一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第1回女子将棋YAMADAチャレンジ杯の、予選8局の勝敗予想の答え合わせ

2015-06-20 14:00:53 | 勝敗予想
昨日の女子将棋YAMADAチャレンジ杯・渡部愛女流初段―和田あき女流初段の一戦は、渡部女流初段の勝ち!! 渡部女流初段はうれしい高崎行きを決めた。
昨日までで予選の8局が終わった。当ブログでは6月3日に勝敗予想を行ったので、今日はその答え合わせをする。対局結果を書いて、照らし合わせてみよう。

1枠
●伊藤沙恵女流初段―○山根ことみ女流初段→不正解
伊藤女流初段は早指しに弱いらしい。倉敷藤花戦の結果も合わせ、ちょっと伊藤女流初段の評価が下がった。山根女流初段はお見事でした。

2枠
●相川春香女流初段―○竹俣紅女流2級→不正解
相川女流初段は、イビアナ相手に工夫がなさすぎたのではないか。竹俣女流2級は、渡部女流初段との一戦も含め、かなり評価を上げた。

3枠
○熊倉紫野女流初段―●小野ゆかりアマ→正解
難しい戦いを熊倉女流初段が制した。やはり穴熊は玉が遠い。

4枠
○中澤沙耶女流2級―●北村桂香女流1級→正解
中澤女流2級がごちゃごちゃした将棋を制した。これは強い証拠だ。今後も期待できる。

5枠
○渡部愛女流初段―●和田あき女流初段→正解
相矢倉が新鮮に映った。努力家の2人らしく、見応えのある好局だった。

6枠
●渡辺弥生女流初段―○中村桃子女流初段→不正解
中村女流初段が奔放な指し回しで快勝。中村女流初段は覚醒したのか?

7枠
○室谷由紀女流初段―●塚田恵梨花女流2級→正解
序盤から大乱戦。もう少し落ち着いて指してくれないかなあ。美少女対決は先輩が制した。

8枠
○山口恵梨子女流初段―●飯野愛女流1級→正解
終わってみれば山口女流初段の順当勝ちだった。飯野女流1級は精進あるのみ。

以上、8局中5局正解。普通にやっても4局正解する計算だから、5局正解は少ない。1枠の伊藤女流初段敗退が最大の誤算だった。
本戦入り8人の平均年齢は21.5歳。ヤマダ電機の思惑通りなのか、チャレンジ杯をフレッシュ杯と変えたいくらい、若い女流棋士がそろった。私もうれしい。
本戦の7局は8月23日、群馬県高崎市で一挙に行われる。優勝候補は渡部女流初段としておく。
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愛VSあき

2015-06-19 00:39:58 | 女流棋士
日付変わって今日19日は、YAMADAチャレンジ杯・渡部愛女流初段と和田あき女流初段の一戦がある。
言うまでもないが、2人は「私が勝手に選ぶ女流棋士ファンランキング」の第2位と第3位である。先日は1位と2位の決戦だったが、本局も興味深い一戦だ。
どちらにも勝たせたいが、高崎へ行けるのはどちらか1人。どちらも死力を尽くして頑張ってほしい。
なお19日はほかにも、岩根忍女流二段―島井咲緒里女流二段(女流王座戦)、熊倉紫野女流初段―小野ゆかりアマ(YAMADAチャレンジ杯)がある。
岩根女流二段もファンランキングの常連で、島井女流二段と熊倉女流初段も、かつてファンランキングに名を連ねたことがある。ことに島井女流二段は、あまり知られていないが、ファンランキングの第1位を数日間獲ったこともあるのだ。
こちらの4人も、精一杯戦ってほしい。応援しています!
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6月7日の大野・植山教室(後編)

