”空に書く(Skywriting by Word of Mouth)"という本の存在は知らなかった。
ジョンレノンが、亡くなった後、1986年に出た本であるという。
ビートルズ現役時代の作品もあるが、ほとんどが、主夫時代(1970年代後半)の作品だ。
しかし、これが作品か?
ジョンレノンの作品は、英語で読んでも、翻訳を読んでもさっぱりわからない。
やたらに難しい表現や、ダジャレが散りばめられているのだが、美しさというものは、感じられず、ちんぷんかんぷんである。醜悪ですらある。
翻訳者泣かせと思うが、一生懸命訳してある。
なぜ、ジョンがこんなことを書いているのか、背景があると思うのだが、注釈もなく、ジョンレノンの頭の中だけにある独自の世界に引きずり込まれて、途方にくれるだけだ。
これらの作品をヨーコと読みあって、げらげら笑っていたという。似たもの夫婦というか、変人夫婦というか。
ただ、イラストはいい。このセンスには、脱帽。
この訳のわからない文章の一部から、すばらしい曲も生まれるのだろうが(I'm the Walrus も名曲になっているが、歌詞だけ読んでも何が何だかわからない)、残念ながらジョンレノンはその前に亡くなった。
ということで、こっちも訳がわからなくなってしまったが、天才には、凡人についていけないところが必ずあるということにしておこう。
この表紙は、もちろん日本人写真家の西丸さんに軽井沢で撮られた名作だ。
今から見ると、悟った姿にも見える。