今日は、前売りを買ってあったベルリン国立美術館展に行ってきた。
夕方に行ったので、人出もそこそこで、堪能できた。
目玉は、初来日のフェルメールの真珠の首飾りの少女だが、ルネッサンス以降の西洋美術の流れがわかるよう、幅広い作品群が来日している。
考えさせられるのが、宗教色の強さ。ルネッサンスは、宗教からの解放と言われるが、芸術のテーマは、宗教にかかわる題材がほとんど。
庶民生活に目が向くまでは、数百年待たねばならなかったことがよくわかる。
芸術的な技術のレベルにおいても、東洋と西洋と、優劣はない。特に彫り物については、東洋の方がレベルが上かと思う。もちろん、私に、西洋の宗教についてのバックグラウンドが少ないことも一因だが。
当時の英雄が龍を退治している彫刻があったが、四天王が天邪鬼を成敗している彫刻の方が全然いい。
フェルメールの真珠の基部飾りの少女は、流石にすごい人だかりだが、やはり回りの絵と一味違う感じ。
他の作品は、宗教のにおいが強すぎて、全般的に暗めの色調だが、フェルメールは、宗教的なにおいが感じられず、光の使い方が美しい。
ヨーロッパの美術史に興味がある方には、絶対お勧め。
常設展も久しぶりに見たが、凄い。
ドイツの極細版画のコーナーもあったが、備え付けの虫眼鏡を使っても、きつかった。
エッチングと思ったら、木版だそうだ。