2015-06-19 00:35:17 | 大野・植山教室
「大野先生、この将棋を見てもらえませんか」
大野八一雄七段に、Hat氏が自戦将棋を見せている。大野・植山教室は将棋好きウエルカムである。指導対局でなくても、将棋のことなら何でも聞いてくれる。答えてくれる。
W―一公戦は、私は△5五歩と銀取りに突きだした。ここでW氏が▲4四銀と角取りに打ったのが、たぶん敗着であろう。以下△5六歩▲3三銀成△同桂の結果は、銀2枚を手にした後手が大儲けしてしまった。以下、幾ばくもなく私が勝った。
感想戦は大野七段を交えて行われたが、調べてみると、後手もそこそこ指せていたようである。W氏は成桂を作ったが、その前に駒損をしているので、意外に差は付いていなかったらしい。
私は形勢を悲観する癖がある。たぶん、実生活が悲惨だからだろう。
7局目はHon氏と。私の後手で、相掛かり模様に進む。序盤、私が巧妙な手順?で飛車角交換を果たしたが、「序盤は飛車より角」とはよくいったもので、飛車を持っても使い道がない。
対してHon氏はのびのびと指し、どんどん模様が良くなる。私はどうにも手がなくなり、よほど投げちまおうかと思ったが、これがリーグ戦かもしれないと思うと、投げるに投げられない。
「大野先生、あとこちらの将棋も見てもらえませんか」
またもHat氏の声が聞こえる。Hat氏、こんなに熱心とは…。まさかHat氏、将棋バカなのか!?
こちらは未練がましく指していたら、Hon氏の持ち時間がなくなり、かなり怪しくなってきた。
私は△2七角と据える。先手玉は▲4八なので、金があれば△4九金の一発だが、そううまくはいかない。
しかし指しているうち、▲4四の金が取れれば何とかなりそうな気がしてきた。
私は△5五銀と立つ。Hon氏は慌て気味にソッポのと金を動かしたが、これは明らかな一手パス。私は△8四の飛車で△4四飛と金を取り、これで勝ちが決まった。次に△4九金と打ち、それまでとなった。
Hon氏は強いのだが、秒読みに弱い。私も同類なので同情を禁じ得ないが、この克服がカギであろう。
さて、これで今日の将棋は終わりである。7局指して3勝4敗はまずまず。しかし3、4局目は勝たなければいけなかった。
「でも大沢さん、Sar君との▲3二銀は、筋が悪かったですね。あと大野先生との将棋も、飛車は7六に浮かずに、7八まで引いたほうがいいですよ。あとU君との将棋も、3筋の歩を飛車で切ったのはどうだったかな…」
とOg氏。Og氏は元奨励会の強豪だけに、棋理に合わない手が気になるのだ。私は頷くよりない。
そのU君との将棋、私が錯覚をして負けたのだが、頭の中で検討するに、何か私に勝ちがありそうである。
そこで大盤に並べ、Og氏に見てもらった。
そうやって駒を動かしているうち、私が△9一玉と早逃げする手を発見する。これが△8二桂までの詰めろで、先手は分かっていても受けにくい。これは後手の私が勝ちではないか?
「これは…内藤先生の『どっちが勝ち?』みたいですねえ」
とOg氏が目を輝かせる。
私は大野七段にも教えを請う。すると、「先手に香があれば▲8二香で受かるが、なければ後手勝ち」とのご宣託があった。
たぶん先手の持駒に、香はなかったと思う。とすれば、私の勝ちだったのか…。
「しかし大沢さん…将棋終わってまで頭の中で考えてるとは、やっぱり将棋が好きなんですよ」
大野七段が苦笑しながら言う。今度は私は、頷かない。
ともあれ、みなで夕食に出る。参加者は大野七段、W氏、Og氏、Hon氏、Hanaちゃん、Hat氏、私の7人。駅近くのガストに行った。
最初は2つのグループに分かれ、私のテーブルはW氏、Hanaちゃん、Hat氏。この組み合わせ初めてである。私は両の奥歯の状態が芳しくないが、それでも肉料理を頼んだ。
食事が終わって、続きのテーブルが空いたので、みなで移る。私たちはここからが長いのだ。
今日もなかなかに話題満載だったのだが、そのすべてをここに書く気力がない。
そういえば、和田あき女流初段との食事会がまだだ。私はどこで食べてもよく、あき女流初段のお望みは焼肉だったらしいのだが、私が高校の制服着用の条件を出したら、フランス料理に変わった。それで制服をなしにしたら焼肉に戻り、そこからまたフランス料理に戻っているのが、7日現在の状況である。
しかし、いつ行くのか? 6月27日とか、28日はどうだろう。
「それはダメだ。オレに用事がある」
とW氏。??
聞くと、運転手役として、W氏も参加することになったらしい。
最初は私とあき女流初段だけでこっそり食事を楽しむつもりだったのが、だんだん人が増えてきた。やはり世の中、うまくいかないのだ。
「ところで大沢さん、そもそも何であきちゃんにご飯をごちそうすることになったんだ?」
とW氏に改めて聞かれ、答えに詰まる私であった。
ところで大野七段は先日、自分にモスキート音が聴こえない事実に愕然としたという。だがこれに嘆くのもおかしな話で、私たちはいいオッサンだということを自覚しなければならない。
Og氏がPCを使って、各自の相性を見てくれる。Hanaちゃんは1月14日生まれだそう。
私「大野(源一)九段の命日じゃない」
Hana「うん、そう」
Hanaちゃんが大野九段の命日を知っているとは思わなかった。
私も女流棋士らとの相性をいろいろ見てもらったが、予想の範疇の回答だった。
というわけで今日もいろいろあり、店を出たのは、11時40分過ぎだった。

