一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第71期順位戦・名人挑戦者および昇降級者予想

2012-05-22 01:05:06 | 勝敗予想
現在は第70期名人戦七番勝負の真っ最中だが、すでに第71期の順位戦組み合わせが発表されている。そこできょうは、名人挑戦者と各クラスの昇降級者を予想する。

A級:名人挑戦・渡辺明竜王・王座 降級・谷川浩司九段、橋本崇載八段
A級第1位は羽生善治王位・棋聖になるにせよ森内俊之名人になるにせよ、渡辺竜王が挑戦すると予想する。竜王8期の渡辺竜王。そろそろ名人戦の檜舞台に上がらなければならない。
降級は谷川九段と橋本八段。谷川九段はここ数期早々と残留を決めてはいるのだが、理事をやっている間は、いまひとつ信用できない。竜王戦も2組から3組に降級が決定してしまったし、A級も降級とする。
もうひとりは順位9位の橋本八段とした。順位最下位の深浦九段も怪しいが、今度は4勝でも残るだろう。

B級1組:昇級・木村一基八段、広瀬章人七段 降級・井上慶太九段、飯塚祐紀七段
鬼の棲家・B級1組は予想がむずかしいが、昇級のひとりは木村八段とした。木村八段は頭の毛がさびしいことになっているが、それだけに頑張ってもらいたい。
広瀬七段は、前期10勝0敗の実績を買った。この予想は、わりかし自信がある。
降級は、何となく自信がなさそうな井上九段と、ちょっぴり影の薄い飯塚七段とした。

B級2組:昇級・戸辺誠六段、佐藤天彦七段
戸辺六段、佐藤七段とも、センスのいい将棋、というイメージがある。飯島栄治七段、豊島将之六段ら昇級候補が多いが、先のふたりを昇級とした。

C級1組:昇級・金井恒太五段、中村太地六段
棋聖挑戦を決めた中村六段は、どんな手が出てくるか、鑑賞していて楽しい。前期は圧倒的な勝率だったし、当確だろう。
ふたり目の昇級者は、阿部健治郎五段、船江恒平五段ら候補者が多い中、将棋のセンスのよさそうな金井五段とした。とはいえこのクラスは、終わってみないと分からない。

C級2組:昇級・菅井竜也五段、永瀬拓矢五段、牧野光則四段
前期9勝1敗の菅井五段は、腐らずに指せば昇級できる。
順位戦3期目の永瀬五段は、そろそろ昇級したいところ。
牧野四段はNHK杯で拝見したが、将棋オタクっぽくて、それが逆に凄味があった。牧野四段の負けるイメージが沸かない。
以上の3人を昇級者とした。

順位戦は年9~12局の長丁場。皆さま体調に気をつけて、悔いのない将棋を指してください。
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第2期女流王座戦一次予選・枠抜け予想の答え合わせ

2012-05-21 01:30:22 | 勝敗予想
17日のブログで、第2期女流王座戦一次予選の枠抜け予想をしたが、きょうはその答え合わせをする。左が予想、右が結果である。
なお予想時に、順当は「◎」、自信アリは「○」、時の運は「△」の印をつけた。

