80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

それなりに成果あり

2012-09-02 01:41:07 | 私鉄電車
こんばんは。というか、またおはようございますの時間。

昨日はものすごい雨の音で目が覚めました。久々に雨が降ったと思ったらこの不安定な天気。今日もこの天気は続きそうです。サフェ吹きのタイミングを狙っているのですがちょっと無理そうですね。。


さて昨日は予告通り地下鉄博物館へ行ってきました。銀座線旧型車、とりわけ床下機器について何かヒントはないものかと訪ねたものです。やはりというか残念ながらというか、そのものズバリの答えは見つかりませんでしたが、よしこれで行こうと腹をくくるだけのヒントを持ち帰ることはできました。「それなりに成果あり」といったところです。


地下鉄博物館は東西線葛西駅の高架下にあります。訪問は2度め。
前来た時には気付かなかったのですが、エントランス脇にあるこのレリーフ、どうも第三軌条式の台車をモチーフにしているようです。左右の丸い車輪の間が梁で結ばれ、その中心にコレクターシュー(集電靴)があるという構図。なかなかよくデザインされています。梁の位置がもう少し高かったら、ただのボルスタレス台車になっちゃいそうですが...(^^;



入るとすぐに丸ノ内線300形の赤い車体がお出迎えしてくれるのですが、今回はそちらはパスして1000形(もちろん先代)の方へそそくさと。「東京地下鉄道1000形」は銀座線のルーツにして今日の東京メトロ・ネットワークの始祖でもあります。
前回来た時のおぼろげな記憶では悪~い予感がしていたのですが・・・
やっぱり。全長にわたってぴったりホームに隠れて床下は見えません。ライトアップされてるのに!



ならばと反対側へ回り込むと、端っこが階段で隠れてはいるもののかなりオープンな状態になっていてひと安心。
こちらはいわゆる空気側サイドです。とにかく端から写真を撮りながら要点をメモしていきます。



今作っている模型編成では1000形そのものは作りませんが、形式は変わり、駆動方式も釣り掛けからWN駆動(1900形以降)へと変化してはいるもののずっと電制ナシの1M方式を通しているため、大枠の機器配置は一緒だろうと踏んでいるのです。
ただ、その中でもちょうど車体の中央付近はどの写真を見ても黒くつぶれていて何があるのかわかりません。
旧型電車の標準的な構成でいくとブレーキシリンダーやブレーキ制御弁関係の機器などがあるはずですが・・・


予想当たりです。大きなエアタンク(右)の隣にはブレーキ制御弁らしきものがあってパイプが縦横に交錯しています。その左側にブレーキシリンダー。とてもゴツイつくりです。



銘板を拡大してみましょう。「日本エヤーブレーキ株式會社 神戸市脇濱海岸通」とあります。「A-6形」とありますので自動空気ブレーキの「A動作弁」のことではないかと思いますが..? ちなみにこの車両の製造年は1927年(昭和2年)。昭和初期の神戸はさぞハイカラだったことでしょう。



そしてブレーキシリンダーの左隣にはコンプレッサー。D-3-Fというのでしょうか? エコーのDH25形というコンプを買ってあるのですがその3倍くらいでかいです(^^; 一番右の部分の形が似ているので使えなくはないですが...



あとは階段に隠れて見にくいところにバッテリーと思しき箱がついていました。
反対の電気側はよく見えませんが、とりあえず裏側から写真だけはバシバシ撮ってきました。3連抵抗器+制御器+細々とした接触器箱・・・といった配置のようです。

次いで向かったのは大型模型の展示コーナー。確か2000形の1/20模型があったような・・・

ありました! いつ見てもこのサイズの模型っていいなあ...って見とれてしまいます。
しかし、よりによってコイツも空気側かよ・・・と思って拡大してみると..



エアタンクとか左右のあたりは大同小異の雰囲気ですが、真ん中にぶら下がってる丸いのはナニ?
冷房車じゃあるまいし大容量MG? フィルタリアクトル? 水タンク? 汚物タンク?(爆)
どれもNO!であることは明確です。
場所的に考えられるのはコンプレッサー(D-3-F)なんですが、ちょっとデフォルメきつくないですか??



2000形観察もなんだか消化不良で終わってしまい最後の見学地へ。FS-23台車(だと思う)です。
隣にある100形の運転室のマスコンを操作するとグウォーンという重厚な釣り掛け音を奏でる、小中学生諸君にはもったいないような(ゴメンね)展示作品なのですが、実はこの音が聞きたかったわけではありません。



このFS-23なる台車、1700形、1800形といった釣り掛け末期の車両が履いているのですが、雑誌などの写真を見たときから不思議だったのがブレーキシリンダーがどこにも見えないことです。台車についていないとなると1000形と同じく車体シリンダー方式ということになりますが、そんな古めかしいメカとも思えません。些細なことですが模型の床下にも影響するので真相が知りたかったのです。

そして現物をまじまじと観察してみると、やっぱりシリンダーが見当たりません。
しかし小学生運転士がコントロールしている様子を見ると、確かにリンク機構が働いてブレーキがかかっているのです。
どこか外部にアクチュエーターみたいなものを置いてブレーキをかけているのか?

怪訝に思いつつ100形の車内に上がって台車を見降ろしてみると答えが判明しました。
ブレーキシリンダーはやっぱり台車についていました。
どこだかわかりますか?



ココですよ! 側梁の中央付近、ちょうど枕梁取付け部の根元あたりに巧妙に仕込まれていました。複動式といって1本のシリンダーから前後両方に押し出すタイプのようです。集電機構があるために揺れ枕も内側に隠れていて、トータルでみるとすごく複雑な設計になっています。さすが住友金属。



ということで、疑問が氷解したものもあればさらに深まったものもありと、いつもながらの楽しい実車見学でした。
総括すれば次のようになりますか。
・1600、1700、1800、2000形各車とも床下機器は同じに作る
・ブレーキシリンダーは台車架装なので、空気側の中央付近はコンプレッサーと制御弁らしきパイプ群(これはこれで面倒ですが)だけにする
・コンプレッサーは結構大型なので市販パーツをベースにそれらしく作り直す


残る宿題、
・サハ化された1300形の床下ってスッカスカでいいの~?(コンプついてるのかな?)
・1600形のKD-13てどんな台車なの~?
については、作りながら引き続き情報を探してみたいと思います。


ちなみに地下鉄博物館には土日祝日のみ開館する図書室(図書コーナー程度のスペース)があり、だめもとで係の人に聞いてみたのですが「ご覧のように小中学生向きのコーナーですのでねー」と言われてしまいました。やはり「1300形電動客車改造記録?」なんてのは無理か(^^;
ただ、一般公開はしていないもの閉架書庫にはもっと色々な蔵書がある、ともおっしゃっていたので、せめて目録だけでも検索させてくれないかなーと指をくわえながら退室した次第。


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コメント (8)
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