帰宅後、U君との将棋を改めて並べる。

△9六成香の詰めろに▲9九香と打ったところ。図から△9三歩▲同桂成△同銀▲8五玉まで私の投了となったのだが、図で△7三桂はないか、を教室で検討した。
これは△8五銀▲同歩△9三歩までの詰めろなので、先手は▲7三同桂成△同金に▲8五桂と打つ。
ここで△9一玉(参考1図)と引く手はないか、が私の主張である。

教室では、ここで先手に香の持駒がなかったので後手勝ちの結論が出たが、どうも先手には香があったようである。それなら▲8二香の犠打で先手勝ちだ。
また▲8二香で▲8二角もなくはないが、△同玉▲7三桂成△同銀引▲7四歩に、△7六角▲8五歩△9三歩で、これは後手が勝つ。
整理すると、図から△7三桂▲同桂成△同金▲8五桂△9一玉▲8二香で先手勝ち、が私の結論である。
また図に戻り、△9三歩▲同桂成にはやぶれかぶれで△同桂と取る手もあった。先手は▲6三角成とするが、そこでこっそり△9二玉。以下▲7二馬△同金▲同竜に△8二桂(参考2図)が逆王手という仕組みだ。

これは▲8二同竜以下後手玉が詰むが、指導対局の上手なら仕掛けてみたいドッキリである。
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6月7日の大野・植山教室(中編)

2015-06-18 00:09:27 | 大野・植山教室
植山悦行七段の「負けました」という声が聞こえる。Sat氏の一戦は、植山七段が投げたようだ。さっきは植山七段が優勢に見えたが、どうしてこうなったのだろう。
「どうもSatさんとは相性がよくないな」
プロとは思えぬボヤキだが、それだけSat氏が強いということだ。
私の3局目は、U君と練習将棋。私の後手で、石田流に組む。私は3筋の歩を交換するが、次の△4五歩は欲張りすぎ。すぐに▲4六歩と突き返されたら、こちらの具合が悪かった。
U君はまたも銀冠に組む。U君は対振り飛車に銀冠を構築するのが好きなようだが、急戦も勉強したほうがいいと思う。同じことは2度書かないよ。
U君は▲2四歩。私は△3五の銀で△同銀と取り、U君は▲同角と切る。以下△同飛▲同飛△同歩に▲4一飛(△4二の角取り)と打ったが、私も△2八飛(▲4八の銀取り)の楽しみがあり、駒得の私が指せると思った。
が、ここから先の私の指し方がやや乱暴だった。私は飛車角・角を切って攻めるが、切れ模様に陥った。
もう完全に負けなのだが、U君が受け過ぎて、私が息を吹き返した。しかしU君もヌルヌルと玉を逃げる。△9五香▲8五玉△8四銀▲9四玉。U玉が私の美濃囲いの懐に入ってきた。
ここで△9三歩は打ち歩詰め。それで△9二歩と控えて打ったが、▲8五桂と跳ばれて、後手に勝ちがないようだ。最後は端の折衝をうっかりして、あっけなく投了。この敗戦も痛かった。
4局目は新顔の小学生・Sar君と。彼は大山康晴十五世名人に似ていて、さっきの私とU君との感想戦では物怖じせず、横から意見を述べていた。彼はHanaちゃんとも平手で指していたし、かなりの手練れのようだ。まったく、何で大野・植山教室は、こうやって次から次へと小学生の強豪が来るのだろう。
これがどうも、リーグ戦らしい。駒を並べ、私がチェスクロックを交換する間に、Sar君が振り駒をしていた。Sar君、やる気満々である。
私の先手で、Sar君のゴキゲン中飛車。私は例によって▲6六歩と角道を止めるが、Sar君は穴熊に潜った。アナグマ…もうウンザリ。
Sar君は△7五歩と突っかける。私の▲同歩に、△5五歩。後手の狙いがよく分からないが、▲5五同歩なら△同飛▲5六歩△7五飛の意味だろうか。が、そうは問屋が卸さない。私は▲5五同歩と取らず、▲7六銀と上がる。これで1歩得になり、優勢になったと思った。
▲5七金右と締まったあたりは、我ながら落ち着いている。中央で銀交換になり、私の手番となった。