1枠:△室田伊緒女流初段→室谷由紀女流初段

2枠:○村田智穂女流二段→正解

3枠:△本田小百合女流二段→正解

4枠:◎斎田晴子女流五段→正解

5枠:◎千葉涼子女流四段→正解

6枠:◎西山朋佳奨励会2級→正解

7枠:△小野ゆかりアマ→山口恵梨子女流初段

8枠:△藤田綾女流初段→正解

9枠:△鎌村ちひろアマ→島井咲緒里女流二段

10枠:◎矢内理絵子女流四段→正解

11枠:△鈴木環那女流二段→正解

12枠:○早水千紗女流二段→中澤沙耶アマ

13枠:△貞升南女流1級→正解

14枠:◎長谷川優貴女流二段→正解

15枠:△熊倉紫野女流初段→中村桃子女流1級

16枠:◎石橋幸緒女流四段→正解

17枠:○井道千尋女流初段→中倉宏美女流二段

以上、11勝6敗だった。内訳を書くと、「順当◎」は6勝0敗、「自信アリ○」は1勝2敗、「時の運△」は4勝4敗だった。△印は当たるも八卦、当たらぬも八卦だったから、この結果はまずまずといえよう。
ちなみに、間違えた計6枠中、中澤アマを除く5女流棋士は、「私が勝手に選ぶ女流棋士ファンランキング」のトップ10入りした実績がある。もちろん彼女らを推したかったが、そうはいかない。いつも言うことだが、「願望と予想は違う」のである。
なおこの日いちばん感動したのは、5枠1回戦の高群佐知子女流三段とカロリーナ・ステチェンスカさんの将棋だ。大激戦の末、カロリーナさんが高群女流三段を破った。外国人で、あんなにしっかりした将棋を指す女性がいるとは思わなかった。異論はあろうが、これは女流棋界にとって、よろこぶべきことだろう。
女流王座戦はこれから、二次予選、決勝トーナメントを経て、やっと挑戦者が決まる。まだまだ道のりは長いが、枠抜けをした皆さまは、女流王座目指して頑張ってください。
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「鍵のかかった部屋・盤端の迷宮」を観る

2012-05-20 00:05:31 | 将棋雑記
フジテレビ系毎週月曜午後9時、いわゆる「月9」は今クール、「鍵のかかった部屋」を放送している。貴志祐介原作のミステリーで、全編「密室」を主題にしているのがウリだ。脚本は相沢友子。
セキュリティ会社に勤める榎本径(嵐・大野智)は、大金庫に閉じ込められた弁護士・芹沢豪(佐藤浩市)を助ける。それが縁で、芹沢の部下・青砥純子(戸田恵梨香)と3人で、さまざまな密室事件の真相を掴む、というストーリーである。
一切笑顔を見せない、大野智の演技が秀逸。三谷幸喜作品でのコミカルな演技がすっかり板についた、佐藤浩市の演技も可笑しい。戸田恵梨香は、TBS系「SPEC」・当麻紗綾刑事のイメージが強いが、ここでは常識的な弁護士を巧みに演じている。
その第3話「盤端の迷宮」が、4月30日に放送された。将棋がテーマになっていると聞いていたが、楽しみ半分、不安半分というところだった。
推理ドラマで将棋が取り上げられたことは何度かあり、1994年放送「警部補・古畑任三郎」の「汚れた王将」、2008年放送「相棒Season7」の「希望の終盤」などが有名である(余談だが、「相棒・希望の終盤」は、水谷豊と久保利明九段との対談から、そのハナシが生まれたという)。
この「希望の終盤」はともかく、「汚れた王将」は、将棋を趣味にしているものが観ると、ハナシがメチャクチャだった。
まず、タイトル戦の場に一般人がうろちょろするのがおかしい。ましてや封じ手用紙の上で、古畑が宅配便受領のサインをしてしまうなど、絶対にあり得ないことだ。
犯人役坂東三津五郎が飛車を成らなかったのも、犯行を隠すためとはいえ、かなり無理がある。そもそも、指し掛けの夜は、対局の駒は仕舞われているはず。こんな杜撰な管理はあり得ない。
…と、アラをいちいち挙げていたら、このエントリの主題がずれてしまうので別の機会に譲り、「盤端の迷宮」に移る。
将棋棋士の竹脇五段が、ビジネスホテルで刺殺体で発見された。部屋には鍵がかかっており、チェーンも下りていた。現場検証をしていると、恋人の来栖奈穂子(なおこ)奨励会三段(相武紗季)が現れた。現在奈穂子は26歳で、今期の三段リーグがラストチャンスなのだった。そして奈穂子は、四段昇段にあと一歩のところまで来ていた。
…と、あらすじを書いても意味がないので、詳細を知りたい方は同番組のホームページで確認していただくとして、細かいところで、アレッ? と思う場面がいくつかあった。
まず、奈穂子が昇段争いをしているということは、勝ち越しを決めているということで、現在の日本将棋連盟のルールでは、次期も三段リーグが指せるのだ。ということは、これがラストチャンスというわけではない。
次に、東京・将棋会館が、千駄ヶ谷にあるそれではなく、郊外に建てられていそうな、ずいぶん立派な建物だった。数年後の将棋会館、というところか。
奈穂子が「四段昇段」を「四段昇級」と言っていたのはご愛嬌。三段リーグが「プロ昇格戦」と名付けられていたのもいいとしても、このリーグ戦を、榎本ら一般人が観戦できるというのはどうなのだろう。プロ昇格戦は、四段昇段を懸けた真剣勝負である。序盤ならいざ知らず、終局まで見られるシステムというのは、常識的に見ておかしいと思う。
また、そのプロ昇格戦を、ネット中継している、というのも分からない。むろん実際の奨励会ではそんなことはない。
さらに榎本ら観戦者が、あんなに遠くから奈穂子の将棋を確認できるのが不思議だ。いくら視力がよくても、あんなにハッキリ見えないだろう。これは、同様に観戦している、稲垣真理奨励会1級にも同じことがいえる。
さらに今回の話では、将棋ソフトの終盤の読みが、プロ棋士(奨励会員)のそれより正確、という位置づけで構成されていた。これは話の重要な鍵ではあるのだが、日本将棋連盟としては屈辱の設定ではあるまいか。
もっとも今年の1月、米長邦雄永世棋聖が将棋ソフトに負けてしまったから、その設定は正しいとも言えるのだが…。
そんなソフトのチカラに頼ってしまう奈穂子は、志が低い。こんなことでは四段になれないし、なってからも苦労が待っているだけだ。
密室のトリック自体は、「犯人は誰だ!」的な本にも出ていたもので、肩すかしを食った。
またそれを補完する証拠が、いまひとつ理解できなかった。奈穂子が盤上の駒をテーブルに戻したことが、果たして決定的な証拠となるのかどうか…。
さらにこのドラマ全体をゆるい印象にしていたことがある。それは、奈穂子役の相武紗季らの、将棋を指す手つきが覚束なかったことだ。
私は以前「将棋ペン倶楽部」に、「手つきについて」という題で一筆書いたことがある。「ドラマで将棋棋士の役で出演する人は、手つきをそれらしくしてほしい」という主張だった。
今回もそれがいえる。奨励会の対局だから、駒が安物だったのはいいとしても、あの手つきはいただけない。あれじゃあ初級者である。
役者がプロ棋士のごとく、ピシッと指すからこそ、話に厚みが出る。リアリティが出る。役者はセリフを覚えるよりも、将棋を指す手つきを勉強すべきだった。
最後、榎本と奈穂子が平手で将棋を指す、というのもよく分からなかった。奈穂子は女流三段ではなく、奨励会三段なのだ。その彼女と平手で指す榎本は、どれほど将棋が強いのだ。
それにしても解せない。原作の貴志祐介氏は、「ダーク・ゾーン」で第23回将棋ペン倶楽部大賞・特別賞を受賞している。当然将棋界や奨励会のシステムも熟知しているはずで、それならこんな小説は書かないと思うのだが…。
最後になるが、ドラマを観て、ほほう、と感心したこともある。話の中盤で登場した中野四段役の忍成修吾が、いかにも今風の若手棋士、という感じで、妙にリアリティがあった。
また、稲垣1級役の山下リオが、ちょっと室谷由紀女流初段に似ていたのもよかった。このキャスティング、よもや室谷女流初段似の女優を選んだのではあるまいな。
いろいろ書いたが、「鍵のかかった部屋」は、スピーディーで面白いことはたしかだ。今後も期待している。
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2011年度・コメント大賞

