいえば、中井広恵と石橋幸緒に挟まれた感じか。
いやそれはキツイな。中倉彰子と宏美姉妹か。
いやそれもちょっと…。やはり室谷由紀ちゃんと山口恵梨子ちゃんであろう。
まあ現実的には、左の女性がキャリアウーマン風の鈴木砂羽、右の女性がツンデレ風の吉木りさか三津谷葉子、というイメージだった。
それでも時間が経つにつれ穏やかな気分になって、私は目をつぶった。いろいろあったが、終わり良ければすべて良し、だ。今回も楽しい旅行だった。東京までは、あと少しである。
(おわり)
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九州旅行9・砂むし温泉に入る

2012-05-13 00:15:24 | 旅行記・G.W.編
やっぱり来たか、と思う。しかし彼女とは最初から何もなかったので、そう答えるしかない。
女主人は、それでよかったのよ、と、妙な慰め方をしてくれた。
名残惜しいが、女主人とはここでお別れ。11時30分の東大川行きバスに乗る。乗客は私を含め3人。ゴールデンウイークの最終日。さすがに乗客は少ない。
バスは枕崎市内をのんびりと走る。うつらうつらしてくるが、これぞ旅行の醍醐味、至福の時である。
12時01分、東大川着。広大な転車場にもう1台バスが来て、そちらに乗り換えた。12時12分、東大川発。乗客はひとり減って、2人になった。少し走ったところでその客が降り、客は私だけになった。旅行5日目にして、初の貸し切り状態である。
しかしその後、ボチボチ客が乗ってきた。それでよい。ローカルバスは客のノリがすべてである。
きのう買った2リットルの緑茶をスーパーの袋から出し、ごくごく飲む。次のバス停は「砂むし会館前」である。私がいつも利用している「砂むし温泉・砂楽」の最寄りだ。しかし誰も降車ボタンを押さない。チキンレースに負けたようだが、私がボタンを押した。
ところが「砂むし会館前」で下車したのは私ひとりだった。ちょっと意外である。
「砂楽」の2階で受付をするが、先客が誰もいない。閑散としすぎてないか。
1階に下りて、脱衣所に入る。しかしここも、客がひとりもいなかった。昨年来たときは、150近くあるロッカーがすべて塞がり、服を脱ぐことさえままならかった。日にちが違うといえばそれまでだが、極端すぎる。
浴衣に着替えて、浜に出る。と、いつもは塀際のテント下に招かれるのに、今年は波打ち際に招かれた。いまの時間は干潮で、客はそちらに招んでいるらしい。砂むし温泉は6~7回目になるが、これは初めての経験である。
横になって砂をかけてもらう。とたんにじんわりと、汗が出てきた。ミニパラソルで日射しが遮られ、まぶしさはない。空は雲ひとつない快晴である。水晶体が濁っているから、糸くずが視界を動いている。静寂なひととき。
指先がドクドクいって、血液が体中を巡っているのが分かる。砂むし温泉の効能は、温泉入浴の4倍の効果があるらしい。その数字に裏付けがあるのかどうか分からぬが、全身からじっとり汗が出てくると、毒素が抜けていく感覚がある。とくに最近の私は肥満状態なので、ひときわその感が強い。
温泉といえば中倉宏美女流二段だが、砂むし温泉はどうなのだろう。中井広恵女流六段か、藤森奈津子女流四段というところか。思い切って山下カズ子女流五段という手もある。
もう15分くらい経ったろうか。私の左で、私より一足先に埋まった初老の夫婦は、上がるどころか、砂を足してもらっている。しかし順番からいっても、私はあの夫婦より先に上がるわけにはいかない。
係のおばちゃんがご夫婦に、
「あまり浸かりすぎると、立ちくらみを起こすことがあるから気をつけてくだいね」
と注意を促す。それから2、3分経って、ふたりはようやく起き上った。私もすかさず続く。
20分くらい蒸されていたろうか。もう浴衣はグッショリである。そう、ここの砂むし温泉に入ったら、さすがの山口恵梨子ちゃんもグッショリである。
宏美女流二段もグッショリグッショリである。
室谷由紀ちゃんもグッショリグッショリグッショリである。
そして中井女流六段も、グッショリグッショリグッショリグッショリである。
そのまま大風呂に直行する。サッパリして砂楽を出、再び砂浜に向かう。30人近くの客が、砂に埋まっていた。そのとき、浜に