ここから私が信じられない手を連発する。自戒のためにも、投了までの指し手を記しておこう。
以下の指し手。▲2四歩△同角▲3二銀△5五歩▲同歩△5六歩▲同金△4七銀▲5七金上△3六銀成▲2三銀不成△3五角▲3四銀成△2六角▲3七歩△2七歩▲6八飛△3一飛▲3六歩△3四飛
▲3五銀△同角▲同歩△同飛▲3六歩△同飛▲3七歩△2六飛▲5四歩△5二歩▲6五歩△2八歩成▲1一角成△1九と▲7四歩△2九飛成▲5八金△4四桂▲同馬△同歩
▲6九香△5九銀
まで、Sar君の勝ち。

▲2四歩と突き捨てたのはいいとして、次の▲3二銀が筋悪の一手。こんなところに打つ手はなかった。
以下私がヘンテコな手を連発し、気がついたらつまらない形勢になっていた。
そこでSar君の△4四桂が名手。馬筋を止めつつ金取りという、味のいい一手だ。これで私は戦意喪失。以下△5九銀まで、投了した。
感想戦。▲2四歩△同角の後、Sar君は▲6五歩を恐れていたらしい。以下△3三角▲同角成△同桂▲2三飛成で後手悪い…と。
しかし先手側としては、△2四の角と▲8八の角を交換したくはない感じである。△2四角はいじめたいのだ。
その意味で、▲3二銀では▲2五銀と、こちら側から打つのがよかったと思う。以下、先手が悪くなる変化が見えない。
本局も作戦勝ちになりながら、もったいないことをした。リーグ戦では首位を争っていたのに、痛恨の後退となってしまった。
そして、気がつけば本日4連敗である。まあ、これが私の実力だが、そろそろ勝ちたいところである。
5局目はHanaちゃんと練習将棋。先日訳あって、歴代女流アマ名人を調べていたのだが、現在の保持者は誰だと思ったら、それが目の前にいるHanaちゃんだった。
時の女流名人と盤を挟めるとは光栄で、何年か後に、この有難味が実感されるのだろう。
将棋はHanaちゃんの中飛車になった。私は例によって角道を止め、持久戦になる。Hanaちゃんは銀冠を構築し、この将棋もまた、神経戦になった。
中盤、Hanaちゃんに果敢に攻められ、劣勢になる。しかしそこからHanaちゃんが決め手を逃し、混戦模様。終盤は私の端攻めの応接をHanaちゃんが間違え、私の辛勝となった。
ま、Hanaちゃんとは楽しく将棋が指せればよい。
さて、改めて今日の生徒は、Hon氏、Sat氏、Hat氏、Hanaちゃん、U君、Sar君、私の7人である。順列組合せですべての人と指せそうだが、対局中の人もいて、そうもいかない。傍らのW氏が見かねて、将棋を誘ってきた。
W氏は指将棋から引退しているが、生徒が少ない時など、稀に指すことがある。将棋道場で席主が客と指す時の状況と同じで、W氏、いよいよ席主の風格が様になってきた。
W氏の先手で、中飛車に振る。私は銀冠を構築するが、W氏に角銀交換から成桂を作られ、劣勢に陥った。
W氏と私では私のほうが強いと思うのだが、いつも中盤まで私が悪い。そこでW氏がコケれば私が勝つが、最小限のミスで乗り越えられると私が負ける。
本局はどうなったか。
(つづく)
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6月7日の大野・植山教室(前編)

2015-06-17 00:09:49 | 大野・植山教室
7日(日)は埼玉県川口市にある「大野・植山教室」に行った。
午後1時20分ごろ教室に入ると、今回は生徒が少ない。奥の部屋も似たようなもので、大人はSat氏とHat氏だけだった。前回お邪魔した時は満員だったが、この落差は何だろう。
大野・植山教室は棋士の指導対局がメインなので、大野八一雄七段と植山悦行七段に指導を仰げば、それで双方の目的は達成している。その後のリーグ戦はいわばおまけなので生徒の多寡は関係ないのだが、それにしたって閑古鳥が鳴いていては、こちらの気合も入らないというものだ。巡り合わせとはいえ、こういう回があるから、教室はこわい。
1局目は植山七段に教えていただく。当然のように平手である。プロの七段相手に平手。どう考えてもおかしいが、それでも私が勝たせていただくことがあるから、駒落ちに戻るわけにもいかない。
▲7六歩△8四歩▲6八銀△3四歩▲7七銀で矢倉模様になった。
植山七段は、相矢倉の後手だと素直に追随しない。必ず急戦模様で来るが、本局は左美濃だった。
△7五歩▲同歩△同角に▲6五歩。植山七段は△7四銀から△5三角と引き、▲4六角には△9二飛と寄る(第1図)。