2012-05-19 01:57:30 | 将棋雑記
当ブログの2011年4月1日から2012年3月31日までのエントリに対して、69名、710のコメントをいただいた。
きょうはそれらの中で、印象に残ったコメントを挙げる。便宜上、「大賞」と「入賞」としたが、あまり意味はない。

・大賞
8月26日エントリ『沖縄旅行延長戦・運命の一日(後編)』
8月27日コメント・セサミン「われ泣き濡れて」
『船戸より 見ゆる島井は ひとのもの
われ泣き濡れて 駒とたわむる セサミン石川
船に揺られ離島巡りをする男、舳先から見える美しい島、そこには清らかな水の湧く井戸がある。両手で水をすくい喉の渇きを癒したいが、それは他人のもの、手を触れる事さえ許されない。
無聊を慰めるため、友と将棋をするが寄せが甘く詰みを逃してばかり。そんな悲しい男の歌。』
ブログ本文は、那覇空港を舞台に、船戸陽子女流二段の結婚を知るまでの、運命の一日を描いたもの。
このコメントは、悲嘆にくれる一ファンの想いを、船戸女流二段と島井女流二段の名字を巧みに入れて、息苦しいまでに美しく描いている。いままでいただいたコメントの中で、ピカ一である。

・入賞
4月18日エントリ『女流棋士読み書き問題』
4月19日コメント・不透明人間「Unknown」
『「里見香奈」は、見なければ香里奈 m(_ _;)mゴメン!!』
返信にも書いたが、座布団を何十枚もあげたくなるような、キレのあるコメント。