「きょうは13:30から、波打ち際での砂むし温泉になります」
の看板が立てられていたことに気付いた。ということは、私がバスに乗り遅れなければ、波打ち際に入れなかったということだ。遅れてよかったと思った。
砂楽の先に、うまいラーメンを食わせる中華料理屋がある。そこに向かったが、準備中になっていた。残念。私はそのまま、JR指宿駅に向かう。
時刻は午後2時35分になっていた。駅前にバスの案内所があるので、鹿児島中央行きの時刻を確認する。すると、15時18分のバスは休日で運休となっていた。その次は16時33分である。マジか!? これは計算外だった。
芸能人ではないか、と見紛うモノスゴイ美形の女性職員に聞いてみるが、鹿児島中央行きはやはり、その時間までないとのことだった。
朝のバスを間違えなければ、13時48分のバスで鹿児島中央まで行けたのに、何てことだと思う。もっともその場合、指宿の中華料理屋で昼食を摂っていたろうから、どの道13時48分のバスには乗れなかったかもしれない。
知覧行きのバスが来た。しかし知覧は一度行ったことがあるし、第一知覧まで行ったら、そのあとのスケジュールに支障を来たすかもしれない。きょうは鹿児島空港20時35分発のANA便に乗るから、とにかく鹿児島中央駅には戻っておきたい。
JRの列車も調べるが、次の15時01分発は「特急たまてばこ」で、通常料金のほかに特急料金まで取られる。これは意地でも乗れないところである。
とりあえず昼食だ。しかし駅付近の食事処も申し合わせたように、どこも準備中だった。
何か食べ物はないか。そうだ、砂の祭典のビンゴゲームでもらったスナック菓子が、もうひと袋あった。「ベビースターラーメン」。この歳になって、ベビースターラーメンか。ポリポリ食べるが、チキンの風味が利いていて美味い。これは永遠のB級駄菓子であろう。
イタリアン料理の店が空いていた。しかしテーブルに着くと、いまはケーキセットしかないという。ああもう、ここも食事ができないのか!
私は駅前に戻る。鹿児島空港行きの直行バスがある。これに乗れば簡単だが、空港に行ってから時間を持て余す。バカバカしいようでも、鹿児島中央を経由しなければならないのである。
あー腹減った。指宿ビジターセンターが入っている指宿公園の向かいに、スーパー「タイヨー」があるが、私はいま、左手に別のスーパーの袋をぶら提げているので、ちょっと入りにくい。
仕方ない。私はHottoMottoに入った。「竹・幕の内弁当」490円をオーダーする。これは白飯が炊きこみご飯に替えられる。桂三枝がCMでやっているやつだ。まさか指宿まで来て、この弁当を買うとは思わなかった。
公園にお邪魔し、ベンチに座って幕の内弁当を食べる。ベンチでの食事は2度目だ。
腹もくちて駅前に戻る。バス停の時刻表を改めて見るが、知覧行きのバスは、途中で喜入(きいれ)に寄っていた。そこでJRに乗り換える手もあったようだ。いずれにしてももう少し、鹿児島中央行きのルートを検討するべきだった。
16時33分の鹿児島中央行きが来た。ここまでホントに、長かった。バスはJR指宿枕崎線に沿って走る。左手に鉄路、右手に海岸線を見ながら走るシチュエーションはオツなものだ。
定刻6分遅れの18時16分、バスは鹿児島中央バスターミナルに到着した。
ここからすぐ鹿児島空港に向かうのは味がわるい。直行便の最終は19時00分である。私はもう一度、きのう入った中華料理店に向かった。
一番街商店街は、店が閉まるのが早い。まだ6時を過ぎたばかりなのに、きょうも各所でシャッターが下りていた。
かの店も、店を閉めそうな雰囲気があった。しかしまだ開店中である。私はすべりこみで入店し、チャンポンを頼んだ。
おばちゃんはきのうのように手早く調理を済ませると、モノスゴイ量のチャンポンを出してきた。いざ目にすると、圧倒される。一口そばをすするが、美味い! しかし、空腹ならもっと美味かったはずだ。こんなことなら、指宿で幕の内弁当を食べるんじゃなかった。
「ご旅行ですか?」
珍しく、おばちゃんが話しかけてきた。これは初めてのことだった。
(つづく)
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