右ではSat氏がやはり平手で挑んでいる。相居飛車だがSat氏の右玉。Sat氏の十八番である。
本局。ここで▲7五歩は△8三銀と引かれてつまらないと見た私は、▲5七銀上△4二玉▲2五歩と進める。ここで△3三銀なら▲3七桂の予定。植山七段は△3一玉とし、私は▲2四歩△同歩▲同飛と飛車先の歩を交換し、ポイントを挙げた。
その後私が攻め手を自重しているうちに植山七段に十分の攻め形を作られ、△3七歩成▲同桂△3六歩で桂損が確定、さらに△2七とと飛車角両取りに寄られては、さすがに負けを覚悟した。
ところが私が銀を取り、しかも▲7八飛、▲5九角と両方とも逃げて、意外と面白い形勢になったのではないかと思った。
△8六歩▲同金△7七歩(第2図)。ここで私が間違えた。

飛車を見捨てて▲6五銀と桂を取ったのが、せっかく盛り返した将棋を棒に振った大悪手。植山七段に△7八歩成と飛車を取られ、▲同玉に、「ここに打つのがいいのか」と△5八飛と打たれては、一遍に下手の敗勢になった。
私は▲6八銀だが(まだしも▲6九玉だった)、△3五角~△3八とと着実に攻められ下手必敗。以下数手で投了した。
戻って▲6五銀では、当然▲7七同桂と取るところ。この後上手がどう攻めてくるのか分からぬが、本譜より数段優ったのは明らかだ。
感想戦。第1図で▲7五歩は△8三銀、と私は読んだが、植山七段は△8三銀を1秒も考えなかったという。△7五同銀▲同銀△同角。これなら私は喜んで▲8三銀と打つ。
調べてみたら下手十分で、こうなるのだったら▲7五歩と打つのだった。

2局目は大野七段に教えていただく。もちろん角落ちで、私は前回の経験を活かし、再び石田流に構えた。
私は▲7七銀から▲8六銀と出る。狙いは▲9五歩からの端攻めで、これは午前中に観たNHK杯で、飯塚祐紀(ひろき)七段が指した手を参考にした。
そしてこの端攻めが意外に効いたようである。先に桂損したものの上手陣を乱し、下手指せる。大野七段が△7三桂(第1図)と据えたところで、3時休憩となった。
先日の食事会後の雑談で、「3時休みはキチッと取る」が挙げられたが、大野七段は時間通り取るほうである。どちらかというと、植山七段のほうがルーズだ。
W氏とHon氏が相次いで来た。これでちょっと一安心である。
社団戦の話になったが、大野・植山教室の意外な成績に、私たちは苦笑するしかない。まあ今回は初参戦の選手も多かったし、慣れてくればすぐに勝ち星も集まるだろう。
3時休みが終わり、対局が再開される。

第1図以下の指し手。▲9六飛△7五歩▲8六歩△7四金▲8五歩△同金▲4六飛△6三玉▲9三歩成△同金▲8六銀△9四歩▲7四歩△同玉▲8五銀△同桂▲8六歩△7七銀(第2図)
以下、大野七段の勝ち。


私は▲9六飛と寄り▲8六歩を見せたが、こう指すのなら▲8六飛の途中下車はいらなかった。
本譜は△6三金の応援が間に合い、やや差を詰められている。
そして数手後に指した▲8六歩が弱い手で、△7七銀と角を殺されては、下手敗勢となった。以下▲7九角△7八銀成▲8五歩△7九成銀▲2三桂△1二香と進み、数手後に投了した。
感想戦。序盤の構想は褒めてもらったが、その後がいけなかった。
▲8六歩では、▲8六桂でどうだったか。△6三玉▲7四金△5二玉▲9四香…。
検討すると、けっこう下手も戦えた。本譜▲2三桂のところでも、同様の手があったと思う。
以上、指導対局は2局とも、悔いの残る敗戦となった。
(つづく)
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