9月17日エントリ『「PJ(ピーチ・ジョン)・2011年秋号」を買う』
9月17日コメント・さわやか風太郎「後悔のないよう」
『かの宮本武蔵も。「われことにおいて後悔せずと願う」。
五輪の書に読み耽っていた中学生のときはこの詩を諳んじていた。
今も店頭に並んでいると思うが、どうも会社経営の心得帳のような解説が付いていて興醒めである。
現代文に直してくれるだけで十分だ。』
ブログ本文には、これからの人生、悔いのないように生きる、と書いた。
このコメントはそれに呼応したもの。いまはピンと来ないが、一読した当時は、ずいぶん感心した覚えがある。

3月18日エントリ『我が誕生日に思うこと』
3月18日コメント・中沢「Happy Birthday」
『今日偶然、久しぶりにPCの中のメールの整理をしていた時
何となく前回いただいたメールを通してこのブログを開けました。

まあ、なんと今日は偶然にもお誕生日だったんですね。
おめでとうございます。私も毎日色々バタバタ過ごしていて
日々愚痴が絶えませんが(苦笑)、元気で毎日すごせるのは素敵な事です。

まだまだそちらは寒いかと思いますがお体には気をつけて
楽しい一年になるように願ってます。』
中沢(中澤)さんは、私が新卒で入った会社の同僚である。彼女は私がいままで出会った女性の中で最も美しく、そして今後の人生でも、彼女より美しい女性に出会うとは思われない。武田久美子似の彼女は、そのくらい綺麗だった。
当時私は彼女に、ミスコンテストに出るよう何度も勧めたが、結局彼女は出場しなかった。もし出場していれば入賞確実、芸能界に入っていたと信じて疑わないが、こればかりは本人の意向だからしようがない。人の運命とはそんなものである。
いまをさること20年前、その会社の有志で、ガーラ湯沢にスキーをしに行った。その帰りに越後湯沢駅前でへぎそばを食べたのだが、今年1月に越後湯沢を久しぶりに訪れた際、そのときのことが強烈に思い出されて、私は数年ぶりに、彼女にメールを送ったのだった。
メールアドレスは奇跡的に「生きて」いた。返事が来たときは信じられず、自分がフィクションの世界にいるかと思った。
彼女はとても元気そうで、メール上ではあったが、私たちは旧交を温めた。
彼女はいま、外国暮らし。もし帰国することがあったら、ゼヒ飲みに行きたいものだ。
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第34期女流王将戦予選・勝ち抜け予想の答え合わせ

2012-05-18 00:07:52 | 勝敗予想
4月5日の当ブログで、第34期女流王将戦予選の勝ち抜け予想を書いたが、きょうはその答え合わせをする。
左が予想、右が結果である。

1枠:村田智穂女流二段→正解

2枠:長谷川優貴女流二段→正解

3枠:香川愛生女流1級→室谷由紀女流初段

4枠:矢内理絵子女流四段→正解

5枠:岩根忍女流二段→正解

6枠:清水市代女流六段→正解

7枠:小野ゆかりアマ→早水千紗女流二段

8枠:鈴木環那女流二段→正解

9枠:千葉涼子女流四段→正解

10枠:中井広恵女流六段→正解

11枠:船戸陽子女流二段→正解

12枠:島井咲緒里女流二段→高群佐知子女流三段

3枠は、女流棋士ファンランキング2位の室谷女流初段を推したかったが、予想と願望は違うので、涙をのんで香川女流1級を推した。しかし結果は、室谷女流初段が勝ち抜け。まずはめでたい。
7枠は小野アマを推したが、プロ2人抜きはやはり厳しかったか。実力者の早水女流二段が抜けた。
12枠は島井女流二段の勝ち抜けと予想したが、初戦負け。島井女流二段は結婚後好調と見られていたが、実際どうなのだろう。たまたま勝ちが固まっただけかもしれない。
以上、12枠中9枠正解で、正解率は75%だった。ほとんどが4人一組のトーナメントだったから、その中でこの正解率は大健闘と思う。
女流王将戦本戦は、ケーブルテレビではあるもののテレビ対局となり、ビジュアル的にも自分をアピールできる絶好のチャンスとなる。本戦入りの皆さまは、1回でも多くテレビ出演ができるよう、悔いのない将棋を指してもらいたい。
…と言ってるそばから挑戦者を予想すると、中井女流六段を挙げたい。中井女流六段の将棋は、ほかの女流棋士と質が違うと思う。タイトル戦から遠ざかること5年。そろそろ檜舞台に上がってもらいたいところである。

※18日~20日と、将棋合宿に行ってきます。
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